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セーラの叔父さま 39話

セーラはもう二度と学校には戻らない

セーラはもう二度と学校には戻らないことになった。

アニメでは再び学校に戻るのだけど、原作では戻らない。
しかも、こんなことを言っているのだ。
「戻らなくていいのは嬉しいです。でもミンチン先生はものすごく怒るでしょう。ミンチン先生は私のことが嫌いなのです。私もミンチン先生が嫌いなんですもの」
ここまではっきりと思っていることを口にすることが出来るのって、ある意味すごいよね。怖い物知らずというか・・・もともとお金持ちのお嬢様として育ってきたっていうこともあるかもしれないけれどね、それに今再び大金持ちになったセーラに敵はない!・・・ていうところか・・・。

そこへ、ミンチン先生がやって来た。
こういう訪問にふさわしいきちんとした服装で、作法には一分の隙もなく部屋に入ってきた。

ミンチン先生はそこでセーラが再び以前のような、いや、以前以上にお金持ちになったことを知る。
彼女は取り乱し、愚かにも破れかぶれの抵抗を試みる。
「私の庇護がなければ、あの子は道端で飢え死にしていたでしょう。クルー大尉は私どもに娘さんを託したのです。ですからセーラは成人するまで私どもの学校で過ごさなくてはなりません」」
そして弁護士のカーマイケル氏に
「学校に戻るかどうかはセーラさん次第です」
と、言われるとミンチン先生はセーラに向かって
「私は以前からずっとあなたのことが好きでした」
なんて言うんですよね。よくまあそんなことが言えるもんだ。

セーラ(私)は、この時の返事のセーラの台詞が大好きだ。ようやく、この台詞が言えるのだとわくわくしてしまった。

「そうでしたか、ミンチン先生?そうとは存じませんでした」

こんな時にすました顔で「そうとは存じませんでした」なんて応える少女はいるだろうか?さすがセーラは精神的に強いです。

結局、何を言ってもセーラが戻る気がないので仕方なくミンチン先生は引き下がらざるを得なかった。
しかし、この時のミンチン先生の嫌みがすばらしい。

「これでまたプリンセス気取りになれますね、結構だこと」

「私はプリンセスの心がけを忘れないように努力してきました。どんなに寒くても、どんなにひもじくても、心の中だけはプリンセスでいようと」

「小公女」の中の名台詞中の名台詞です。私、ちゃんと言えたかしら?ねえ、叔父さま。
あ!・・・その時セーラは気がついた。
いろんな事が立て続けに起こったので、叔父さまのことをすっかり忘れていた。
叔父さまはまだお隣の学校にいらっしゃるわね?フランスに帰るとか言ってたけどまだいらっしゃるわね?
セーラ(私)は急に叔父さまが恋しくなった。
だけど、もう学校には戻りたくないし、戻れない。

そうだ、この後アーメンガードやベッキーに手紙を書くんだったわ。叔父さまにも手紙を書こう。そしてここに来ていただいてカリスフォード氏に紹介しよう。
叔父さまとカリスフォード氏が仲良くなってくださるととっても嬉しいな。
きっと仲良くなってくださるわ。


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