見出し画像

一輪の想い合い

<スーパーから 保存食品が消える時>
コロナの影響で、感染防止に使用したいマスクが、そして不要不急以外の外出自粛要請が出た途端に、都会も田舎も  スーパーでは…


我が家では、お米や保存食品・調味料は、買い忘れもしくは多忙で買い物に行けない時用に、常に一個予備を置くことにしている。

昨日は、お米が予備の分の順番が来たので、次の予備を買いに いつものお米屋さんに出かけた。
いつも配達はしてもらわない。
この日はついでに他の買い物もする予定だし。

帰途に調味料の予備を買い求めるためにスーパーに寄った。

カートに乾物類やらペーパー類、お米何袋を山積みにして歩いている人が多く、とても驚いた。

つい先日、マスクがどのお店からも消えて、その後 デマに振り回されてトイレットペーパーも消えた。

「またか!?今度はなんだろ?」…
…そう、「感染防止の出控え」に備えた日用品と食品の買い込み!!

関東方面で自粛要請が出ていて、お買い物にもできるだけ出なくて良いようにと、買い込みをする人が多いと聞いたが、ニュースが出た途端に まだ該当していない我が県の人々までも乗じ、近辺ではお米すら売り切れた店も多いとか。

お子さまがいるご家庭や、何度も出かけられない年配の方は 多少の買い置きを必要とするかもしれないが、蔵でも建つのかと思うほど買い込みをして、山と積んだカートの列。

赤ちゃんをベビーカーに乗せて幼い子の手を引いた若いママさんが、お米売り場の前で途方にくれるのを見た途端、何とも言えない感情に襲われた。

もう20年以上前、自分が子育てをしている時、お店というお店からお米が消えた時があった。パンも小麦粉も麺類までも。

夫は他界。
専門職でフルタイムで働いて、親兄弟の近くと言うことで 生活に不自由はなかったが、動けることは自分で動こうと思っていたので、上司に話して昼休みに米屋さん、スーパーを走り回った。

時間もなく、最後のお米やさんで事情を話し、土下座せんばかりに頼み込んで30キロのお米を やっと出していただいた。
それは、お米屋さんが自身のご家庭のための予備の1つだが、うちは米屋だから何とかなる、と仰って下さった。

泣くほど嬉しく、申し訳なくも とても有り難かった。
一生消えない消せないそんな記憶がある中の、この事態。

今回、私は いつもの予備の一袋を買いに来ただけだし、そのママさんに譲ろうと思っていたら、店員さんが補充をしてくれたので、買うのを見届けてから帰途についた。

誰を責めることもできない、しかもどうすることもできない、怒りすらぶつける場所がない。

せめて、一輪の想い合い その心を、人として持ち合わせたいと思った。

拙い文章です。サポート頂くことは考えておりませんが お心遣い下さった方へ、心から感謝申し上げます どうかこれからも暖かく見守っていただけますように。