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松本零士 (宇宙戦艦ヤマト)

(冒険王 1974年11月号~1975年4月号掲載)

<ヤマト>は私の青春だ~~~~!!

・・・と、TVなどでささきいさおが「宇宙戦艦ヤマト」を歌っていると叫びたくなる私です。
ただし、そのセリフを耳にタコが出来るほど聞かされてきた我家の娘たちは、呆れ顔でこう言うのです。
「お母さんの<青春>って一体幾つあるの?」
ま・・・「ルパン三世」も青春だしね・・・。青春がいっぱいあるって楽しいじゃない??(笑)

アニメのヤマトが始まった時、裏番組は「アルプスの少女ハイジ」をしていた。
どっちを観ようかと迷ったが既に観ていたハイジを途中で止めたくはなかったので、ヤマトを観始めたのは途中からなのだ。
その後何度も再放送をしたので全話観ることが出来たけどね。
あの主題歌はいいよね~~~。
何度聴いても飽きない。
生でささきいさおが歌っているのを聴いた時は、ただただその迫力に感動してしまった。
作詞が阿久悠、作曲が宮川泰だから素晴らしいのは当たり前?

劇場版1作目を映画館に観に行った時は、中に入るのに並んで待って、しかも「立ち見」だった記憶がある。
都会の人は並ぶなんて珍しいことではないかもしれないが、田舎で映画を観るのに滅多に並んだりしない。
「立ち見」なんて今考えるとよく観たもんだ、と思う。
今だったら「席がないので立って観て下さい」なんて言われたら観ずに帰りますよ、ホント!
あの頃は若かったな~~~~!(遠い目・・・笑)
その後「さらば宇宙戦艦ヤマト」とか続々と続編が作られたが続編にはあまり魅力は感じない。
ラストシーンで茶色い地球が見る見るうちに青い美しい地球に戻る・・・っていうので最後でいいじゃないか、と思うのだが商業的に考えるとこれだけ人気があるのだから作れば作るほど売れるっていうことなのかな~?・・・ま、仕方ないけどね。
著作権でもヤマトはいろいろ揉めたみたいだしね。

ヤマトって、<男のロマン>とか何とか、ある意味古い考え方が前面に出てるよね。
<沖田と古代守の会話>

沖田:明日のためにきょうの屈辱にたえるのだ
この敗北はかならずとり返せる
がまんして逃げよう
それが男だぞ

古代守:沖田提督!!
ぼくは逃げたくありません
戦って戦って戦い抜いて
かなわなくとも一せきでもガミラス艦を道づれにして
死んでやります
それが男だとぼくは思います

<時代錯誤>と言う人もいるだろうけど、こういう松本零士作品によく出てくる<時代錯誤>的考え方って結構好きである。ただし、現実とこういうお話の世界は別物だということは承知した上での<好き>である。現実世界で戦争賛美な考えをしている人たちはどうも好きになれない。戦争は絶対にしてはならない。戦争は人を殺し人から殺される。沖田艦長も古代守もどれだけガミラスの人たちを殺してきたのかを考えると単純に「宇宙戦艦ヤマト」が好きだなんて言ってはいけないような気もしてくるのです。

ラスト・・・地球を見ながら死んでいく沖田艦長のセリフもいい。
沖田:佐渡先生
佐渡:……
沖田:わしをしばらくひとりにしてくれんか?
佐渡:……
沖田:わしにはやっと魂のゆく場所がわかったような気がするよ
佐渡:……
沖田:古代や島や地球に住む大勢の若者の中にわしの魂はいきたがっているよ……
わしの身代わりに死んでいった多くの地球の宇宙戦士といっしょにな
先生……
ありがとう
(黙って沖田艦長に背を向けて部屋を出る佐渡先生。ドアを出た所で涙を流し立ちつくしている。)
佐渡:………

沖田:地球だ
わしは帰ってきた
わしの生涯にくいは……ない

やっぱり、「ヤマトは私の青春だ~~~♪」


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