見出し画像

エネルギー摂取の基本

1.基礎代謝としてのエネルギー

人は生活をする上で、体の外からエネルギーを摂取しなくては、活動ができません。何もせずにじっとしているだけでも、生命活動を維持するためにエネルギーは必要で、その際に消費しているエネルギーを基礎代謝量といいます。基礎代謝量の約1/3は心臓などの臓器、2/3は筋肉やその他の臓器の活動、そして体温維持に使われています。性別や年齢、外気温、栄養状態などによって個人差はありますが、基礎代謝基準値と基準体重をもとに、基礎代謝量を算出することもできます。さらに、日常の活動レベルに応じて、一日の必要なエネルギー摂取量を推定することもできます。

スライド1

一日のエネルギー摂取量が基礎代謝量に満たない場合、体内の筋や骨等を分解してエネルギーにしてしまうため、様々な症状が現れます。例えば、①筋肉や骨の現象にともなう体重の減少や運動機能の低下、②タンパク質不足による皮膚の異常、③免疫力の低下による感染症、④体力低下の悪循環による疾病、⑤脳内の血流低下による精神的疾病、⑥生活自立度の低下にともなう要介護の上昇、などです。上記の表を参考にして、1日に必要なエネルギー量を確認してみてください。

2.エネルギーを作るためには酸素が必要

人が食事によって取り入れるエネルギーは、糖質、脂質、タンパク質の3大栄養素から成り立っています。食事から取り入れた栄養素を、呼吸から取り入れた酸素を使って燃やすことで、生命維持や運動を行うためのエネルギーが作られます。通常、運動を開始すると、まずは筋肉や血液の中に蓄えられている糖質(炭水化物)が燃え始めます。そして、酸素を取り入れることで、糖質の次に脂質が燃え始めます。しかし、脂質は体内に貯蔵されているのに対して、糖質の貯蔵はわずかなため、運動の途中で枯渇することがあります。ここで食事から糖質の補給を行わないと、筋肉や肝臓に蓄えている糖質を使って脂質を燃焼してしまい、身体にダメージを与えることになります。身体にダメージを与えずに運動を続けるためには、糖質を枯渇させないように補給を行うことが大事です。

次回からはいよいよ、登山中に必要なエネルギーやその摂取方法について、具体的にお伝えしていきます。一緒に勉強していきましょう(^^)

                                          (文筆:安藤真由子)

※こちらは、期間限定の無料配信記事となります。5月は限定期間として無料で配信いたします。

ここから先は

0字
毎週月・水・金曜日の12時に更新!このippoマガジンでは、科学的な根拠のあるMIURA流のトレーニング方法についても発信していきます。月に5本以上気になる記事があればマガジンの方がお得です!

ミウラ・ドルフィンズでは鹿屋体育大学の山本正嘉教授をはじめ三浦雄一郎・豪太親子とともに、より快適に、より安全な登山を行うためのデータを測定…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?