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オーストラリアでセミプロサッカー選手になった話#2

https://note.com/miya_pastel1/n/n0481a1a6be63

↑前回の記事↑

ついにオーストラリア初試合。左サイドハーフで先発をした。相手はNPL2(オーストラリア3部相当)に所属している強豪だ。僕のチームはstate1のチーム(オーストラリア5部相当)で格下である。マッチアップの右サイドバックは日本で見たことないようなゴリゴリの黒人である。俺の腿くらいの腕である。正直、ゴリゴリすぎてスピードなら負けないだろうと思った。しかしこの黒人、ありえないほど速いのである。ドリブルで3回ほど仕掛けたものの、2回は普通に取られて、1回は日本なら絶対にファールだろってくらい腕を引っ張られて止められた。全敗である。チームメイトからもだんだん俺にボールが来なくなる。いつもなら冷静な局面でも、まったく頭がはたらかない。焦った僕は相手にPKを献上し、前半で交代になった。ハーフタイムで監督にブチギレられる。清々しいほどの大失敗である。練習ではついていけても、試合はまるで別物だった。スピード感がまるで違う。試合が終わり、結果は0-2くらいで負けた。俺は大戦犯である。若干ナイーブになりながらホテルに帰る。
 
その晩、僕自身はっちゃけるタイプではないのだが、チームメイト全員の前でドラえもんをアカペラで歌った。これは、長友や冨安がチームメイトの前で歌わされているのと同様である。実は、ここでのやけくそ大熱唱が監督のこころをつかんだらしい。
 
合宿を終えて、その後も練習に4回、練習試合に2回参加させてもらった。本当なら即切られる試合のパフォーマンスだったが、到着して間もないことや地獄のドラえもん大熱唱などピッチ外のパフォーマンスが認められてチャンスをもらえたのだ。これは監督にもよると思うが、見てくれる人はピッチ外の振る舞いも必ず見てくれる。媚びを売るわけではないが、チームにとって必要な選手だと評価されればその分チャンスは広がるのだ。

試合後にもらった


結局、練習中の肉離れやその後の試合のパフォーマンスも散々なものだったので契約には至らなかった。しかし、プレイ以外の部分を高く評価してもらうことが出来た。ドムは他のチームを紹介してくれたり、個別にメッセージもくれたりして最後までサポートをしてくれた。感謝しかない。気を取り直して、次のチームを探す。

続く


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