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2014年1月11日日経新聞夕刊に掲載されたものです。 ニセコアンヌプリの頂上は激しい吹雪だった。しかし、山頂まで歩いてきたおかげで体は適度に温かい。最近のバックカントリースキー(スキー場管轄外)関連製品の開発は目覚ましく、こうした登攀(とうはん)もほとんどストレスを感じさせないように工夫がされている。 バックカントリースキー用のバックパックにはコンパクトにレスキューに必要なシャベルやゾンデ棒(雪下捜索用棒)、シール(雪上歩行用テープ)が収まり、小さいながら登攀時にはス
2014年1月4日日経新聞夕刊に掲載されたものです。 今年もスキーシーズンが始まった。我がサッポロテイネスキー場はシーズン序盤こそ雪が少なかったが、年末に立て続けにやってきた低気圧によって各コースが開かれた。 僕は毎年ここで本州、九州、四国からの子供たちを連れてスキーキャンプを行っている。毎年参加してレベルを上げる子供たちもいるのだが、初めて雪を見るような子供も参加する。 そんな彼らの最後のイベントとして、すべてのクループを引き連れて「北壁コース」を滑り降りることが
2013年12月28日日経新聞夕刊に掲載されたものです。 2013年も残すところあと3日となった。元旦恒例の初詣で、札幌の手稲山山頂にある手稲神社に行く予定だ。毎年のことなのに、今年の参拝は決して心穏やかではいられなかった。 春にエベレストに出発するのだが、13年が明けたこの日、父雄一郎の不整脈は収まっておらず、エベレストに向けて万全の体制とは言い難かった。加えて、妻も身重で予定では子供は僕が遠征に行っている間に生まれる。手稲神社の神前でいつもより長く手を合わせていたの
2013年12月7日日経新聞夕刊に掲載されたものです。 1カ月前、谷川岳に登っていると、ナナカマドの実が見事に色づいていた。 以前、母からナナカマドの実が紅色になり、房が大きいとその年は大雪になるといわれたことがある。厳しい冬の到来を予感した。 僕はスキーヤーという職業柄、秋も終わりになると、その年にどれくらい雪が降るのかというのが気になる。個人的に「暑い夏の年は雪が多い」と信じている。こうした言い伝えは地方にもたくさんある。 長野では「猿が早く里に下りる年は冬が