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京都アニメーション放火事件から一ヶ月  〜知ることで心のシコりが取れるなら〜


京都アニメーション第一スタジオ放火事件が発生して丁度一ヶ月が経ちました。
まだ犯人の容態も回復せず、被害にあられた方の回復も進んでいません。


復興の為の応援、基金などは今でもさかんに行われ、世界中の多くの人が一早い被害者の回復と日本が世界に誇るアニメーションの復活を願っています。

しかし、この事件に関する進展や情報は少なく、多くの人が心に「シコリ」を残している事も事実です。
私自身は建築の設計に携わっている人間として、
事件の背景、犯人の心理はともかく
「建築の計画として本当に問題なかったのか?」
「何かこの事件を防ぐことを(建築計画に置いて)できなかったのか?」

という思いもあり可能な限り調べました。

しかし、調べれば調べるほど、
法律、技術的な面で「大きな問題が無い」計画であることがわかりました。

もちろん「こうすれば良かった」と思う事はいくらでもあります。
しかし、「自分がこの事件があった建物の設計を依頼された場合、その判断ができたのか?」
おそらく無理でしょう。
そう言った意味で遺恨が残る事件となりました。


今回、個人的な依頼、リクエストも多くあり、
そして「少しでも多くの人の心のシコリを取り除きたい」という思いがあり、
この事件が起きた建物に関して建築的な解説を行う動画を作成しました。
この動画の中では根本的な原因や解決策は述べてません。誤解を生むかもしれませんが、むしろ明快な解決策、解答はありません。

この建物をシェルター並みの構造にしなければ根本的な被害を無くすことは正直言って難しいというのが本音です。

しかし、ニュースなどで映し出された事件現場の簡易的な間取り図をベースに
消防局からの報告書、地図などの情報を元に「設計屋として」忠実に復元した図面を掲載しました。
これは「曖昧な情報」を可能な限り具体的にするという意味合いも込めて、作成させていただきました。(当然想像の部分もありますが大きな乖離はないと思います。)



そして可能な限りの規則やそれに応じた計画を解説したつもりです。
視聴された方にとって望ましい結論は提供できないかもしれません。
しかし、少しでも「心のシコリ」を取り除くことができるなら、それが設計屋たる自分の知見によってできるなら
という思いで作成しました。
関心がある方は是非ご覧ください。

注意:扱っている案件がデリケートなので両者ともに少々過激なコメントも出ています。苦手な方はご注意ください。

動画も含め、建築を「伝える」「教える」コンテンツ、場を作る事を目標としております。よろしくお願いします。