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沖縄で暮らす。沖縄移住当初に住んだ「那覇新都心」は、都会と自然と暮らしがマッチングした住みやすい場所だった

5月に入って、自宅で物撮りの練習をしようと、一眼レフを持ち出すも、つい手抜きしてスマホで撮ろうとする自分がいる。いんや、それじゃダメだ!と重い腰を上げて一眼レフで本格的に撮影することに決めた。それは #おうち撮影 の需要が高まってきたのと、近々、オキグリ主催の「写真コミュニティ」をスタートするからだ。

家での撮影は、カフェの店内で撮影するのとはどうにも状況が異なり、意外と難しい。それはセッティングと光の問題。室内の背景、自然光の量と光の角度、テーブルの配置や雑貨の置き方、照明の色も影響してくる。

外で取材を行うフォトライターの撮影とは異なる工夫が必要で、撮影されることに慣れてない我が家は、まず撮影できる空間へと整えることから必要らしい。室内撮影に本腰を入れるなら、まずは、お気に入りのお皿やカトラリーを集めて食卓のテーブルレイアウトも楽しみたいぞ。


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沖縄出身のウチナンチューたちと沖縄移住したナイチャーたちが、2019年に「沖縄で暮らすこと」を題材に記事を執筆しました。

ビフォーコロナの沖縄で暮らす記憶。改めて「暮らしのあり方」を考え直すヒントになったら幸いです。楽しく読める暮らしのエッセイに新たに編集を加えて、noteでお届けします。

Produced by OKINAWA GRIT

[1点だけ補足]この記事は、2019年7月に公開したものです。

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沖縄に移住した当初、居住地を那覇市の北部に位置する、通称「那覇新都心」に決めました。その理由は、これから発展していくであろう町並みの都会感とアメリカナイズされた大きな複合商業施設が好奇心をそそったから。

日々進化していく街の姿に果てしなく未知の世界が広がるような高揚感を抱いて、自分の中で沸々と湧き上がる”わくわく指数”のアンテナが反応して、ほぼ即決で賃貸アパートの新築物件を予約したのです。

<WRITER/みやねえ>


1. 沖縄移住当初は、ツアーコンダクターだった

「寒いのが苦手」で沖縄に移住した二拠点生活フリーライター・編集者みやねえ(@miya_nee3)です。移住当初はツアーコンダクター、その後はWeb制作会社でHTMLコーダーとWebディレクターを努めて、フリーランスに転身。気づけいた時にはライターとして活動しており、現在は編集者やWebメディアのディレクションなども努めています。


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那覇新都心に住み着いた時期は、まだツアーコンダクターとして働いていて、沖縄県内をぐるぐると周遊するツアーに同行しては、たまに沖縄の離島やアジアにも仕事で訪れていました。

那覇新都心の自宅から那覇空港までタクシーならば1,500円弱。沖縄都市モノレールも利用しながら、ツアーのお客様を出迎える那覇空港まで行き、そのまま数日間のツアーに同行する毎日。

4日に一度は那覇空港に通い、もっと正確に言えば、ツアーの集合と解散が那覇空港だから、4日に2度は那覇空港にいたことになります(どうでもいい雑談…)


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当時は、ツアーコンダクターとして沖縄の景色を眺めて観光地を放浪し、各地域で沖縄料理を堪能する日々。だからこそ、那覇新都心のような何でも揃う都会的な暮らしが、ほどよく感じたんですよね。

複合商業施設には、100均ダイソーや無印良品、大きなスーパーマーケットもあり申し分のない生活環境が整っていて、便利だし楽だし、オンとオフを切り替えられる居心地の良さにハマっていました。


Web制作会社に勤めてからは、徒歩圏内の那覇新都心のオフィスに通い、車を購入したものの、平日に車の利用頻度が薄れて、週末にあえて遠出して車を活用せねば!とある意味で車の持ち腐れ。

今となっては、ライターとして沖縄県内の取材に行く機会が増えて、車のありがたみを感じています。雨をしのげるし、道路が渋滞中でも個室空間で好きな音楽を爆音で聞けるし、たまに車内でおにぎりをパクつく…。


車の利用頻度が低めな那覇新都心の暮らしは、運転免許を所持していない人や那覇のオフィス街へ通勤する人には便利な立地といえます。引っ越しの際にも買い物に不自由せず、新しい土地で右も左もわからない状態ゆえの便利さがありました。

沖縄へ移住したのは確か、9月頃。まだ真夏同様の蒸し暑さと強い日差しの中で秋の気配はまったく感じず、ムワッとした湿気に全身が包み込まれていました。


2. 「那覇新都心」と呼ばれる街の暮らし

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米軍の牧港住宅地が返還され、その跡地が現在の那覇新都心です。

何もないまっさらな土地を区画整理して、その後、都会的な街並みへと進化していった那覇新都心。複合商業施設の楽市りうぼうサンエー那覇メインプレイスは便利そのもの。また、その間に挟まれて建つアップルタウン沖縄県立博物館・美術館


