連動性さむね

腰痛は腹筋で防げるのか?腰痛を防ぐ連動性トレーニング

クランチ

腹筋をしても腰痛が改善しない理由

「腰痛には腹筋が効く」

この言葉に聞き覚えはありませんか?
腹筋を鍛えるというと、体を起こすいわゆる”上体起こし”をイメージする人は多いと思います。

これは学生の頃の体力テストや、テレビなどのイメージの影響が強いのかと個人的には思います。実際に私も学生時代には腹筋を鍛えるために上体起こしをしていた記憶があります。

ゴルフのスイングでは各場面によって動きが変化します。

アドレス:体幹の前傾を保つ
バックスイング、フォロースイング:体幹を捻る
インパクト:身体の伸び上がりを抑える

さむね

このようにゴルフでは腹筋において複数の役割が求められることになります。これらの動きをコントロールすることが、腰痛の予防には必要になります。しかし、上体起こしをひたすら繰り返すことは曲げる動きばかりが繰り返され、あまり効率的とはいえません。むしろ体が硬くなり腰痛を助長してしまっているかもしれません。


ではどんなトレーニングが腰痛には効果的なのでしょうか?


今回は腰痛予防だけではなく、ドライバーの飛距離アップ・スイングの安定などパフォーマンスアップにも効果が期待できるトレーニングを紹介していきたいと思います。

コースに出れないこの時期にトレーニングをして更なるレベルアップを目指しましょう!


体幹のコントロールがカギ

腰痛になる原因はスイングによって腰に負荷が集中することが大部分占めます。その原因の一つに上半身の動きをコントロールできないということが考えられます。

ゴルフスイングでは加速が強まるインパクトからフォロースルーにかけて腰への負荷が集中する傾向があり、胸周りの胸郭の動きを安定させる必要があります。

この時に胸郭の動きをコントロールするのが腹筋の役割です。スイングでは曲げる、伸ばす、捻る、傾けるといった動きが組み合わされています。上体起こしのような曲げるだけの動きだけをトレーニングすることは、伸ばす、捻る、傾ける動きを制限して胸郭をコントロールしづらくなる可能性があるのです。


スイングをコントロールする腹筋は体幹筋というにお腹周りの筋肉に含まれ一般的に体幹として知られています。体幹筋は、背骨を曲げる、伸ばす・捻るなど動かすことや、体がブレないように安定させる重要な役割をもっています。

特にゴルフでは体を捻る腹斜筋という筋肉の働きが重要になります。
腹斜筋は内・外腹斜筋の2つに分けられます。

腹斜筋

≪腹斜筋≫
外腹斜筋
内腹斜筋にわけられ身体を捻る、曲げる、傾けるなど体幹をコントロールするには欠かせない筋肉


最初に出た上体起こしのような腹筋のトレーニングでは身体を曲げる動きばかりが強調され、腹斜筋を強くするには不十分といえます。

腹斜筋を鍛えるためには、基本的に体を捻る動きを取り入れる必要があります。


では腹斜筋だけを鍛えれば腰痛は防ぐことができるのか?
実は腰痛を防ぐうえで欠かすことのできない筋肉がもう1つあります。

それは内ももにある内転筋という筋肉です。


「腹斜筋」と「内転筋」の連動性

内転筋

内転筋は内ももにある筋肉で脚を閉じたり、絞る役割を持ち、ゴルフにおいて見逃されがちですが非常に重要な筋肉と考えられます。

内転筋がうまく使えないとバックスイングやフォロースイングおいて膝が内側に入ったり、骨盤が外に逃げたりとスウェイの原因になりえます。

内転筋は外腹斜筋は繋がりがあるといわれており、この2つが一緒に働くことでさらに体幹の安定をさせることができます。

内転 腹斜筋

スイングでのトップスイング、フィニッシュにおいて内ももを絞り骨盤から上半身へ力を伝える役割を持つので、飛距離アップ・スイングの軌道の安定などパフォーマンスアップにも欠かせない筋肉といえます。

よく見られるパターンとして、上半身を捻って膝が内側に入ってしまうような場合には、腹斜筋や内転筋の柔軟性が不足している可能性があるのでまずは入念にストレッチをしましょう。

腹斜筋と内転筋の機能をスイングに結び付けるには、この2つを連動させたトレーニングを行うことが上半身をコントロールする能力をアップさせることにつながります。

内転 腹斜筋スイング

スイングで腹斜筋と内転筋の連動性は重要


連動性トレーニング

では最後トレーニングを紹介していきます。


【腹斜筋トレーニング】
≪ポイント≫
腹斜筋をトレーニングする時には内ももに力を入れることで内転筋で骨盤を固定する。


胸郭回旋 
みぞおちから上半身を捻る
回した反対側のお尻が浮かないようにする


骨盤回旋
両肩をつけて骨盤を倒す
倒した反対側の肩が浮かないようにする


胸郭回旋 サイドブリッジ
肘と足で身体を支えて胸を捻り手を伸ばす



【内転筋トレーニング】

≪ポイント≫
内ももに力が入ることを意識する

内転筋ブリッジ
脚を少し外側につき、内ももに力をいれてお尻を持ち上げる


ワイドスクワット
足先(4番目の趾)と膝の向きを合わせお尻を真下に下げる
膝が内側に入らないようにする


クロスオーバーランジ
脚を前後で交差させて足先(4番目の趾)と膝の向きを合わせて股関節から曲げる。
反対側の股関節が開かないようにする


【腹斜筋ー内転筋連動トレーニング】

ツイストワイドスクワット
ワイドスクワットの状態からみぞおちのあたりから上半身を捻る
捻った時に膝が内側に入らなようにする


ニーリングツイスト
片膝をついてみぞおちから上半身を回す
上半身を回して骨盤がブレないようにする


またトレーニングをする前には柔軟性をしっかり出しておく必要がありますので、日頃からセルフケアは重要になります。

【柔軟性改善のためのセルフケア】


まとめ

・ゴルフでは腹筋の役割は上半身をコントロールすること

・スイングで体幹を安定させるには腹斜筋が重要

・腹斜筋と内転筋を連動性を高めることでスイングを安定させ腰痛を防ぐ

腰痛を防ぐためにはスイングでいかに上半身をコントロールするかが重要な要素になります。

今回紹介したトレーニングを活かして腰痛知らずの身体を作りましょう!

最後までご覧いただきありがとうございました!


参考文献

・臨床スポーツ医学 第33巻 第3号 ゴルフ障害の治療・予防・コンディショニング
・スポーツ傷害 予防と治療のための 体幹モーターコントロール 中外医学社)


【L-tra.】

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