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登山中に消費するエネルギー

1.登山中は上手なエネルギー補給が大事

登山中にエネルギー不足になると、行動が続けられなくなったり、低体温症などの危険性も高まります。そのような状況にならないためにも、エネルギー補給を上手に行うことが必要です。「上手に行う」ということは、①計画している登山ルートで消費するエネルギーを予め知っておくこと(以下2)、そして②それに見合うだけの食事計画を立てること(次回公開予定)、です。

2.登山で使われるエネルギー量を知る

登山を計画する際に、そのコースを歩いた際に消費するエネルギーも予め知っておくと、どのくらいの行動食を準備したら良いかがわかります。下の図は登山で消費するエネルギー量を計算するための式です。

スライド1

靴も含めた全装備を背負って、体重計に乗った重さと「コース定数」を掛け合わせることで、登山で消費するエネルギー量を推定することができます。体重や装備重量が変わると、エネルギー消費量も変化します。

また、「コース定数」は登山を計画した際に、以下のようなページから調べることもできます。これは、都道府県ごとに公開された「山のグレーディング表」といって、「体力面」と「技術面」から、その山がどのくらいのレベルなのかを表したものです。それぞれのグレーディングを詳しく見てみると、「コース定数」も記載されています。

さらに、以下のページでは、登山計画を立てると、コース定数を計算してくれます。

「コース定数」を調べて式に代入することで、実は簡単にエネルギー消費量を計算することができるのです。登山計画を立てる際に、ぜひエネルギー消費量も計算してみてください!

3.計算式ができるまでのこと

この式の作成は、エネルギー消費量がわかる携帯型の装置を装着して、鹿児島県の高隈山系を、ペースを変えたり、ザック重量を変えたりしながら、算出されました。色々な場面で目にする式ですが、地道な作業を繰り返すことによって作成されたのです。

ippo78-79ページ(エネルギー消費量算出写真)

4.登山中に摂取したらよい目安とは

消費エネルギーよりも摂取エネルギーが少ないと、エネルギー不足(ガス欠、シャリバテ)になります。登山中にはエネルギー消費量の7割以上は補給することが重要だとされています。最後までバテずに登山を行うためにも、こまめにエネルギー補給を行なってください。そして登山を終えた時に、どのくらいの量を食べたかを確認することで、次の登山の計画を立てる際の行動食を考えるヒントにもなりますね(^^)

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