芸術に愛を

音楽は時間芸術、では文章は?
テクストは読まれることによって初めて成立する。作者からの一方的なメッセージに見えて、実は読者との対話なのだ。

かげろう、カゲロウ、蜉蝣、蜻蛉日記。
あの揺らめく地平線を見て、藤原道綱母の心情を思い出す。文章表現は生活に散りばめられ、視覚に彩色をし、嗅覚にスパイスを加える。
言葉とは人間が社会的動物であるために生まれたツールでもあるが、自我を見つめるために活用される針でもあると思う。
そのまやかす力は荒波の中で一片の板になる。

私は文章が好きだ。表現が好きだ。
たとい明日太陽が堕ちるとしても、私はその最後の光を表現したいと思う。

私の本質はここにある。
いま、私は生きている。

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