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Vol.12 起業し失敗したが、そこから「得たもの」「失ったもの」

自分は過去、一度起業し、二度の転職を経験しました。

起業は28歳の時、結果としては失敗。その後は短いスパンで2度転職を行い、そして現在は、2度目の転職先にいる。

それなりに紆余曲折あった訳だが、起業に関しては「失敗ごと」、自分の「恥事」な部分であるため、自らその経験をオープンにする事はあまりなかった。

しかし今の時代、クローズにしておくなんてもったいない訳で、逆にオープンした方が面白くなるものだ。

自分の失敗や経験が、他者にとっては大いに参考になるかもしれない。逆の立場で考えても、そうした失敗話は読んでいて実に興味深いもの。

今回はなぜ起業に至ったか、起業内容をふまえ起業した経験から得たもの、失ったものについて自分の経験を語っていきたいと思う。

1.なぜ起業したのか

自分のバックボーンは臨床検査技師である。

奇しくもコロナ禍により多少名前が知られてはきたが、世間的に相当マイナーな職種。端的に言うと、医学検査のスペシャリストである。

起業したのは飲食業。臨床検査技師とは相当にかけ離れた業種だ。

自分の今までの経験「実家が飲食業」、「飲食アルバイト」、「元来の料理好き」を踏まえた上で、いけそう勝てそうと判断したのが飲食業でした。業態は、「昼食弁当のデリバリー」である。

詰め込む中身は当然のことながら、こだわったのは容器。保温性やリサイクル性のある紙製の容器を使用し、ワンボックスで、ご飯やおかずを盛り込むスタイルのお弁当です。価格帯は、400円~600円で、ボリューム感もそれなりにありました。

だが、準備期間含め1年ほどで撤退

失敗という事にはなるが、今もその時の行動はまったく後悔はしていない。その期間は、自分の人生で最も苦しみながらも、多くの経験を味わえた、最高に濃密な時間だったからだ。

自ら考え、自ら行動し、好き勝手に自分のカラーを出し仕事を作っていく!これこそが、自分の求める仕事のスタイルでした。

元々の性分であるが、当時からも自分が追求しているのは「成長」です。「成長」は挑戦する環境に身を置くことでしか得られないものだと認識している。

若いうちの失敗は挽回できる!やらなければ将来、絶対後悔するだけ!

若いうちのチャレンジは、確実にプラスにしかならない。まず行動。しかし、リスクは確かにある。

だが、たとえ失敗しても、将来へ繋がる「成長」が確実に約束されるはずである。

後先は考えない。起業するしかない! そう考えたのです。

2.起業から得られたもの

起業する前の過去の自分、そして現在の自分。その境目にある起業があったわけだが、自分へもたらした大きな変化を考えると、大きく3つの要素を挙げる事ができます。

1つめ、「度胸」。

起業したら、「できない」「やらない」といったネガティブワードは基本存在しない。

今までに、やった事もない営業も自らしなければならなくなった。当然だ、自ら始めた事で、自らお金を稼がねばならないからだ。

スタートした当初、知り合いのドクターからの紹介で、支社ではあるが、日本の大手企業から1時間のセミナーを依頼されたことがありました。

セミナーと言っても、提示されたのが調理実演付きの内容。しかし当時は、喋るだけのセミナーすらやった経験もなく、料理もまだまだ素人に毛がはえた程度のもの。かなりビビりながら引き受けたのを思い出します。

相当なシミュレーションを重ねながらも、無事?何とか乗り切りましたが、あまりの緊張感からか、その時の記憶はすっ飛んでしまいました・・・

その後も、色々な仕事が降りかかってきたが、「やります」「できます」を繰り返しながら、その都度乗り越えていき、強靭な度胸を身に付けていきました。

起業はハードルが高いかもしれないが、まずは日常のささいな事でもリスクを恐れず勇気を持ち、飛び込んでみてはどうか?

2つめ、「やり切る力」

先ほどの話とつながるが、起業すると毎日が「背水の陣」となる。

先が見えないながらも進み続け、お客様が満足する結果を出さなければならない。お客様は、自分の事情など考慮してくれないのだ。

お弁当の話で言えば、12時までの配達時間を1分でも過ぎてはならないという事。お客様の貴重な休み時間を、こちらの事情で奪ってはならない。たかが1分でも信頼がゆらいでしまうものだ。

例えば熱が出て体調が悪くても、材料が不足してしまっても、台風でも、雪が降っていても、とにかく何が何でも形にして時間通りに配達しなければならない。

セミナーについて言えば、参加者はこちらを専門家として認識し、期待の眼差して見つめてくるものだ。

登壇する以上は、プロフェッショナルな立場で迎えなければならない。「初心者だから」なんて許されない訳で、強固に武装し事前シミュレーションをこれでもかと繰り返し、本番までにプロフェッショナルになりきらなければならない。

甘えは許されない。始めたからには、任されたからには、全力でやり切きるしかないのだ!

