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誰でも自己実現できる未来を。「占いライター」の可能性

誰にでも願いを叶える力があると知る

 先月、人生で初めて「夢を実現する」という体験をした。雑誌やテレビ、Webメディアなどで12星座占いなどの運勢を届ける「占いライター」を志して早3年。かつてただの主婦だった私は、ライティングと占いを並行して勉強し、昨年12月にご縁があって、占いコーナーを担当させていただけることになった。

 自分にも夢を叶えることができたという経験は、私にとってインパクトのある出来事だった。というのも、私はこれまでのキャリアで大きなことを成した経験もないし、自分はいつも足手まといであるという感覚を抱いてきたから。転職を繰り返してみても活躍の場を見出せなかったとき、いよいよ自分は社会に馴染めない人間なのだと自覚するようになったのだ。

 仕事を諦めて主婦になっていたあるとき、副業ブームに乗って始めてみたのがライターという仕事だった。初めは会社員すらできない自分には、個人事業主という働き方自体難しいだろうと思っていたが、それが案外合っていることに気づいた。私は社会に馴染めなかったのではなく、会社員という働き方に馴染めなかっただけなのだと気づくきっかけだった。

 そして、ライターとしても何か強みが欲しいと思ったときに考えたのが、昔から好きだった占いを読者に届ける「占いライター」という職業。当初は人脈もつてもなく苦手な営業活動をしていたが、得意ではないことも、自分の夢のためなら頑張れることを知った。縁あってお仕事のご依頼をいただけたときは、どんなに執筆に時間がかかっても、それを苦しいとか辛いとは感じなかった。好きなことを仕事にできる喜びとともに、自己実現が人生にもたらす幸福を身に染みて感じた。

夢を実現するには「最初のチャンス」が必要だった

 しかし、夢を叶えられた要因は、もちろん自分の力だけではない。私がお金をかけて占いの勉強をすることに理解を示し、応援してくれていた夫や家族がいたこと。ライターとして活躍できるように、見返りも求めず仕事やアドバイスを提供してくれた友人がいたこと。こうした支えがあって、ようやく掴めた夢であることは確かであるし、これらが1つでも欠けていたら、私には夢を掴む糸口がなかったかもしれない。そう考えると、どんなに夢を叶えたくても、「最初のチャンス」を得ることができないと、舞台に立つことすら難しいのではないかと思う。

そのチャンスを、今度は自分が与える側になりたい

 私もまだ夢の入り口に立ったばかりだから、まだまだ精進が必要だし、腕を磨かなければいけない。だけど、実際に占いライティングを仕事としてやってみて、これはもっといろんな人の可能性を拓く仕事になるのではないかと思っている。

 例えば、身体に不自由があったり、理由があって人前に出て働けなかったり、介護などで家にいながら働きたい方など、柔軟な働き方が求められる状況にある人には、かなりフィットするのではないかと感じている。
 言葉と占いを扱うから、それらを上手に使いこなせる必要はあるものの、そこさえ満たしていれば仕事の選択肢の一つになるのではないかと思う。星占いであれば、基本的に先々まで天体の動きは決まっている。余裕があるときに前倒しで運勢を書き進めておけば、急に家族の面倒を見なければいけなくなったとしても、対応しやすいだろう。
 もちろん、私は元々占いが好きだし、本気で仕事にしているので、こういった「都合のよさ」だけではなくて、占いに関心があるとか、占いで読む人を幸せにしたいという思いを持っていることが望ましいとは思う。でも、何かしら不自由がある人にとって、この仕事が生活に豊かさをもたらす可能性があるのも事実だと思う。占いライティングを仕事にしたいと思ったとき、私がノウハウを教えられたり、仕事として成立するまでサポートしたり、雇用を生み出せたらと考えている。
 
 職業の選択に制限がある人々の中には、かつての私のように、やりがいや社会に役立てる喜びを感じられていない人もいるだろう。そうした人々にとって、占いライターは自由や充実感を得る第一歩になるかもしれない。現在も福祉と労働の問題は深刻だが、職業の一つとして占いライターを選択できる間口が広がれば、「仕事で社会に役立てる喜び」を得られる未来をつくれると思う。そのために、まずは私自身がさらに経験を積み、技術を伝えられるようになることが必要だろう。そしてこの職業を志したときに、仕事にできるまでの仕組みを整え、選択の自由が少ない人にも雇用の可能性を広げたい。まだまだ道のりは長いけれど、これが今の私が思い描く、かなえたい夢。

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