見出し画像

都七福神1

最初の七福神は唯一の日本代表、恵比寿天から始めましょう。

恵比寿さんにはどんなイメージを持っていますか?
この神はどちらかといえば関西を中心に西日本で人気があるようですが、実は、恵比寿の名前では古事記にも日本書紀にも登場されない神様なのです。

伊邪那岐神と伊邪那美神の間に最初に産まれた|蛭子≪ひるこ≫は葦の船に乗せ流してしまわれるのですが、流れ着いた先が兵庫県西宮の浜といわれており、そこに「えびす宮総本社の西宮神社」があります。
蛭子と書いてなぜえびすと読むのかは不明だそうですが、古くからそう呼ばれていた記録はあるそうです。

  商売繁盛で 笹もってこい   商売繁盛で 笹もってこい
  お笹に吉兆 付けましょか   つけた吉兆 福の神

お祭りの時には威勢のいい声が聞こえてきます

ではなぜ蛭子が恵比寿になったのか?
日本は海に囲まれており、漂流物が色々と流れ着くことになります。
中には福をもたらすような物(例えば大きな鯨とか)が流れ着いたりしたこともあり、古くから大切に扱われていたそうです。
また、えびすは夷、戎、胡などとも書き、これらは海の向こうから訪れた神という概念に通じます。
つまり、流された蛭子は、流れ着いた先で夷として、そして神として大切に扱われたということです。

京都ゑびす神社

日本三大えびす神社は「えびす宮総本社の西宮神社」、「今宮戎神社」、「京都ゑびす神社」だそうですが、この中で蛭子神をえびす神として祀っているのは西宮だけです。
他の二つは|事代主神≪ことしろぬしのかみ≫がえびす神として祀られています。
驚いたことに全国に数あるえびす神社の大半が事代主神を主祭神として祀っているようです。

ではなぜ事代主神がえびす神かというと、そのあたりはよく分かりません。
明らかなことは、えびす神は海の神で、事代主神は釣りがお好きということだけです。
そんな些細な関係で習合されて、本家よりも大きな勢力を持つなど前代未聞といえるでしょう。

見れば見るほど福の神ですよね

えびす神のお姿は右手に釣竿を持ち、左の小脇に鯛を抱えているのが一般的ですが、釣り好きの事代主神のお姿なんでしょうね。

恵美須なのにゑびす

京都のゑびす神社は四条大和大路を下がったところにありますが、正式には「恵美須神社」だそうですが、ホームページは「京都ゑびす神社」になっています。
旧字のゑが使われているのに、本当はこうですといわれても、訳が分かりませんよね。
どうせなら統一してくれればいいのにと思ってしまうのは私だけでしょうか。

ご利益は、商売繁盛と家運隆盛。
「旅ゑびす」の別名もお持ちで交通安全にもご利益があります。


端唄もあります。

  十日ゑびすの売物は    ハゼ袋に取鉢・銭叺
  小判に金箱・立烏帽子   茹蓮・才槌・束ね熨斗
  お笹をかたげて千鳥足

お近くのえびす神へお参りの際は、えべっさんは蛭子神か事代主神か調べてみてください。
新しい発見があるかもしれません。
三羽 烏