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日本一早い新じゃがをいただきました。
私カローサムはじゃがいもにうるさい。初めての一人暮らしを北海道で過ごした私はジャガイモを愛していた。中でも新じゃがの時期は毎年楽しみで北海道で新ジャガの出回る7月末には農産物直売所に駆け込むのが風物詩だった。
シャキシャキとした皮の食感。滑らかな舌触り。茹でてバターを乗せるだけで人は極楽を見る。その味はまさに北の大地の恵みだった。北海道を離れることが決まった時、私は道産新じゃがとの別れを当時の仲間との別れと同じくらい悲しんだ。
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時は流れ私は現在鹿児島に住んでいる。薩摩国のいもといえばさつま芋、多くの人はそう思うように私もそう思っていた。安納芋、べにはるか、べにことぶき…。10月から年末にかけてはさつまいもをたくさん食べた。どれもおいしい。これはこれで幸せだ。
これに新じゃががあれば言うことはないがそれは多くを望みすぎている。しかし夏に新じゃがが有れば…夏に新じゃがが有れば…。
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ということでこれから鹿児島の新じゃがを調理していきます。
そう、鹿児島では1月がまさに新じゃがのシーズンなのだ。
そもそも日本にじゃがいもが伝来したのは長崎県。元々寒冷地向けの作物ではあるが現在でもじゃがいもの都道府県別生産量は2位が長崎、そして3位が鹿児島県なのだ。ちなみに北海道のじゃがいもの国内シェアは7割以上だ。
九州、特に鹿児島産じゃがいもの中には10月頃に作付けし、1月には収穫されるものがある。冬備えをどうするか考えている北海道ではあり得ない作付けスケジュールだ。鹿児島ではじゃがいもを作付けするチャンスが春付け、夏付け、冬付けの年3回ある。そのせいか鹿児島市内には九州唯一のカルビーの工場が建っている。
つまり鹿児島は日本一早い新じゃがを味わえる土地なのだ、これを逃さない手はない。私はスーパーで鹿児島県産新じゃがを見た時、内心ガッツポーズが止まらなかった。冬にスイカを見かけたような妙な気分もあったが、好きな食べ物が予想だにしない時期にあったのだ。歓喜に震えながら私は家路を辿った。
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醤油ベースの甘辛いタレを入れて…
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落とし蓋をして12分程度煮込んで…
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バターを入れてタレを煮詰めて…
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芋焼酎のお湯割りに合うように少し甘口の味付けに仕上げました。こんなに素朴なのになんでこんな美味しいんだろ。黒胡椒をもっとたくさん入れたらフルボディの赤ワインや黒ビールとも合いそう。地元の芋を食べながら地元の芋の酒を飲む。これ以上の幸せがあるだろうか。
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もう半分の芋はハニーマスタードソースを絡めてオーブンで焼き上げた。芋の旨味、蜂蜜の甘み、マスタードの酸味が一気に押し寄せて私に「酒を飲め」とささやいてくる。
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鹿児島のクラフトウイスキーHHAEのハイボールと合わせてみた。甘めのウイスキーとよく合う。なんて幸せ。
私は鹿児島という土地の豊かさをまだまだ全然理解していないのかもしれない。また鹿児島のスーパーで美味しそうなものを見かけたら記事を書きたいと思います。
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