裏手には那覇新都心のオアシス「新都心公園」が広がり、毎日の暮らしの中に浸透するような豊かな生活環境が整っていたのです。


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緑が茂る広大な「新都心公園」には、遊具やアスレチックが設置され、ここが何気に楽しい遊び場と化し、アスリートたちはジョギングコースをひた走り、公園を利用する人たち、園内の木々を亜熱帯の太陽が照らしています。

涼しげな日陰で遊ぶ親子や、休憩する学生たちも見かけ、ホッと一息つける癒やし空間であることは間違いないでしょう。


那覇新都心は賃貸マンションやアパートが密集する住宅街。

しかし、区画整理されたその土地は、窮屈に建物が連なることもなく、緑の自然と人々の暮らしが共存する豊かな空間です。


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人気のパン屋やケーキ屋など小さなショップが点在し、特に美容院には事欠かないほど店舗数が多い印象。夕方になると、那覇国際高校から帰宅する高校生や公園で遊ぶ元気な子供たちの姿とすれ違い、もともと空き地だった地域を有効活用したのか、小さな公園をあちこちで見かけます。


ちなみに、この写真は「プリン山公園」です。

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沖縄らしさを一見感じないものの、そこには一般的な暮らしが存在し、逆に賑やかな大通りから一歩外れると、閑静な住宅街。住むことを考えたら、買い物に便利で暮らしの環境が整った不自由のない那覇新都心は、一瞬ココが日本の端、沖縄ではない気がするくらいに住みやすいのです。


しかし、高温多湿な亜熱帯気候と強い日差し、南国の植物や生き物たちが、ここは沖縄だよ〜!と物語ってきます。たまに夜になると、バサバサッ!と羽を広げた大きめの鳥が飛ぶ姿を見かけ、これは高確率でコウモリだと伝えておきますね。

夜の街中でも見かけるコウモリがいれば、小さくてかわいいヤモリが家の中に居座っていることもあり、沖縄怖い…いやでも楽しい…を繰り返して沖縄のマジックにハマっていくのです。


3. 沖縄は春と秋の季節感がなく、梅雨対策は必須!

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沖縄に住んで数年後に気づいたこと。それは、桜吹雪や紅葉のない沖縄は、気温的にも季節柄的にも春と秋が訪れる感覚があまりないのです。

梅雨明けする6月下旬から11月までは気温が高く、12月から2月にかけてほんの数日間だけ厚手のコートを着用する恐ろしく寒い日がやってきます。海から吹く潮風の影響で、冬場は強風の日が増えて、風速が体感温度に影響して異様に寒い日があるのです。


やや高台に位置する那覇新都心は、きれいに区画整理された地域。そのため、道路が広く比較的に風通しがよく、四方の窓を開けると風が室内に舞い込みます。

しかし、もともと空き地ばかりだった地域に建築ラッシュが相次いで、私が住む賃貸物件の道向いに4階建ての賃貸アパートが建設されました。すると急にパタリと風が止む事態が起こり、「周囲の空き地にご用心を!」そんな宣伝文句が脳裏に浮かびました。


那覇新都心は、台風の最中や強風時の威力は半端なく、普段でも風の強い日に安価のビニール傘を差すと、一瞬でビニールが吹っ飛び、気づいた時には傘の持ち手と骨だけが残る、なんてことはZARA。

雨といえば、梅雨の時期に気をつけたいこと。

例年の沖縄では、GW明けから梅雨入りして、6月下旬に梅雨明けします。亜熱帯気候といわしめる高温多湿な沖縄で、さらに梅雨の時期に最も苦戦するのがカビ対策…!除湿が行き届かない下駄箱やクローゼットの上部を換気せずに放っておくと、革製品の靴やカバンからカビていき、水回りも黒い点々が発生。除湿機やエアコンをフル稼働して「除湿、バンザイ!」と早期に対策しないと大変です。

そう、カビ地獄…!!絶対にいやだし、何としても避けたい。しかし、沖縄の梅雨や台風特有の話はネタに尽きなくて、新発見の裏技や地域に根付いた風習から学んできた知恵が満載でした。


4. 那覇の暮らしに便利な自転車生活と徒歩暮らし

沖縄都市モノレールおもろまち駅で下車すると、映画館やスターバックスが入ったサンエー那覇メインプレイスまで徒歩5分。駅から徒歩圏内にオフィスビルや居酒屋が集中して、昼間と夜とで街の顔を変えていきます。


那覇新都心の暮らしで重宝したのが、自転車生活です。

いくつもの複合商業施設が集まる地域なだけに、週末は車の渋滞が凄まじく、スーパーマーケットまで車で向かうよりも徒歩のほうが早く、自転車だとなおさら早く到着。車の渋滞が運動不足解消の一役を担っていたのです。


転職したオフィスが自宅から近距離となり、自転車通勤で往復する快晴の朝は、RADWIMPSの曲を聞きながら青空を見上げ、仕事帰りに米津玄師の曲を聞いて人混みまばらな道路を悠々自適に家までサイクリング。

(アーティスト名は2019年版にアレンジ)

