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教育資金と奨学金のはなし

大学行くのははお金がかかる

ちょっと前にこのニュースがXで話題(炎上とも言える)になっていました。
奨学金の約定弁済を放棄する事の是非よりも別の事が気になってしまいました。

私自身は私立中学から私立大でひとり暮らしをするという医学部や理系よりはマシだとしても相当にお金がかかったほうだと思います。
息子が同じ道を歩むとしたら私の収入で支えられるのだろうかと不安を抱えます。
奨学金は約50%の学生が借りていると言われています。自分の財布を見ると非常に頷ける数字です。

大学の位置づけ

大学の進学率は60%になるそうです。ということは単純には高校偏差値45ぐらいまでの生徒は全員大学進学をするといくことですね。お金がかかるという切り口でいけば、世帯収入の上から60%までが大学進学をするということにもなりそうです。もちろんこんなに順番に決まるわけでもないですし、兄弟姉妹の数が変われば負担も代わります。

世間の評価としては、「できることなら大学に行った方が良い」となっていることにはそう異論はないはずです。
国も学力の向上を目標としているので国家全体的なベクトルは一緒でしょう。

今後も予算制約がない限りは大学進学率は上昇していくのでしょう。

資金の調達とスポンサー

奨学金といえばまずは日本学生支援機構です。昔の育英会ですね。認知度も相当に高いはずです。
他に大学資金を調達するとすれば大学の奨学金、金融機関や保険会社の教育ローン、その他NPO団体や財団系の奨学金といったところでしょうか。

私は最も大きな問題はここにあると思っています。
まず最も認知度が高い支援機構の奨学金が貸付金であること。他にも思いつく調達先は貸付金が多数です。

返済が伴わない奨学金や、半額返済になる奨学金などを獲得することは非常に狭き門だと言えるでしょう。
貸付金型は実質は利息の多寡と返済期間の違いしかなく、卒業後は負債のみが残ることには変わりません。この負債を親が返すのか当事者が返すのかの択一です。

結局は所得の前借りをしているだけです。短期的キャッシュフローは助かるけれども長期的にはなんのキャッシュフロー改善にも繋がりません。確かに高卒より大卒のほうが獲得賃金が高いとしてもそれはミクロ的に納得できるだけで、国家全体的な「教育水準の向上」を真に達成することにはなっていないように感じます。

教育や大学進学にはそのものに競争が存在するのに、経済力という外部環境での競争はできるだけない方が良いのではないでしょうか。
現実は外部環境の排除はできないとしても、少なくとも政治的にはそうあるべきだと思います。

私は、返済が不要に(もしくは軽く)なる狭義の奨学金がもっと一般化して手が届くようになれば「教育の向上」の一端になると思います。
少なくとも学力があるけど経済力が足りないという子どもたちを拾うことができるはずです。「うちは貧乏だから医者にはなれないよ」といって土俵にすら上がらない才能が潰えているとすればこんな損失はないのではないでしょうか?
それだけでなく自分の教育の負債によって次の世代を断絶している潜在的子育て世代にも可能性を見いだせるはずです。

所得の再配分

バブル崩壊以降実態なき景気拡大とも言われていますが、株価は上昇し続けています。少なくとも上場企業の内部留保や投資は増加しているはずです。
また株や不動産などが個人にも手が届くようにもなってきています。投資に手が回るような所得層が国内に存在することも事実です。

具体的な対策を持っているわけではないのですが。

私は税金以外の方法でも所得の再配分はできると考えています。もちろん国が主導すべきではあります。
ふるさと納税やクラウドファウンディングなどによって資金活用を促して、その資金をNPO法人などの法人媒体を活用して学生に配分するような仕組みが作れるような気がします。
まだまだ具体的ではないのですが、実現力の高い政治家さんに具体化してもらえたらなと思ったりしています。


少しでも金銭を理由に進学を諦める学生たちが減ると良いですね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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