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起きたら先輩の家にいた

朝起きると、隣に先輩が寝ていた。

私の家ではない、でも知らない部屋だった。

状況把握するのに前日の記憶を呼び起こしてみるけど、全然思い出せない。


前日は、バイト先の人と店長で飲みに行って、とても楽しかった。

そんなにしゃべるタイプじゃないけど、わいわいしている雰囲気の中にいるのは昔から結構好きで、とても居心地が良かった。

お酒は、でっかいジョッキのハイボールとバイスを飲んだ。        これはいつもより多い。ジンハイが好きなんだけど、その店にはなくて普通のハイボールにした。そして、私は焼酎が苦手だ。サワーにしてもおいしくないな、と普段は思うのに、なんでバイス頼んだのか。

そもそも私はそんなにお酒は強くない。でも楽しかったから気をよくして、いつもよりも多く飲んでしまったし、いけるっしょ!と思っていた(んだと思う)。

(後で先輩に聞いたら、ハイボールまでは普通だったけど、バイスを飲み切るあたりできまっていたらしい。ずっと笑っていた、と言われた。)

記憶を飛ばしたのは今回が初めてだ。

マックスまで飲む経験をして、自分の飲酒のキャパを知っておいた方がいいよ、と兄にいつだったか言われたことがある。

まさか、キャパを知る前に記憶を飛ばして他人の家で目覚める人間になってしまうとは、だ。お兄ちゃんごめん。

お兄ちゃんとは仲がよくて、結構何でも相談してきた。何なら親に言う前に1回お兄ちゃんに報告、みたいなときもあった。

でもさすがに今回のことは言えない。し、言ってはいけない気がする。余計な心配をかけたくない。信頼できる人にも言えないことができてしまうのはすごく心ぐるしい。


何となく、昔から、破天荒な人とか、破滅的な行動に憧れ、というと強いけど、淡い興味を持っていた気がする。

そういう行動は目立ち、非日常的で、かっこよく感じた。

普通な自分も、きっかけがあればそうなったりするのかな、と想像したりした。想像するだけで、行動に移すことはなかった。


今回記憶を飛ばして、自分が何をしたのか全く覚えていない、という状況は、

いつかそうなってみたいな、と期待していたちょっと派手でだらしない、でも怪しい魅力のある大人の姿とは程遠く、

ただただ頭が痛く、何を言ったか、どうふるまったか、なぜそうなったのか、自分の行動を全く思い出せない恐怖で気が沈み、後悔ばっかりしている私がいるだけだ。

全然かっこよくないし、気分は悪い。そして何より、人に迷惑をかけている。これが1番だめだと思った。心から反省している。

これで大人の仲間入りだ~とか、全く思わない。

酒の怖さを身をもって知ることができた、という点でのみ、この経験は無駄じゃなかったといえる。

多分これから、サークルの新歓とか友達と飲むことが増えていく。飲むこと自体は楽しいし、飲み会も好き。

でもいつか、また、記憶を飛ばすまで飲んで人に迷惑をかけるかもしれない。

きまる前に、自分で制御する。

周りの雰囲気に流されない。

自分の家に帰る。

もう二度と、つぶれることがないようにしたい。戒めのnote。


                    おわり 2021年4月6日23時52分






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