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大学編入記3-大学に入ったら魔王になった話-

 大学の授業に対する不満と疑問が高まった魔王の大学脱出編です。魔王はまず大学の脱出方法として留学と編入を考えました。

 昔から漠然と留学してみたいという思いが魔王にはありました。グローバル思考な魔王だからです。しかし、大学の交換留学制度は、帰国後に提携校との単位交換ができないため大学の卒業が一年遅れるシステムだったので、早々に選択肢からは外していました。私費での語学留学も考えましたが、大学に入って間もない魔王には資金がなかったので、現実的には厳しい話でした。お金のない魔王はその後コンビニでアルバイトを始め、自らを凌駕するほどのブラックさに耐えかねて「アメリカに留学する」と嘘をついて辞めることになるのですが、それはまた別の話です。いずれにしろ、留学しても大学に帰って来なければならないので、根本的な問題解決にはなりませんでした。そこで、

「留学できる大学に編入すればいいじゃん」

という結論に至ります。そこで調べまくった結果、一年生が終わる頃に国際基督教大学(ICU)が候補にあがります。理由は大きく三つです。

・編入後にも留学ができる
・英語と国際関係学を勉強できる
・東京にある

ICUならやりたいことが全部できる!と思いました。やはり、得意な英語を伸ばしたい、東京に行ってみたいという思いが、高校生の時から変わらずずっとあったのです(編入記2参照)。また、大学入学後には留学や国際関係学に興味を持つようになっていました。

 こうしてとりあえずは大学一年生を終えようとする魔王でしたが、なんの成果も!!得られませんでした!!というのが正直な感想でした。強いて言うなら彼氏ができたくらいでした。やはり、目的が達成できない場所に一年いても状況は変わらなかったのです。満足できない環境に妥協するという選択肢もありましたが、ここで環境を変えなければ一生後悔することになると思いました。大学生である以上は学びたいことを学ぶべきであるし、親が負担してくれている学費に相当する学びを得られていると言えなければならないとも思っていました。つまり、安全で刺激のない日常を税金で暮らす駐屯兵団よりも、知的好奇心を持って外の世界を目指すアルミンになりたかったのです。

 大学二年生になると面白い授業は増えたのですが、国際関係学の教授が体調を崩しゼミが解散してしまったのが決定打となり、二年生の秋頃から編入試験に向けた勉強を本格的に始め、冬に何とICUに合格するのでした

次回:魔王、まだ見ぬ壁外の世界へ

 

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