【初心者のバレエ鑑賞記録】映画『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』(#0004)

セルゲイ・ポルーニン。なんて美しいんだろう……。

美しいものに触れよう。そのひとつに今年は「ボリショイ・バレエ」を観ようという話を書いたばかりなのですが。リアルで観たい!というよりも、むしろこれは観なくてはならない!と心を奪われてしまうような、そんな出逢いが、バレエつながりでもうひとつ。

世界的ダンサー(ということはお恥ずかしながらつい数日前に知ったのだけど)のセルゲイ・ポルーニン。

新年明けて2日目の明け方。すやすやと眠る5歳児のぬくもりを隣に感じながら、初夢ならぬ初映画として観たのが、『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』(2017年7月公開)。誰かに紹介されたわけでもなく、何を観ようか検索していた時にたまたまご縁があったのだけど、これがもう大正解でした。今年のお正月はまだおみくじ引いてないけど、大吉引き寄せちゃった感じ。

彼は、1989年ウクライナで生まれ、19歳で英国ロイヤル・バレエ団の史上最年少プリンシパルとなるも、人気のピークで電撃退団。五感が震え、息をのむほどに美しい舞と技、そして、同時に胸の奥が本当にきゅっと締めつけらるように苦しくなるような彼の心の葛藤が、本人、友人、家族の言葉とともに描かれているドキュメンタリーです。

とても話題になった作品のようなので、バレエファンでなくとも知っている方は多いのかもしれません。

映画『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』予告編ムービーはこちら。

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まるで重力がそこにあることを感じさせないような軽やかな跳躍と恵まれた肉体美。ただただ惹きこまれてしまう圧巻の美しさがそこにありました。バレエを使命として生を受けたんだな、と思うような圧倒的な存在感は、ポルーニンの幼少時の映像を見ても明らかで、ひときわ輝きを放っていました。これぞ、まさにスター。

一方で。何かを極めてトップを走り続けることは、芸術でもビジネスでも、どんな世界であれ孤独な戦いと不断の努力が求められるもの。当然ながら、世界トップクラスのバレエダンサーともなると、表舞台の華やかさとは一転して、それはもう、ものすごいプレッシャーの中、孤高の世界で戦う苦しさがあって、それが痛いほどに描かれていて。「踊ることを止めることも出来ない」。その人並み外れた才能は、本人にとっては、人生の呪縛にもなり得たことや、バレエを離れようとする彼の悲痛な想いを感じながら、どうか光を見つけてほしい、とまるで母親のように、祈るような気持ちで見守りました。

そんな、ポルーニン。20世紀最大のスターダンサーと言われる「ヌレエフの再来」と称されながら、突如として英国ロイヤル・バレエ団からの退団を発表したわけなのだけれど、再び大きく注目されることになったのが、映画の最後でも出てくる、歌手ホージアのグラミー賞ノミネート曲「Take Me To Church」のミュージックビデオ。

バレエの世界を離れ、ラストダンスのつもりで踊ったというこの作品。光降り注ぐ中、なんとも胸に迫る美しく迫力のある舞は、身震いするくらいにすさまじい情動的なエネルギーで溢れていて。映画で彼の葛藤を感じた後にみると、これまた涙なくしては見られないほど。


"Take Me to Church"

You Tubeで2700万回以上の再生数を記録していて(2019年1月6日現在)、おそらく私のような、バレエにあまり関心がなかった人たちの心もたくさん揺さぶってきたのではないかと想像します。

セルゲイ・ポルーニン。バレエの世界で再び新たなスタートを切っているという彼を、生で見てみたい!!!ということで検索していたら。。。

きゃーーーーー。あるではありませんか!なんと、今年の5月14日(木)・15日(金)@新宿文化センターで初の日本単独公演開催だそうです

セルゲイ・ポルーニン 初の日本単独公演を開催「“SACRE”春の祭典」

これはもう観に行くしかない!

ちょっと余談ですが。映画の中で、ポルーニンが本番前に、痛み止めや心臓の薬など、あらゆる薬を飲んでいたことが衝撃だったのだけれど、今も、そして今年5月の日本公演も、そんな状態で臨まれるのかしら、、、なんてこともちょっと気になったりして。痛み止めは理解できるのだけど、心臓の薬ってちょっと怖いと思ってしまいました。プロの世界では普通なのでしょうか。躊躇なく、セーブすることも一切なく、本番にかける強い想いがそこにあって、求めるレベルも尋常じゃなく高い故のことだとは思うのだけれど、ポルーニンが、心から踊りを楽しんでいる、そんな姿に東京で逢えたらいいな、と思う、セルゲイ・ポルーニンにわかファンなのでした。

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子どもを寝かしつけた後が唯一のおひとりさま時間なのに、一緒に寝落ちしてしまうと本当にがっかりとした気持ちで朝を迎えることになるのですが(ちなみに今もそう……)、世の中がまだ暗闇に包まれ、家族が深い眠りを楽しんでいる静けさの中で幸運にも目が覚めた時、携帯に手を伸ばして楽しむ贅沢な映画時間を最近覚えました。セルゲイ・ポルーニンには、そんな至福時間の第二弾でお目にかかれました(ちなみに1回目は寅さんの第一作目をAmazon Primeで)。

そして今年5月に、夢でも映像でもなく、リアルポールニンに逢える!!それまでに、朝のおひとりさまタイムでもう少し映像も楽しんでおきたいと思います。

さて、今日はこれから2020初出勤!がんばろう~。

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