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【感想】『ハンサード』(ナショナル・シアター・ライブ)

 先日、イギリスの傑作演劇を映画仕立てで観られるNTLive(ナショナル・シアター・ライブ)シリーズの『ハンサード』を観てきました。  https://www.ntlive.jp/hansard    ハンサード(Hansard)を辞書で調べると、英国議会の議事録のことです。人名の由来はかつてこの議事録を出版していた出版業者だそうです。  舞台は1988年の設定で、はじめにサッチャー首相が出てくる当時のテレビニュースの映像から始まります。そこで観客が時代背景を理解しやすくし

    • 【感想】『誰もいない国』(ナショナル・シアター・ライブ)

       今日も今日とて、池袋シネ・リーブルで、アンコール上映を観てきました。(日本公開は2017年)  妙な舞台だった。つまらなかったわけじゃないけれど、意味がよく分からない。二人の老人のやりとりは面白かった、でも結局、どういう話なのかよく分からない。わからなさすぎて目が離せなかった。  目を離すとどこからおかしくなったのかがわからなくなると、案じていたからだ。でも最初から最後まで分からないのに、どこからもへったっくれもあるかい、と、見終わってから気がついた。  舞台は、二人の

      • 【感想】『フリーバッグ』(ナショナル・シアター・ライブ)

         ※ネタバレ含みます。  池袋シネ・リーブルで、アンコール上映を観てきました。  毎度嘆いているとおり、ナショナル・シアター・ライブの映画は、ほぼほぼ一週間しか上映しない! 日程をやりくりして観に行くようにしてはいるものの、残念ながら観られなかった作品がある。『フリーバッグ』もそういう作品のうちの一つ。だから、アンコール上映してもらえると、とても助かる。    今回は内容などをチェックしないまま観た。  タイトルは『フリーバッグ』で、一体全体「自由の袋」とは何のことなのだ

        • 【感想】講演:最先端の生き方『分人主義』で幸せに生きる方法(平野啓一郎)

          本日、平野啓一郎さんの『分人主義』に関するオンライン講演を聴講しました。以下は、講演を聞いて、分かったことと感想です。 『分人主義』について知りたい方は、ぜひ、平野啓一郎さんの講談社現代新書の『私とは何か――「個人」から「分人」へ』をご覧ください♪ https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000210658 〇なぜ「個人」ではなくて「分人」なのか?  個人と言う日本語は、英語のindividual(in=否定、divi

        【感想】『ハンサード』(ナショナル・シアター・ライブ)

        • 【感想】『誰もいない国』(ナショナル・シアター・ライブ)

        • 【感想】『フリーバッグ』(ナショナル・シアター・ライブ)

        • 【感想】講演:最先端の生き方『分人主義』で幸せに生きる方法(平野啓一郎)

          【感想】NTLive 語る会『シラノ・ド・ベルジュラック』

           これまではリアル会場で行われていた、NTLiveを観た人が作品について語り合う会ですが、前回『プレゼント・ラフター』からオンラインでの開催となりました。こういう時期ですので、自宅から安心して参加できるのがありがたいです♪  今回は『シラノ・ド・ベルジュラック』でした   https://www.ntlive.jp/cyrano  現代的な服装と簡素な舞台で、詩人たちが韻を踏んだ言葉で斬り合います。スピード感があって荒々しくて、でも切なくて。見終わった後、あれはどういう意

          【感想】NTLive 語る会『シラノ・ド・ベルジュラック』

          【感想】『シラノ・ド・ベルジュラック』(ナショナル・シアター・ライブ)

           この舞台では、詩をテンポのよいラップで表現している。特にシラノのセリフが、きれいに韻を踏んでいて、見事だということが、全部を聞き取れない私でもよくわかった。その心地よさといったらなかった。  イギリスの傑作演劇を映画仕立てで観られるNTLive(ナショナル・シアター・ライブ)は、毎回とても楽しみにしている。 『シラノ・ド・ベルジュラック』は「鼻にコンプレックスのある騎士の悲恋物語」という程度しか知らなかったので、シラノがこんなにバリバリに文武両道だったのにびっくりした。

          【感想】『シラノ・ド・ベルジュラック』(ナショナル・シアター・ライブ)

          【感想】研究をデザインする(立命館大学大学院先端総合学術研究科トークイベント)

           何かに興味を持っても、ゴールがはっきりしていなくて、全部途中で終わっていることが多い。部屋を見渡せば、読みかけの本ばかりだ。かじりついてでもやり通したいほど好きなものが無いのかもしれない。ブログでも感想文でも、何か書ければいいのに、とずっと思っている。思っているだけで足踏みしている。  出来事を思い出しながら書く時は迷わないのだから、「思い出す」のと同じ程度に読んだ内容が定着していないのだろうか。足りないのは読解力だろうか、考えをまとめる力だろうか。  そんな風にもやも

          【感想】研究をデザインする(立命館大学大学院先端総合学術研究科トークイベント)