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七夕の夜に出会った奇跡


千尋と美咲


七夕の夜、星が輝く空の下、二人の少女が小川のほとりで涼んでいた。浴衣をまとった彼女たちの姿は、まるで昔話の登場人物のようだった。

「ねぇ、今日は七夕だね」と、長い髪を風になびかせながら、一人の少女が言った。彼女の名前は千尋。大きな瞳が夜空の星を映して輝いていた。

「うん、織姫と彦星が会える日だね」と、隣に座るもう一人の少女、美咲が答えた。美咲は短い髪を撫でながら、千尋の言葉に微笑んだ。

千尋はふと、真剣な顔で美咲に向き直った。「私も、彦星みたいなカッコイイ彼氏が欲しいなぁ」


千尋と美咲


美咲は笑いながら、「千尋ならきっとすぐに見つかるよ。でも、そんなこと言って、実はもう好きな人いるんじゃないの?」とからかった。

「もう、美咲ったら」と千尋は赤くなりながら笑った。

その時、不意に夜空が小さく輝き、二人の前に小型の円盤が降りてきた。二人は目を見開いて、驚きと興奮で声を失った。円盤の扉が開くと、中から宇宙服を着たカッコイイ青年の宇宙人が現れた。彼は長身で、鋭い目つきと穏やかな微笑みを兼ね備えた、まさに理想的な姿をしていた。

「こんばんは、私は地球を調査しに来ました。あなたたちを見かけたので、挨拶に降りてきました」と青年宇宙人は流暢な日本語で話しかけた。

千尋と美咲は顔を見合わせ、驚きながらも、好奇心に駆られて青年に近づいた。「えっと、私たちは千尋と美咲です。あなたは?」と千尋が尋ねた。

「私はリクといいます」と青年は答えた。

リクの魅力に引かれた二人は、すぐに彼と打ち解けた。「地球にはどれくらい滞在するの?」と美咲が尋ねると、リクは微笑んで答えた。「しばらくの間です。でも、あなたたちのような可愛い友達ができたら、もっと長くいたくなるかもしれませんね」

千尋と美咲は顔を赤らめ、嬉しそうに笑った。リクはさらに、「円盤に乗って夜空を飛んでみませんか?」と提案した。二人は目を輝かせながら、「ぜひ!」と答えた。


千尋と美咲


リクは二人を円盤に乗せると、優雅に夜空へと浮かび上がった。星々が手に届きそうなほど近く感じられ、二人は歓声を上げた。「すごい!こんなに綺麗な景色、初めて見た!」と千尋が言うと、美咲も「本当に、夢みたいだね」と同意した。

リクは二人の反応に満足げに微笑んだ。「地球には美しい景色がたくさんあります。でも、あなたたちのように美しい心を持った人に出会えたのは、私にとって一番の喜びです」と言った。

二人は照れながらも、その言葉に感激した。リクと過ごす時間は、まるで一瞬一瞬が宝石のように輝いていた。

やがて、リクは二人を小川のほとりに戻した。「今日は楽しかったです。またいつか会いましょう」とリクは言い、円盤に乗り込んだ。千尋と美咲は手を振りながら「またね、リク!」と叫んだ。

リクの円盤が夜空に消えていくのを見送りながら、千尋と美咲は満足そうに微笑んだ。「まさか、こんな素敵な夜が待っているなんて思わなかった」と千尋が言うと、美咲も「本当に、七夕の奇跡だね」と答えた。

二人の心には、忘れられないスリリングでロマンチックな夜が刻まれた。七夕の夜空には、彼女たちの新たな友達、リクとの再会を願う星が一つ輝いていた。

[おしまい]

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