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11月14日 生配信 uBursts (Mutable Instruments Clouds クローン)

⬆︎こちらのリンクで11月14日  20:30 〜 生配信します。フルートとuBurstsの演奏と、このモジュールとの出会い、フルーティストから見た所感などをお話します。
チャンネル登録もお忘れなく❣️

u Bursts 
グラニュラーオーディオプロセッサー
テクスチャーシンセサイザー

重複、ディレイ、移調、エンベロープしたオーディオバッファーのセグメントを組み合わせる事により、質感やサウンドスケープを生み出すグラニュラーオーディオプロセッサー。

オーディオはリアルタイムで録音されるので、まさに、今、この瞬間の音から新しい質感やレイヤーを生み出す事ができるモジュールです。またリアルタイムである事から、予期しない展開や、フリーズ機能による瞬間の拡大など、エキサイティングな演奏のための様々な可能性で構成されています。

どうやってこのモジュールと出会ったかというと、信頼するミュージシャンからおすすめして頂いたんですね。最初は何から始めたら良いか全くわからなくて、とりあえず、いくつかオススメしていただいた中にこのu Burst が入っていました。

後から分かったのですが、これはMutable Instrumentsという現在は新製品の製造を中止しているフランスのカリスマモジュラーメーカーのCloudsという機種のクローンです。

モジュラーがどうなっているのか、そもそもわからない状況で、クローンという新情報がきて、大混乱したのですが、時間をかけてなんとか理解しました。

Mutable Instrumentsは、代表であり、製品デザインを手掛けるÉmilie Gilletの意向により、全ての製品がオープンソース化されています。それによって、製造が中止した現在でも、数々の派生クローンモデルが存在していて、私が手にしたのはその一つだったという事。

ここで、オープンソースの話をしたいのですが、オープンソースとは、

ソフトウェアを構成しているプログラム「ソースコード」を、無償で一般公開すること。そうすることで誰でもそのソフトウェアの改良や再配布が行なえるようになる。これは、世界中の有志のプログラマにより、継続的に改良され続けるソフトウェア開発方式と捉えることもできる。

IT トレンドより

同じオープンソースだと、例えば、配信をやっている人は大体使うソフトOBSなどがありますね。Wikipediaもオープンソースに近いですが、匿名で編集できる点、信頼性においては劣ります。

日本のモジュラー専門店 Clock Face Modularとの往復書簡インタビューで、Émilie Gillet氏はオープンソースについて以下のように語っています。

Clock Face: 確かあなたのプロダクツは最初から、オープンソース、オープンハードウェア(ソースコードや回路図が公開され、条件を満たせば再利用可能)でした。なぜそのようにしたのでしょうか?

Émilie:シェアするのが当たり前の科学やアカデミックの世界にいたからです。ハードウェアやプラグインの会社が、彼らの商品には魔法の成分が入っているかのような宣伝をしているのに愕然としていましたし。中身を公開するのはそんなやり方への憂さを晴らしたかったのです。またハードウェアを使っている時に、内部のファームウェアやソフトウェアの制約にぶつかるのはとてもイライラするものです。ユーザーにはそういった制約を回避できるようにモジュールをカスタマイズできるようにしたかった。

Clockface  modular Interview with designers: Émilie Gillet (Mutable Instruments)

科学やアカデミックの世界では、オープンソースにする事によって、製品は改良され続け、その過程で功績を残した研究者は評価される、関わる人全てがWin-Winになる仕組みになっているのですね。実際にMutable Instumentsのやり方は後に続く多くのデザイナーに影響を与えたそうです。

音楽表現の世界と、楽器デザインの世界は、密接につながっています。例えば、フルートが今の形になるまでだって、100年単位で研究と改良が行われて現在に至ります。

使用しているモジュールの根幹の情報が、オープンソースである事。良い音を生み出していくための土壌が常に耕され、手入れされている状態である事。この事を知っているだけでも、生まれて育っていく音に影響があります。

まだ、使い始めたばかりですが、これがどう音につながっていくか、本当に楽しみです。


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