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ビニールハウス図書館のオープニング演奏

地域の住民の憩いの場・農業の専門書を中心とした図書館


図書館入口

「八津尾農園図書館」がオープンし、お祝いの演。元農地に建てたビニールハウス。農業専門書の図書館としてこれほどふさわしい所はありません。

館長の八津尾初夫さんは3.11の津波で、家族一人の命と家屋敷、そして年商1億円に手が届くばかりだった、自分が長年にわたり作り上げた園芸施設を、1日にして全て失いました。悲しみを振り切るように、被災直後から新しいことに挑戦し続け、これまでの仕事の努力から現在は悠々自適である身ながら、規模は縮小したものの農業も再開し、雇用も創出しています。

今回、同じく津波で家を流された知人から、農業に関する専門的な蔵書を譲り受け、それを眺めているうちに、これは多くの人に見てもらわなければならない、と考え、1年かけて農地転用を行い、今回の図書館創設に踏み切りました。地ならしをしてコンパネで床を貼り、壁を作り、余白たっぷりにカフェ風の配置にした館内。ベンチにもなる平置きスペースがGood!受付やコーヒーを入れるためのキッチンカウンターもあります。意外にも湿気はあまりなく、2月下旬現在、快適です。

八尾農園図書館について・寳玉義彦

2月26日、開館セレモニーを開催

2月26日、テレビ局が取材に訪れる中、地元の人々が招待され、開館セレモニーが行われました。

福島の名店 椏久里のコーヒーとお茶菓子が振る舞われました。
普段はお茶を飲みながらリラックスできるスペースもあります。
ビニールハウスの中は日差しが暖かく、演奏したら汗をかくぐらいポカポカ。
貴重な専門書が並びます。体型立てて収蔵されていて、情報が凝縮された空間。

八尾館長とは長いお付き合いで、私のライブにも何度もお越しいただいています。今回の演奏依頼を頂いた時、すごく嬉しかった!!館長とその周辺の皆様は、想像もつかないような困難を体験しながらも、私の知る限り最も豊かでパワフルな暮らしをされています。そのような流れの中で演奏できて、本当に光栄です。

演奏の様子

フルート・アルトフルート・能管を使用したプログラム。前代未聞のアコースティックフルートのビニールハウスでの演奏。ビニールハウスは吸音する素材ばかりなので想像を絶するデッドな環境ですが、意外にも問題なく吹けたのは、皆様の気持ちが整った場のエネルギーと優しく降り注ぐ太陽の光のおかげ。外は暴風レベルの風が吹いていて、風の音が凄まじく、その音と同調しながら演奏する事の気持ち良さ!壮大な伴奏とともに演奏して、一体感を感じる大変貴重な体験をさせて頂きました。

強風でビニールがバリバリと音を立て、
風の中で小鳥が囀る中、それらを取り込んでの演奏です。
新しい文化拠点の夜明けにアコースティックでの「Oriental Sun」が響く。
同曲はMiyaが天岩戸伝説をモチーフに作った曲。
奇しくも「アメノウズメ」の絵が図書館に寄贈され、
ステージ向かいのケースに飾られて見守っていました。
アンコールでは久々のフルートによる「相馬流れ山」。
コロナ以降、大勢の前で披露するのは久しぶりです。
感動の中で新しい出会いも生まれ、良き日々の始まりになりました。

寳玉義彦・ライブレポート

さて、この図書館、2月下旬ですでにポカポカです。夏場にどうするかは、これから考えるそう。とにかくやりたい事をやって、問題が起きたらその時考える。この行動力の凄さ、私達も大きなエネルギーを頂きました。

世界的に貴重な資料もあります。

この文化的なスペースが地域の皆様に愛されながら末永く続いていく事を願っています。またコンサートもやりたいな!お近くにお越しの際には、皆様もぜひお立ち寄りください。


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