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二度目の一年目

新卒で8年勤めた会社を退職して、この4月から久方ぶりの1年生をやっている。「もう」と言うべきか「やっと」と言うべきか、間もなく現職経験0年1ヶ月。

前職は安定しか売りがないくらいの安定企業で、給料は安かったけど残業は少なく休みは多く福利厚生がとにかく充実していて、今考えてもいい会社だったのだと思う。
現役のときも会社は嫌いじゃなかった。だけどとにかくやりがいがなかった。スキルアップも望めない、頑張りは評価されない、年ばかり重ねた男性たちが居座り続けてる。諦めているのか、やる気がないだけなのか、ほとんどの女性たちは少しでも楽な部署にしがみついて所謂お局さんがあちこちにいる。
仕事は言われたことだけやればいいと思考を止めている人ばかり。それも仕方がないほどに上からの力が強かった。考えても頑張ってもどうせ相手にされないのだから、少しでも楽にお金をもらおう。一つでも多く人に仕事を押し付けて"要領よく"怠けたもん勝ち。真面目が馬鹿を見る世界にみんな慣れすぎて、疑問にすら感じていない。

このままここにいたら、私もいつかこうなる。

そう思ったら堪らなかった。そんな風に生きるのは絶対に嫌だった。人間は考える葦なのだから、思考を止めたら私は人間ではなくなってしまう。
だけどなかなか決心がつかなくて(安定企業を離れるのは勇気が要る)、結局ずるずると8年。私の幸福とは何か、幸福な人生のためになにが必要か、私の心が求めているものはなんなのか、1年くらい真剣に考え続けてやっと転職を決意した。

今の仕事は前職とは真逆で、労働条件は非常に悪い。休みは少なく給料はさらに安い。残業は多く肉体労働もある。もちろんそれは入る前からわかっていて、それでも飛び込みたい会社だった。私の好きなものしか取り扱っていないような会社なのだ。

安定企業を捨てて、わざわざ条件の悪い小さな会社に転職するなんてとんだ馬鹿者だと思う人もいるだろう。私にもそう思う気持ちがある。だからこそ迷いに迷って、悩みに悩んで、苦しみに苦しんで、決断をしたのだ。それでもここでやると。

この決断が正しかったかどうかは、誰も教えてくれない。私にしか決められないのだ。これから私はこの仕事をしながら、あのときの決断は人生最良の決断だったと胸を張れるように努力するしかない。良かったと思えるかどうかは私次第。人生は全て、私次第なのだ。

正直言って、甘やかされた環境で育った私にとってはキツい職場。まじかよ、もう無理、こんなのできない、毎日そう思ってる。
でも後悔はしない。あんなところで貴重な人生の時間を無駄に過ごすよりも、つらい大変だって思いながら自分の好きなものを成していくほうがよっぽど有意義で、幸福なことだと思うから。

私と同じように、二度目の(あるいは三度目、四度目の)一年目を迎えている人がたくさんいるんだろうな。そちらはどうですか?やっていけそうですか?まだわからないですよね。たった1ヶ月じゃ。お互いぼちぼちやっていきましょうね。

さて、来月の私はどうなっているかな。

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