身体ともに健康になれる音楽と自転車の暮らしは、運動不足とは無縁な生活を送っていた当時が懐かしい…。

車社会の沖縄では、移動手段が車かバイクが主流。自転車で行動する人が少ない分、大型店舗でもない限り自転車置場がなく、でも不思議と自転車の置き場所に困った記憶がないため、臨機応変に置かせてくれます。


自転車を利用するならば、1点だけ注意が必要です。自転車用の鍵を必ず利用すること。また、賃貸物件の1階に自転車を置くと鍵をつけても盗まれます。

一度など、U型の頑丈な鍵をつけたにも関わらず、鍵をつけた前輪以外の全てが紛失して、たたの車輪1個だけになっていた時は、恐ろしい夢を見て目が冷めたけれど夢ではなく現実。フィクションのドラマみたいな1コマを体験しました。

エレベータ付きの物件に住み、自転車をエレベータに乗せて部屋の玄関前まで運ぶのが夢です。雨に濡れると、自転車が錆びつくので室内で保管できるとベスト。ああ、広い部屋に住まないと…。もうひとつ夢が増えました。


5. 沖縄は、良くも悪くも「終電の概念がない?」

沖縄都市モノレールしか電車がない沖縄は、終電の概念がなく、特に仕事の残業時は「車やバイクがあれば、いつでも帰れる」といった恐ろしくポジティブな発想に変化して、永遠の残業が習慣化、なんてことも。

しかし、働き方改革として、2019年4月に施行された「時間外労働の上限規制」によって、残業の発想は徐々にデリートされていくでしょう。自宅から徒歩圏内のオフィスに通うと、朝の鍵担当を任される確率高し。これを逆転の発想からいえば、早起きの習慣が身について健康的な朝を過ごせます。


「終電の概念がない」ことは、金曜土曜の夜や祝日前夜に時間を気にせず深夜まで飲みふけることもでき、ゆんたく(沖縄の方言:おしゃべり)好きや酒好きには至福のひとときを味わえます。

帰りは運転代行を利用したり、那覇の国際通り周辺からタクシーで帰宅しても那覇新都心まで1,000円未満。飲酒せずに車を運転して帰宅する人もいて、駐車場がある居酒屋だと便利極まりない。

自分も同様、現在は飲み会に参加してもノンアルコールビールを飲んで楽しんでる人。だから悠々と自転車で帰宅できるんです。


那覇新都心の居酒屋なら、自宅から徒歩圏内の気軽な距離感。人と会うことや楽しい行動を加速させるばかりでなく、歩いて帰宅すれば夜風に当たって酔いをさますのにほど良い時間と化して、考えごとや飲み会の空想に浸りながら夜道で1人「むふふふ…」と微笑みながら歩く奇妙な人にもなれます。


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国際通り周辺の路地裏や栄町市場などで沖縄らしいローカルな居酒屋、しかも隠れ家的にひっそりと営業している店に興味本位で知人らと訪れては、お気に入りの店を発見したり。

日々の暮らしに潤いを与えてくれる行きつけのマイプレイスを確保して、たまにフラッと気軽に立ち寄って生ビールを一気飲み。そこにおいしい料理とくれば、明日への活力に繋がるから不思議です。


那覇新都心には、私のようなフリーランスに嬉しい電源カフェが増えつつあり、打合せにも活用できる快適なカフェがオープンしています。那覇新都心や国際通り周辺は、駐車場を完備していないカフェが多いため、自転車で移動できるメリットはフリーランスには有益ですね。


都会的な清潔感と静寂な街「那覇新都心」の潤いと景色と

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平日は仕事と日々の暮らし。だから休日には遠出して沖縄の海や自然を満喫すれば、「沖縄らしさ」を浴びてリフレッシュできます。

仕事と休日、オンとオフのほどよいバランスを求めるなら、仕事面でも便利な立地の那覇新都心の暮らしは快適そのもの。仕事も人も集中する那覇に住めば、沖縄移住後の不安や孤独感が自然と遠のく気がします。人に出会う機会やオフの遊び場がそれだけ多いんです。


田舎のような分厚い人間関係でもなく、人や地域との距離感や温度感を自分で選択できる自由度の幅広さ。静と動が交差する街、那覇新都心の居心地の良さは「自由度の高さ」と「便利さ」、そして南部にも北部にも行きやすく、車で移動すればすぐに海と出会えるところ。

ガッツリと沖縄に浸りたい人は、南部や北部に住むと、また違った沖縄らしい暮らしを築けると思います。仕事や子供たちの拠点を那覇に置くならば、那覇空港や沖縄県の中心地から近く、沖縄都市モノレールやタクシーを上手に利用でき、徒歩や自転車でもサクッと動ける那覇新都心は、初の沖縄移住の居住地としては、暮らしやすさを提供してくれるでしょう。

ここ最近、月に一度は東京に行く機会があり、那覇空港への近さから再び那覇市内に引っ越そうかと画策中です。



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2019年7月執筆
文・撮影:OKINAWA GRIT 代表 みやねえ

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