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【人生をハッピーな展開にする】

『みやざき中央新聞』は全国の講演会を取材した中から、
感動した~!おもしろかった~!為になった~!という心が揺るがされた話だけを掲載している全国紙です。
読んでくれた方の人生がより豊かなものになることを願って創り続け、もうじき30周年を迎えます。
noteでは新聞で特に人気のある社説をご紹介しています。
アンデルセン童話『人魚姫』の結末は悲劇でしたが、ディズニー映画『リトルマーメイド』はハッピーエンドに書き換えてあります。もし今人生がツライと感じるなら、幸せな展開に書き換えてみましょう

ー運命は勝手に変えていいみたいだー

 先日、一緒に飲んだMさんという、とある会社の社長さんからこんな話を聞いた。

 3年前、Mさんは一人の元社員からパワハラで訴えられた。肉体労働の現場で働く社員を励ますつもりで、Mさんはよく社員の肩や背中を軽く叩いていた。

 それは一般的にスキンシップの範ちゅうだと思うが、一人の退職した社員が、「社長から日常的に暴力をふるわれていた」と言い、巨額の賠償金を要求してきた。

 原告の背後に暴力団の関係者がいたようだった。身に覚えのない疑惑にMさんは精神的に落ち込み、食事も喉を通らない、眠れない日々が続いた。

 この苦難をどう乗り越えたらいいか聞こうと、ある日、有名な霊能者を紹介してもらった。その霊能者はMさんを見るなり顔がこわばった。「あなたには死神が見える」と言うのだ。さらに驚愕することを言った。「今年の12月30日、会社の社長室で首を吊っている姿が見えます」

 Mさんはびっくりした。数日間、悶々とした日々を過ごした後、その運命を回避する方法を考えた。「12月30日に社長室で首を吊っているというんだったら、その日、社長室にいなければいいんだ

 Mさんは奥さんを誘って年末年始、旅行に出掛けた。そして年明け早々、元気になって帰ってきた。そしてあの霊能者のところに行ったら、霊能者はびっくりしていた。「死神が消えている。一体何があったんですか?

 その後、裁判に勝訴し、会社の売り上げも伸びていった

 きっとその霊能者は「このままいくと、あなたはこうなりますよ」と、Mさんの運命を予言したのだろう。それも一つのMさんが行くべき道だったのかもしれないが、道は一つではなかった。Mさんは地獄のような日々の中で、運命は変えられることを知った。

 どんな親から生まれるか、いつどこに生まれるかなどはどうすることもできない。これを宿命というそうだ。それに対して運命というのは、自らの意思や判断や決断によって変えられるようだ。

 例えば、重大な病気をして、医師から余命1年と告知されたとする。それを自分の宿命だと受け止めてしまえば、告知通りになるだろう。しかし、それからいろんな健康法を取り入れて、奇跡的に快復した人も少なくない。

 そう言えば、『人魚姫』というアンデルセン童話をご存知だろうか。

 人魚姫は15歳の誕生日に、嵐に遭って難破した船から溺死寸前の王子を救い出した。そしてその王子に恋心を抱くが、人魚は人間の前に姿を現してはいけない決まりがあった。しかし、人魚姫はどうしても王子が忘れられない。

 人魚姫は海の魔女にお願いして尾びれを人間の足に変えてもらった。しかし、それと引き換えに声を奪われた。そして、「もし王子が他の娘と結婚すればお前は海の泡となって消えてしまう」と言われた。

 その後、人間になった人魚姫は王子に近づき、仲良くなるが、声が出ないので「嵐の日に救ったのは私です」と伝えられない。そうこうしているうちに王子は別の娘と婚約してしまう。このままだと海の泡になる。悲嘆に暮れる人魚姫。彼女が生き残れる道は一つしかなかった。短剣で王子を刺せば再び人魚の姿に戻れるのだ。

 しかし、愛する王子を殺すことができない人魚姫は死を選び、海に身を投げて泡となっていく

 1836年に発表されたこのアンデルセンの悲しい物語を、ウォルト・ディズニーは見事にハッピーエンドに書き換えた自らの努力と根性で王子をゲットして幸せな結婚をするディズニー版人魚姫『リトル・マーメイド』を1989年に映画化したのだ。

 そうだったのか。たとえ有名なアンデルセンの原作であっても、悲劇の結末より幸せなラストシーンのほうがいいと思ったら書き換えてもいいのだ。

 人生のシナリオライターは自分。だったら、自分で幸せな未来に書き換えよう。誰も文句は言うまい。
  (みやざき中央新聞 魂の編集長 水谷もりひと 2013/03/18号社説より)

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