連作『飴玉』

ポケットに入れっぱなしの飴玉を舐めてしまったくらいには鬱
どの街を歩いていても吸い殻が落ちてて鳩は二足歩行
会議から戻れば冷めたコーヒーとふせんまみれの資料と 私
九十分制のコメダで立ち直ることに何度も失敗してる
涙だけ足りない私 忘れずにドラッグストアに寄れるとことか
マネキンの通りに服を揃えても気付いたら下向いちゃってるし
朝だっていきなり光るわけじゃない 始発のためにドアを開ければ
お揃いになってしまったガチャガチャをぶら下げながらゆくサブナード
ツーショットらしいツーショットがなくて ドラえもんみたいな水たまり
日常の常の部分をもう少し続けたいから身体を起こす