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地球を感動の惑星に

地球を感動の惑星に

文:信田紗由美
愛でBusiness講座インストラクター・創設者


 想像してみて、地球が感動しているところを。
 私たちは地球のことをどれほど知っているだろう。誰が名付けたのか。本当に球状なのか。本当に核があるのか。これらのことを自分の目で見たことはないし、メディアからの情報で知っただけ。私と地球との関係は、存在が当たり前過ぎて、知っているようで実は知らないことばかり。どうしたら地球が感動するのかなんて、学者でもない私に確証があるはずもない。
 私ができることは、精一杯想像することだけ。想像したことを試すことだけ。わからないことの結果はわからないから。わからないというのは、これから何かに変わるサインで、決して諦めることではない。想像することは変化を生み出す。なぜなら、今までとは違う選択肢を創り出す行為だから。そうして人は可能性を味方にしてきた。それだけは私でもわかる。地球は私たちの未来に感動してくれるだろうか?


あなたは何を想像する?

 地球が感動の惑星となるには具体的にどう活動したらいいのだろう。大きなものを動かすには相応の力がいる。川原の小さな石を動かすのは子供の力でも容易いけれど、大きな山を動かすには相当大きな機械が必要だし、人数も時間も必要になる。それが地球規模となると大仕事だ。
 目的を大きく捉えるほど、比例して大きな変化を起こさなければと躍起になる人は多い。対相手が自分より大きければ大きいほど、自分の力が及ばないと感じる。挑戦もせず「無理だ」と足を止めてしまう。想像上で諦めてしまうのだ。地球に働きかける前に、自分自身の人生に対して感動を与えずに過ごしてしまう。そうして、可能性を殺してきた人も少なくない。
 私もその内の一人。自分を動かすこともできずにいるのに、地球を動かす程のことはできるのだろうか。
 ここからは、私がある人に聞いて取り組んでいる「人も地球も喜び感動で満たされるプロセス」を紹介しよう。

何かを動かしたかったら動かしやすいところから動かせばいい。部屋の掃除と一緒だ。大きな家具を動かすより、まず文房具とか服とか軽いものから片づけ始める。案外、軽いものを先に片付けてしまえば大きな家具までどうにかしなくても良かったりする。普段から掃除をきちんとしていれば大掃除も必要ない、といった具合だ。
  「全ての物事は繋がっている」とはよく言ったもので、掃除と同じように軽いところから働きかけていけばいい。それでは、この地球上で一番軽いものは何だろうか?元素レベルで一番軽い水素でもない。一番は、 私たちの「意識」である。私たちの意識へ働きかけることが、この地球が感動の惑星へと向かう鍵となるのだ。なぜか。
 意識は私たちに大きな影響を及ぼす。意識の持ちようが目の前の選択を左右し、 選択が行動になり、現実に意識を反映した状況を生み出していく。マザー・テレサも意識が性格、人生へと繋がっていると伝えている。人間が一日に意思決定している選択の回数を知っているだろうか。

現時点では三万五千回と言われている。意思決定の分だけ人生の分岐点がある。一日に一つでも地球に対しての意識を向けた選択ができたなら、何か変化を起こせそうな気がする。全てを意識的に選択することができれば、それが「人生を思い通りにしている」ことにもなるだろう。しかし、そうはなっていない。残念ながらそのほとんどは無意識的に決定をくだしている。選択には少なからず迷いが生じる。周りの目を気にしたり損得勘定が発生する。意識的になればなるほど迷いやすくなる。 焦り、葛藤、苦悩すれば脳はすぐにオーバーヒートし、膨大なストレスがオプションとしてついてくるからだ。意識も大きく変えようとすれば大きな力、負担が生まれる。毎日この調子だと、体も精神も壊れてしまい、とても感動どころではない。ストレスを感じさせない為に、私たちの意識は選択できるタイミングでも気づかなくさせてくれている。このままの状態で意識的選択を増やすことは諦めや惰性で生きることに繋がる。
 意識の小さな変化はどう起こす?その答えは一番身近な存在がお手本を見せてくれる。あなたもその過程をずっと昔に通り過ぎ、意識の奥底に忘れてきているかもしれない。
 そう、子供たちだ。子供たちは自分の心に正直だ。ただ好きだという理由だけで相手を選び、 遊び存在する。自分が楽しむために惜しみなく想像力を働かせ智恵を絞りだし、満足する状況をつくりだしていく。


 毎日感じたままに動き、笑い、喜び、遊んでいる。これらをベースとした意思決定は意識的でも無意識的でも、結果は満足。まだ幼い彼らに力はなく、経済力もなく一見不自由に見えるが、意識が自由であることで選択に葛藤も損得勘定もない。ストレスもない。
 子供の脳は二歳までに世界を認知する脳内ネットワークが出来上がる。この世界全てに対し興味を抱き、感動し、自分の一部にしていく。世界をあるがままにとらえる彼らは、世界の本当の姿を知っている。大人になるにつれて興味関心に偏りがでるのは、家庭環境や教育課程における社会的なルールや慣習によるものだ。性格は消去法により出来上がる。私たちはもともと、この世界全てに感動していた。大人になった私たちが子供を見て微笑ましいのは、当時の感覚を思い出しているかもしれない。全ての人に与えられた本来の自由さを束の間取り戻しているのだろう。大人でも心から望んだまま正直な選択ができれば、子供たちと同じように日常が感動で満たされる。
まず、一つ。今日できるあなたが喜べることをしよう。くだらなくていい。理由は「好き」だけでいい。やりたいと思ったらそれでいい。子供のころに楽しかったことを思い出してもう一度触れてみよう。消去法で消す前の自分を思い出そう。泥遊び、お絵描き、お姫様ごっこ、工作、探検。身の回り全てが遊びの宝庫で、喜びの種だった。大人になっても環境は変わらない。あなたが遊ばなくなっただけ。小さな頃やりたくてもできなかったことがあれば、大人になったあなたが叶えていこう。一つ、また一つと喜びを増やしていけば、 あなたの喜びの種は成長し、花を咲かせる。その瞬間、心から望んだ選択をする感覚を思い出す。自分に一番正直な選択からつくられた現実は自分のありのままを表した世界。望んだままの世界。好きな物で囲まれた世界だ。喜びの意識への変化は今からスタートでき、楽しみながら人生を感動へ向かわせる。


 想像してみて。
 あなたが感動しているところを。


 深層心理学の権威ユングは「人間の心は共通の広大な集合的無意識と繋がっている」と唱える。インターネット的にみれば地球がメインサーバーの役割として、全ての人が地球を中継して意識を共有しているようだ。この地球上であなたが感動すれば、 地球を経由し、他の誰かに共有される。たくさんの人が常日頃感動していたらどうなるか。地球は喜びのネットワークで満たされるのではないだろうか。それはまだ実証できていないし確証でもないが、 想像はできる。あなたが感動した瞬間に、地球も感動し、微笑むだろう。想像ができたなら、可能性はもう味方だ。


 想像できたかな。私たちが地球を感動の惑星にしているところを。

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