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12月19日 生配信 CARA (uMarbles Mutable Instruments 【Flute with Modular】

こちらのリンクで12月19日 20:30より配信します⬆︎

ランダムサンプラー

CARA は2022年に製造中止を発表しているMutable Instrumentsの"Marbles"のクローン。Mutable Instrumentsは創業時よりソースコードや回路図をオープンソースで公開しているため、生産終了後もクローンを入手する事が可能です。(オープンソースに関する記事はこちらに書いたので興味のある方はのぞいてみてください)

今回のMMMでは、ランダムサンプラー、「CARA」をご紹介します。

サンプラーって何?

サンプラーというと皆様どんな事をイメージしますか?
サンプラーをネットで検索すると、

サンプラー (Sampler) は、音楽的・非音楽的を問わずサンプリングにより標本化された音を任意に再生出力できる装置。

Wikipedia

サンプラー(sampler)は、オシレーターやジェネレーターを使わすに、あらかじめ記憶させた現実音を音源として使う(サンプリング音源)楽器の総称。サンプリング・マシンともいう。磁気テープに楽器の音などを収録し、鍵盤が押されると再生する仕組みのメロトロンという楽器が、この方式のハシリである。

DTM用語辞典

このような検索結果が出てきます。私もざっくりと"あらかじめ採取・生成した音源を再利用するもの”と理解していたので、Mutable Instrumentsのマニュアルの表紙に書かれている"Random Sampler"の表記にすっかり惑わされました。このMMMを始める前にModular with FluteというシリーズをYoutubeで展開していたのですが、このCARAのビデオをつくろうと思った時、ランダムサンプラーの意味が分からず、最初でつまづいて全く使い方が解明できず、心折れて企画自体中断してしまいました。、今回の配信はそのリベンジ企画でもあります。

実際、日本語の解説を見ると、輸入代理店である福産起業のサイトには、

Marbles (マーブルズ)は様々な方法でランダムイベントを生成する事ができるランダム CV ジェネレーター / プロセッサーです。

福産起業

と最初に書いてあって、この説明の方がよっぽど親切だと思うのですが、Mutable Instruments の創業者・製品デザイナーであり、全てのプロダクトをオープンソースにするなど、自分の製品と音楽の未来へ揺るぎない信頼を示しているÉmilie Gillet氏が、わざと混乱させるために表紙に"Random Sampler"と書くとも思えないので、今回はこのMutable Instrumentsの"サンプラー"の定義について、最初に整理しておこうと思います。

モジュラーの面白い所は、各メーカーとの距離が近い事。フルートなどの伝統楽器と違って、同じ時代を生きている人がリアルに発明・デザインした製品と関わる音作りです。メーカー毎に哲学、思想があって、それを扱う奏者にも自由があって、全て一つの規格(ユーロラック)で扱う事ができます。

今回特集するMutable Instrumentsはフランスのメーカーで、冒頭でお話したように、2022年に生産中止を発表しています。完璧主義だからこその決断だと思いますが、Émilie Gillet氏のものづくりと芸術に対する真摯な姿勢が、ファンの心を捉えて放さず、オープンソースであるが故に、クローンが増殖し続けるという、まるで生命体のような展開になっています。

そんなÉmilie氏がサンプラー、というのですから、CARAはサンプラーなのでしょう。ただ、私が最初に理解できなかったポイントは"オーディオ"を扱わないという事。モジュラーで扱う情報は、オーディオ(いわゆる私達が耳にして"音楽"と判断している情報)、CV (Control Voltage・電圧)、ゲート(指定した値のみ通過するコマンド)、イベント(タイミングの指示)などがありますが、全て電圧(Vlotage)であるという事ができます。つまり、オーディオもモジュールに入れば、電圧の一種になります。

ここの理解が重要で、デジタルの世界では、オーディオも電圧の一種であるという事。電圧という定義を広い視野で見て、CARA(uMarbles)は事前にサンプリングした様々な電圧(CV、ゲート、イベント)を様々な組み合わせを自由に生み出すという事で、ランダムサンプラーとの肩書きがついているのです。

オーディオもCVと同じ電圧である事、サンプリングできるのは、オーディオだけでなくCVなどのデータもサンプリングできる事、CVを使ってオーディオをコントロールする事がモジュールの特徴である事を理解して、やっとCARAとのコミュニケーションの入口に立つ事ができました。

ちなみに、モジュラーの仕組みに馴染みのない方がいらっしゃいましたら、CVでオーディオをコントロールする、というのは、例えば、一つのフルートのロングトーン(持続音)があったとして、それをどのように動かすか、音程、タイミング、リピートなど様々な指示を与える事。その「どのように」の部分をコントロールするのがCVという事で、ざっくりイメージしていただくと良いと思います。
電圧の波形をコントロールして、発音のタイミングを指示する事。これをイベントを呼びますが、CARA (uMarbles)では、サンプリングした波形を利用して、様々なイベントを生み出します。

CARAと共存する事で、一人では実現する事が難しい、様々なバリエーションを生み出す事ができます。やっとスタート地点に立てました!フルートと組み合わせてどんな音が生まれるか、どうぞ楽しみにしていてください。





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