しゃっくり日記

某月某日 
AM9:00
いつものように出勤し、メールのチェックをしていたところ、突然しゃっくりが始まった。私の身体で起こっていることなのだから「始まった」という表現は適切ではない気がするが、自分の意思とは関係なく引き起こされているので、「始まった」としか思えない。とりあえずPCで「しゃっくり 止める 今すぐ」と調べ、出てきた方法を一つずつ実践する。水を飲む、息を止める、ツボを押す、等々。なかなか止まらず焦り始めた頃、テレビ番組で紹介されたらしい「両耳に指を入れて強く押す」という方法を見つけ、数分後、無事にしゃっくりを止めることが出来た。

PM12:30
同期と近くのお店へランチに行き、食後のお茶を飲みながら喋っていたところ、再びしゃっくりが始まった。会社からお店までの道中にしゃっくりの話はしていたので、「また!?」と驚かれた。前回の学びを生かして両耳に指を入れて強く押したのだが、何故か全く効かない。諦めて店を出ようとした時、それまで黙ってスマホを見ていたSちゃんが「紫って繰り返し呟くと、治る!」と高らかに宣言した。どんな仕組みで治るのか、どこで得た情報なのかはわからないが、この際どうでもいい。小声で「紫、紫…」と言いながら会計を済ませ、会社に戻り、エレベーターに乗ったところでしゃっくりが止まっていることに気が付いた。明日Sちゃんにお菓子を渡そう、と思った。

PM4:30
退勤時間も近付いて来た頃、本日三回目のしゃっくりが始まった。周囲の人々には最早笑われる始末である。即効性のある両耳(以下略)か、先程成功した紫か。そうだ、同時にやればいいんだ、と耳に指を入れようとしたところで、一度目のしゃっくりに居合わせていなかったHさん(元保育士)が「下を向いた状態で水を飲み込むといいよ。みんなすぐ治る。」と教えてくれた。思い出し笑いとかして吹き出したらどうしよう、などと余計なことを考えながら、下を向いて水を飲み込む。その瞬間、しゃっくりが止まった。文字通りの即効性である。Hさんにばかうけ(青のり)と純露を進呈し、残りの仕事を片付けて退勤した。

こんなにしゃっくりが起きるのは初めてで苦しかったが、いろんな人に助けてもらったり知識が増えたりした一日でもあった。