起業したら気持ちのたるみなんて許されない。圧倒的な「やり切る力」を身に付けるのであれば、起業をオススメする。

3つめ、「謙虚さ」

会社員は会社からお金をもらいながら働きます。しかし、起業すると自らお金を稼がなくてはならなくなります。

同じお金を得るのでも、その感覚が天と地ほども違うのです。

起業するとダイレクトにお客様とお金が直結する事になります。その立場において、高飛車な態度で、お客様からお金をもらう事はできるでしょうか?

誰が考えても、「傲慢でイヤな奴」にお金を払いたくありませんよね!

また、お金はこちらが提供するサービスや商品の対価なのはご存知でしょう。いかにお客様のニーズに合ったサービスや商品を提供するかが重要となります。

「お客様に、いかに寄り添うか」

上から目線では、良いサービスや商品は作り得ません。必要なのは、下からの目線つまり、

「謙虚さ」にあるのです。

自分は起業により「謙虚さ」を手に入れました。配達で一軒一軒周りながら商品を手渡し、深いお辞儀と「ありがとうございました。」の言葉を添える。そしてお金をいただく。お客様からお金を得るのは、1円だって尊いものなのです。

起業するまでは、自分は相当に生意気なヤツであった。会社内でそれなりに仕事ができたからではあるが、今から思えば、本当に恥ずかしい限りである。

「信頼がお金を生む」

今はその経験が活きている。現在、会社員として守られた立場にあるが、顧客への対応を一つ一つ丁寧に行い、感謝を忘れず、誤りがあれば即座に対応しお詫びをする。

会社から得ている給料は、会社へ貢献し得た対価である。しかし、その源泉はお客様から大切にいただいてるお金なのだという事を常に忘れてはいけないのだ。

3.起業により失ったもの

成功していれば別の話となるのかもしれないが、今回は失敗経験からの話をさせて頂きます。

やはりお金。

空きテナントに器具がわりと残っていたので、新たに調達するものはそれほどありませんでしたが、固定費のテナント料、アルバイト料、車のローン、開業資金の返済などで、赤字が膨らんでいきました。

もろもろで、300万くらい。

金額的には少ないかもしれないが、資金が不足すると新たに借り入れたりするため、月々のトータル返済額が大きくなりだし、返せる見込みが無くなるのです。

結果として廃業を選んだわけだが、学んだ事は、「多重債務は危険」そして「いかに資金を回転させるか、調達するか」であった。また、破産することのメカニズムを垣間見ることができました。ちなみに、自分は破産は免れました。

また「健康」も失われるものの一つです。

お金がないという状態は著しく健康を害します。人は悩み始めると、食事量が減り、時間的な余裕もなくなるので、その結果運動習慣もなくなります。

心ここにあらずというか、「精神」が不安定になります。

「お金どうしよう」「あそこから借り入れるか」「ひとまずこの口座に〇〇万円いれとかないと」 頭の中はこんな感じの思考で埋め尽くされます。

大きな仕事をこなすためには、精神的にも身体的にも余裕が必要です。そして、その余裕を裏打ちするのがお金、十分な資金です。

思いだけでは仕事は回していけない。また仕事は「健康」あってのものである。大きな事を始めようとするなら、事前により多くの資金を準備しておくべきというのが、自分からのアドバイスです。

4.起業をする方へのアドバイス

チャレンジした自分の経験からできるアドバイスは、

「思い切って行動してみましょう!」

昔と違い、今は起業しやすい時代です。全面的にネットを活用すれば、リスクを最小化できるし、資金もクラウドファンディングなんかで集められます。

経験から言うが、失敗なんてへっちゃらです。

40代の今だから言えるが、20代や30代の時の失敗なんて財産以外の何ものでもありません。今の時代、いくらでも再チャレンジできます。やりたい事をやらない、自分を押し殺す人生なんてつまらないものでしょう。たとえ失敗しても、それをネタにしてチャレンジする事もできます。今回の投稿も、一種のチャレンジです\(^o^)/

限りある人生。どう生きるかは自由であるが、どうせなら悔いは残してほしくはありません。

今回の投稿を読んで、起業とはいかないまでも、誰かしらの何らかのチャンレジやヒントとなれば幸いです。当初想定していたよりも言葉がすすみ、ずいぶんと長文化してしまいました。

では、また次回!

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