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円安、調べてみました。調べれば調べるほど恐ろしくなりました。

先日の「外国人旅行客と円安」記事の中で書いた「円安が進んでいる理由・原因」に抜けがあることに気付きました。ただ、その理由はちょっと難しくて、ニャンのような素人に説明できるかどうか自信はありませんがやってみます。もし間違えていたらごめんなさい。

前回の記事では、円安が進んでいる理由を次のように書きました。

日本の経済・産業構造の抜本的改革がなされていないことに加えて:

・日銀の超低金利と緩和政策の続行
・超低金利の円キャリートレード
・安い日本の株を買い漁る外国人のリスクヘッジ円売り
・円安を維持して株高を維持したい政府・経済界の思惑
・新NISA成功のため意地でも株価を下げられない岸田政権
・日本に投資を引き込む(日本を売る)ため円安にしておきたい岸田政権
・インバウンドを増やしたいため円安を維持したい政府と経済界の意向
そして
・金利を上げることを許してくれないアメリカ

「外国人旅行客と円安」から

上記に抜けていたのは「国債問題」です。

日本政府と日銀の国債問題

国債と金利との関係について簡単におさらいをしておきます。
1.利上げによって日銀の国債含み損が膨らむ。
2.利上げによって日本政府の国債利払いが増える。
3.国債を発行をしているのは日本政府。
4.国債をたくさん買っているのは日銀。

以上を踏まえたうえで、日本政府と日銀の国債関連の状況を見てみます。

日本の一般会計予算の約30%は国債

2024年度一般会計予算の場合、歳入の1/3が国債(借金)で、歳出の1/4が国債費(借金返済)という状況です。

歳入:112兆717億円のうち国債発行は34兆9490億円(約1/3)
歳出:112兆717億円のうち国債費は27兆90億円(約1/4)

国債費というのは、償還(国債のお金を返済すること)したり利払いすること、つまり借金返済のことです。

日本政府は、金利が上がると国債費(借金返済額)が上がるから、金利を上げたくない。つまり、円安進行です。

膨大な日銀保有の国債の評価損

国債は誰でも買うことができますが、日本の場合は日銀が膨大に買い入れして保有しています。2024年3月末には年度末過去最大589兆円となり保有比率は50%を超えています。

日銀の国債含み損は、2023年3月末で1571億円、2023年9月末で10兆5000億円ありました。
そして、今年2月22日の衆院予算委員会で日銀総裁は:
金利1%上昇した場合、保有国債の評価損は約40兆円程度発生する。」
と答弁しました。

日銀の自己資本は12兆7000億円だから、金利1%上げると含み損が自己資本を3倍以上超えることになります。

補足:日銀が保有する国債は満期保有を前提にしているので償却原価法で会計処理されており時価評価はされていません。日銀が国債を満期まで保有すれば損失は生じないのです。

確かに一般企業だと自己資本より含み損が3倍以上になるのは危機です。

この論理だと、金利を上げることは日銀にとって危機なので、日銀は金利を上げたくない。どんどん円安が進行します。

国債問題は日本政府と日銀の金融政策の失敗?

もし今、日本政府と日銀が円暴落を放置している理由の一つが国債問題にあるとしたら、こうなった原因は日本政府と日銀の金融政策の失敗です。

それなのに、日本政府と日銀は「円」しか持たない庶民が物価高でどんなに苦しくなろうと円安放置する。

これはいったい誰の責任なんでしょうか。政治家か、日銀か、財務省か、財務省官僚か、日銀総裁か、それともこういう事情をずっと許してきた国民か。

それでも、「政治と金融政策には腹が立つが、日本がそんなに借金があるなら大変なことだ。仕方ない。子供たちに借金のつけを残さないためにも、低金利、円安を甘んじて受け入れよう。」という方がいらっしゃるかもしれません。

でも、違う見方もあります。もっと、日本の金融政策の根本にかかわるような問題です。ニャンのお師匠様が書かれた以前のレポートを読んだ記憶から、このことに気がつきました。

国家は中央銀行の国債は償還はしなくてもいい?
60年償還ルールは日本だけ、世界基準ではない

日本政府の国債費、いわゆる借金返済が一般会計予算の約1/4にもなっていること、金利を上げると日銀の含み損が自己資本を超えてしまいそうなことが、金利を上げられない理由かもしれないという推測を述べました。

では、日銀が買い入れた国債を日本政府は償還しなくてもいい(返済しなくてもいい)としたらどうでしょう。

日本では国債の償還をやっている。毎年、償還する金額を政府の一般会計予算に計上している。どの国もそんなことはやっていない。日本政府は毎年国債償還に費用を計上している。馬鹿げたことだ。家計では貯金を増やすことは意味があるが、国ではその必要はない。貯金ではなく国民を豊かにするために投資しなければならない。

お師匠様のレポートから

国家が60年償還ルールというものを適用しているのは日本だけだそうで、日本だけが一般会計予算に国債費を計上しているが、世界各国は利払費のみ計上してることと比して特異な状況にあるということです。
日本も日銀への償還をしないようにすれば、日銀以外への償還と利払いだけすればいいので、一般会計予算の1/4も占める国債費を大幅に減らすことができます。
そうしたら、お師匠様が主張するように、国民を豊かにするための投資に税金を使えます。国債の利払い増加を心配する必要もありません。

つまり、日本の国債償還を世界標準にしたり、外国や外国人や富裕層のためだけの金融政策や政治を止めて日本国民のための政治になれば、今のような円安にならずに、もっとあるべき円の価値に落ちつくと思うのです。例えば、日本の産業の実態を反映した円の価格に。130円とか。

アメリカによる支配

でも、そうするにはアメリカの許可が必要なんですね、きっと。

アメリカの支配から抜け出して普通の主権国家になり、政治家や官僚にやる気と能力のある正しい人達がいないと変われませんね。
若い頃には全く分からなかった半植民地状態でしたが、年を取る毎にいろいろと勉強したり経験したりすると、ニャンにも「アメリカによる支配」が見えてきました。
だけど、日本政府は「アメリカによる支配」はこわせないし、こわすつもりもなさそうです。

余談:阿倍元総理がおっしゃった「日本を取り戻す」というのは、アメリカの支配から抜け出してまっとうな独立主権国家になる、ということだったとニャンは思っています。

やっぱり、打つ手はなさそうですね。
どこまで円安になるのでしょう。
160円、200円まで行くでしょうか。

160円とか200円になったら、どういう日本になるの?

30年~40年前の、日本から見た東南アジアの国々のようになるのでしょう。

外国人観光客が贅沢するのを横目で見ながら、安い粗末な食事をする。
外国に出稼ぎに出る。
お金持ちと庶民との貧富の格差が凄く大きくなる。
高等教育を受けられない子供たちが増え、学力が低下する。
エネルギー資源がなく真夏に熱帯と化す日本では、冷房が十分に使えなくて熱中症で亡くなる方が多くなる。
ホームレスが増える。
生活保護者が増える。
道路や橋などインフラが劣化して事故が多くなる。
治安が悪化する。
・・・・

そんなとき、首都直下地震とか東南海地震とか起きたらどうなってしまうのでしょう。

もう想像したくないです。

嫌だ、嫌だ、そんな日本は嫌だ~。どうにかしろ💢💢💢
と、ニャンの同居猫も恐い目で怒っております。