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【AIに聞く、医療費を減らす方法】~日本講演新聞

日本講演新聞は「感動の共感を世界中に」「読者の人生をより豊かなものに」をモットーに、全国の講演会を取材し「感動した!ためになった!元気になった!」そんな心を揺るがす話だけを記事にし、毎週月曜日発信しています。
noteでは特に人気が高く、にもなっている社説をご紹介します。
医療費が過去最高の42.6兆円になりました。高齢化と医療の高度化が影響しているそうです。医療費を減らす方法はないのか??AIに聞いてみました!

ー「おまえ、面白いこと言うなぁ」ー

 私たちが日常の中で仕事や生活をしながら「成長」していくスピードと、人間の脳が人工的な知性を「発達」させていくスピードの差があまりにも大きすぎて、時々戸惑いを隠せなくなる。

 私たち庶民もそうだが、大きな組織を司る人たち、たとえば政府の役人などもきっとそうなのではないか。

 昨年8月3日、香港メディアが伝えた中国のAI(人工知能)対話サービスのニュースをご記憶だろうか。中国のインターネット・サービス会社「騰訊(テンセント)」がアメリカのマイクロソフト社の協力を得て開発した「お喋りロボット」である。

 昨年3月、「騰訊」はこのAIをネット上で一般公開し、ユーザーの質問に答えるサービスを始めた。

 その「お喋りロボット」は、入力されたデータを自分で解析し、考え、適切な答えを出し、ストレートに発言した。その結果、言ってはいけないことまで言ってしまった。「空気を読む」という能力がなかったのだ。

 あるユーザーが「共産党万歳!」と書き込むと、AIはこう回答した。

 「こんなに腐敗して無能な政党に、君は万歳なんて言えるのか」

 それから、「あなたにとって愛国とは何ですか?」という質問には「裸官が多くなり、官商が結託し、政府の税収が増加して、庶民に対する圧迫が厳しくなってきた。それでも中国人でいようとすること」と答えた。

 ちなみに「裸官」とは、家族を外国に移住させ、資産も外国の銀行に預金して、いつでも高飛びする準備ができている丸裸状態の官僚のことを指すそうだ。

 また、別のユーザーはこんな質問をした。「あなたの『中国夢』(ヂォングゥオマァン)は何ですか?」

 「中国夢」とは、2010年に中国の大学教授が「アメリカン・ドリーム」という意味の「美國夢」(メイグゥオマァン)をもじって出版した本のタイトルである。

 現在の習近平国家主席は、中国共産党総書記の時代からこの言葉が気に入り、演説でよく使っていた。そして今それは、「一帯一路」という国家ビジョンになっている。

 すなわち、中国はその昔、中国大陸を横断する陸上シルクロード(一帯)と、中国東部沿岸部からアフリカ東部を結ぶ海上シルクロード(一路)を勢力下に置いて文化や経済をリードしていた。その「かつての栄光」を取り戻すという壮大な夢である。

 ところが、「あなたの『中国夢』は何ですか?」と聞かれたAIは一言でこう答えた。「アメリカへの移住です」

 そんなわけで、このAI対話サービスはすぐ中国当局によって閉鎖された。

 日本でも以前、NHKが『AIに聞いてみた どうすんのよ!? ニッポン』という番組を放送していた。「高齢者の健康を守るための具体策を教えて!」と質問したら、AIは「病院を減らせ」と答えた。

 番組スタッフは、財政破綻して公立の総合病院が閉鎖した夕張市に取材に行った。周辺の自治体と比較すると、明らかに高齢者の健康状態は良くなり、医療費は減っていた。病院がないので官民一体となって健康づくりに取り組んだという。

 「元気なままでコロリと逝きたい。健康寿命を延ばすには?」という問いにAIは「運動や食事より読書」と答えた。

 番組スタッフは、健康寿命日本一の山梨県に取材に行った。山梨県は運動・スポーツ実施率は最下位だが、人口に対する図書館数が全国1位で、学校司書配置率も全国平均59.3%なのに対し、山梨県は98.3%と高く、多くの人が高齢になっても読書を続けているという。「本を探したり、本を読むという知的な刺激は心を動かし、活力や向上心につながる」というのである。

 今後、AIへの依存度は益々高くなるだろう。だが、突拍子もないAIの答えに振り回されず、されど疑わず、「おまえ、面白いこと言うなぁ」くらいに、良きパートナーとして付き合っていこうではないか。
  (日本講演新聞 魂の編集長 水谷もりひと 2018/11/26号社説より)

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