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ふたりのカタチ

昔 道ばたで見かけて
購入した一枚の絵

二人で 決めた

これが
その 一枚だったのか
そうでなかったかは

わからない

それが二人にとって
どれくらいの価値があるかも

でも僕らは
その絵を
部屋の一番広いスペースに置いて
毎日眺めた

いつからか

他の生活空間や
物質にその絵は 埋もれていった

他にも新しい絵を購入したり
新しい本や
違う漫画や
テレビなんてモノもあったり

一枚しかなかった その絵は
「多くの中の一つ」へと変化していった

君は
相も変わらず
現実と夢を
いったりきたりしている

そんな訳で
名付けようのない
曖昧な僕らの関係が
成り立っている

君は形にはこだわらない

好きなものは好き

だから あの絵を購入した
だから あなたと一緒にいる

君と一緒にいる「時」をさかのぼる残酷さは
僕を苦しめた

だからこそ、

そこに僕は
形を求めようとしたんだ


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