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SUBARU ff-1 レストアプロジェクト

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50年前、宮城スバルが試作した車が、現在のスバルのAWDシステムの原点となったことは皆さまご存知でしょうか? 今回弊社の歴史を振り返る為、その原点ともいえる車両を1年がかりでレス…
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#メカニック

SUBARU ff-1 レストアプロジェクト 第11回

こんにちは。宮城スバル本社です。 今回はエンジンのシリンダーヘッドとバルブの分解整備の模様をお届けします。 その前にff-1に搭載されているエンジンについて豆知識を少し紹介します。 水平対向4気筒 OHV 吸排気2バルブ構成のエンジンが搭載されていますが、当時としては先進的なエンジンでした。 OHVエンジンはクランクシャフトの回転をギアでカムシャフトに伝え、カム山でプッシュロッドとロッカーアームを介してバルブを駆動させているのが特徴です。 その構造上、エンジンを高回転まで回

SUBARU ff-1 レストアプロジェクト 第10回

こんにちは。宮城スバル本社です。 前回に引き続きff-1の鈑金作業の模様をお届けします。 後席や荷室周辺の錆取り・乖離がある程度進んだので、今度は外装を中心に作業を行います。 前回の作業で、車内の錆は広く進行し、一部は腐りかけていることが判明しました。長年風雨に晒された外装も、見えない箇所では錆が深く浸食しているはずです。 新車同然の状態に戻す目標の元、恐る恐るピラーパネルやカウルトップを取り外し、内部を点検すると、予想通り錆が広く浸食していました… 当然錆を残したままに

SUBARU ff-1 レストアプロジェクト 第9回

こんにちは。宮城スバル本社です。 今回からレストアプロジェクトの中でも一大事業である鈑金塗装に入ります。 ボディの状態は外装がキレイでしたが、骨格系パネルや見えない箇所に錆が広く発生しており、特にフロアパネルやリアクォーターは錆が酷く穴が開いていました。また、鈑金修理や全塗装をした形跡もあり、ボディ色がオリジナルではありませんでした。 この状態を新車のような輝きへ復活させるべき作業は、まず、①発生している錆を除去・再び発生させないような処置を施し(耐久性の復元)、②強度不

SUBARU ff-1 レストアプロジェクト 第8回

こんにちは。宮城スバル本社です。 今回はキャブレターの分解・診断を紹介します。 キャブレターとは燃料を気化させる装置。エンジンは燃料と空気を混合して燃焼させ動力を得ます。ガソリンを燃えやすくするためにキャブレターがガソリンを霧状にして空気と混ぜることによって、容易にガソリンを燃焼、爆発させることができます。 昔の車には当たり前についていた装置でしたが、排ガス規制強化や技術の進歩により電子制御のインジェクションにかわり今の自動車には使われることの無い機構です。 こちらがff

SUBARU ff-1 レストアプロジェクト 第7回

こんにちは。宮城スバル本社です。 今回は第4回で取り外したハーネスを刷新するためにハーネスを調べていきます。 まずハーネスとは何かを説明すると、車の中に張り巡らされた電線や、それに接続しているコネクタ等の部品、ジャンクションボックス等の電子・電気部品を束にしたものを言い、車に搭載されている様々な電装品を作動させるための電気の経路となる部品のことです。 長年使用されていたハーネスは、接続部(コネクター)の接触不良や先代の所有者が様々な加工を施されていたので、全ての配線を新しく