銀河鉄道の夜
宮沢賢治の銀河鉄道の夜が好きだ。
好きすぎて子供の頃ビデオのテープがのびるほど見て今はDVDも手元にある。
本でも読んだけど、私はこの猫のストーリーが一番好きだ。音楽とか色のタッチとか素敵で、なんとも言えない不思議な世界観で今観ても遜色なく観れる。賢治の想いとか生き様のエッセンスがよく表現出来ているんじゃないかなぁと思う。
カンパネラが何故サザンクロスで降りずに石炭袋で降りて行ったのか。川に落ちた友人を助ける為になくなったカンパネラは天国へ行くべきなのに、なんであんなに真っ暗な寂しい場所で降りていったのか。子供の頃の私はいつも胸がざわざわとしたものだ。
今でもいろいろと考える。これには答えがなくて(ここに答えを出してしまう方が野暮な気さえしてしまう)観るものの想像力を掻き立てて考えさせられる。
生きている限り死は必ずあって、だれもそこから目を逸らすことはできない。生きている限り永遠のテーマだ。
前に手話が出来るゴリラがいるという記事を見た。そのゴリラのココが可愛がっていた猫を事故で亡くしたとき、「悲しい」と手話で伝えたという。また、「死んだらどこへ行くの」という質問に、「苦しみのない穴に、さようなら」と答えたそうだ。
なんか深い…。
そういえば父がまだ学生だったとき、バイクに乗っててトラックと正面衝突して死にかけたことがあったそうだ。家族が病院に呼ばれ、無理かもしれない、心の準備はしておいてくださいと言われたそうだ。
そして心肺停止。
その時父は臨時体験をしていて、その時のことを教えてくれたことがある。
とっても気持ちがよくてお花畑を歩いていたそうだ(お決まりのパターンだなぁ、、、)
とにかくすごく気持ちがよくて、このままどこまでも歩いていけると思っていたら、1匹の虫が飛んできてまとわりつく。ブンブンとうるさい。
邪魔な虫だなぁと追っ払おうとしても、ブンブンブンブン、しつこくつきまとってくる。あまりにしつこいから虫をよく見ようと意識したら、その虫の音が自分の名前を呼ぶ声で、気がついたら病院のベッドの上にいた。
その後しばらく記憶喪失になったり苦労したそうだが、今でも元気に生きている。
「おい、死ぬのは怖くないぞ。多分めちゃくちゃ気持ちいいぞ」と冗談めかして言っていたのをよく覚えている。それが死ぬ前に出るという脳内麻薬のせいなのかなんなのか、本当にお花畑やら何やらがあるのか、死んだ後のことはその時になってみないと分からない。
だけど死について考えることはとても大切なことで自然なことなんだと思っている。そしてなんとも言えない魅力がある。
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