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もうひとりの大切な子。

先週末からモヤモヤとしていることがある。どう伝えてよいのか分からず、また誰かに話したからと言ってどうにかなるものでもないので、毎晩のように夫と話して「モヤモヤ」をどう消化しようか摸索している感じ。

言葉にして書き出したら少しは消化できるかも?自分の気持ちが整理できるかも・・・?と期待して、今、noteを開いてみた。

我が子には2年弱くらい良く知っている同級生の子がいる。今の場所に引っ越してきて、よく遊びに来るようになったので「親御さんと連絡先の交換がしたい」と思って、私の連絡先を書いたメモをその子に渡したら、何日かたって親御からメモが届いた。彼は片親家庭に育っていて、親一人子一人という境遇だった。毎日、親の帰りが遅く帰宅しても独りぼっちで淋しいので我が家へ来ているようだった。

彼は最初の頃は、もう1人の親は死んじゃったと言っていたけど、途中から「喧嘩ばっかりしてるから別れた」に説明が変わった。死別なのか離婚なのか、兄弟の数や祖父母の居住地域など、彼が話してくれることについては理解していたけど、その内容が時々変わったのでどの情報が正確でどの情報が作り話なのかはよく分かっていなかった。(あまり何度も聞くのも悪いなと思って、その都度、彼が話すことを聞いていた)

1年半くらい前かな、彼が暗くなっても帰宅しておらず我が家に警察が来たことがあった。ちょうどこの日は我が家で遊んでいて5時過ぎに帰宅した(と私は思っていた)はずが、7時過ぎに親御さんが帰宅したら不在で近所を捜しまわっても見つからず警察に通報したらしかった。少し早い時間に親御さんから私にも連絡があったが、その後見つかったと思い込んでいたら、まさか警察が来て「まだ見つかっていなくて」という。他所の子ながら心配で吐き気がした。 結局、9時半過ぎに無事に見つかって事故でも事件でもなんでもなかったのだけど、生きた心地のしない時間だった。

この時、悩んで悩んで悩んだ末。数日後、彼の親御さんに電話をした。

電話の内容は『親御さんが仕事で暗くなってからしか帰宅をしないのであれば、その時間まで我が家にいてほしいこと、そしてお迎えに来て欲しいこと。暗くなってから一人ぼっちの家に帰すのは忍びないこと。うちは迷惑でもなんでもないこと。頼ってもらっていいこと。息子と同じ年の子が一人で心細く留守番をしているのは心が痛むこと。』などなど。親御さんは泣いて私の話を聞いてくれた。私も電話口で泣きながら話をした。

この電話以来、彼が我が家で過ごす時間がぐっと増えた。彼の親御さんと私とのメッセのやりとりもぐっと頻繁になった。「6時頃、帰宅できますので帰してください」という日もあれば、「7時半過ぎのお迎えになってしまいそうです」という日もあれば、「すみません、9時近くになってしまいそうです」という日もある。逆に「4時には退社できそうなので5時前にはお迎え行けます!」という日もある。そして、休日出勤の日は、前もって「明日、1日お願いできますか?」と連絡が入るようになった。(予定があって断ることもあったし、近場でプールや公園に行くような日は一緒に連れて行った)平日は基本、暗くなる前に帰宅(私が仕事から帰る頃にはすでに彼はいないので、私も彼の姿を見ないことが多い)週末は、月平均3~6日くらいを終日我が家で過ごしたと思う。終日を過ごすときは「お弁当を持たせます」と親御さんから提案があったけど断った。だって、どうせうちの子どもたちのランチを作るんだもう、もう一人分ぐらい増えたってどうってことないし子どもたちも同じものを食べるほうが喜ぶ。夕飯も何度も我が家で食べたし、遠慮なく「おかわり~」とよく食べる彼をとてもかわいいなって思ってる。そして遠慮なく躊躇することなく注意しなくちゃいけないことはきちんと伝えてきた。

…とまぁ、こんな感じですごく親しくしていた彼が、少し前に「●●へ行ってくる」と報告してきた。その報告で初めて彼のご両親が死別ではなく離婚であったことが分かった。そしてもう1人の親御さんとの交流が今でもあることを初めて聞いたセリフだった。2年弱の付き合いの中で彼のご両親が死別なのかどうかも分かっていなかった私にとって、もう片方の親御さんと交流があると言う事実にとても驚いた。●●は決して近い場所ではなく、泊まりがけで行ってくるという。親御さんと一緒に行ってくると嬉しそうだった彼の表情がとても印象に残っている。

●●へ行ってから暫くして我が家へ来たときは、「もう1人の親さんとお団子食べたよ」と嬉しそうに報告してくれた。距離的になかなか会えないだろうけど、これからも交流があるといいな〜って、他人が余計なお世話ながらに思ってた。

そして最近になって彼が「あとXX日で●●に引っ越すことになった。もう1人の親さんと一緒に暮らす」って。これがまたいつもの彼の作り話なのか真実なのかどうか判断できなかったんだけど、結果として事実だということが判明した。あまり嬉しそうじゃないなって思ったんだけど、深く聞くこともできずにいたら先日、彼が「親にはぼくが言ったって内緒だよ。僕ねお兄ちゃんになるんだ。親にあかちゃんができたの。でもあかちゃんとは一緒にすめないから、●●へ行って、もう1人の親と住むの」って・・・・。(この話もどこまで信じてよいか分からなかったんだけど、同じ日に親御さんからも報告を受けた)

誰も私の想いは聞いていない。私の意見は彼らには関係がない。他人の家庭のことだってことは重々承知している。でもねモヤモヤしてる。勝手にモヤモヤしている自分にイライラもしてる。

これまで彼の親御さんと接してきて、親御さんが彼のことをとても大事に思っている気持ちは嘘じゃないと思っているし、いろんな状況の中で、彼のこれからのことを思って最善の選択肢がこれだったんだろうなって思う。それでも、それでも、私はひとり勝手にモヤモヤしてる。

子どもとは言え、いろんなことが理解できる。いろんなことが理解できるからこそ、いろんなことを考えるんじゃないかな。あれこれと考えた内容を受け止められるのかな。

近所のお節介なおばちゃんとして、モヤモヤが止まらない。

心配でたまらない。(←彼の親御さんからしたらホントに余計なお世話だと思う)

彼の不幸を望んでいる人は誰もいない。親御さんも、これから彼を受け入れるもう1人の親御さんもきっとこの選択が彼にとって最善だと納得したからこその引っ越しなんだと思う。(と言い聞かせてみる)


と、ここまで書いたのがもう1月以上も前。書いたけれど、モヤモヤしているのでUP出来ずにいた。

昨日、彼と最後のお別れをした。1日我が家で過ごして、お昼も夕飯もうちで食べて、夜8時過ぎにお父さんがお迎えに来た。「また待ってるね」という代わりに「元気でね」と声を掛けた。「おばちゃん、ぎゅううってしてもいい?」と了承を得た上で彼のことをぎゅううううっと抱きしめた。涙がポロポロと出た。それを見た、彼親さんも涙を流して「これまで本当にありがとうございました」と挨拶をして下さった。

私よりも一回り以上も若いこの彼親さんと、この2年弱で何度涙を流して話しをしてきたかを振り返って、さらに涙が出た。彼親の辛さを思うともっと涙が出た。(彼親も息子と離れて暮らすので…)

近所とはいえ「ただの息子の友人」と言うには、長くて濃い時間を過ごしてきたので、いろいろと想うことがある、言い過ぎではなく大切な子だから。

子は宝。どの子もかわいい。どの子も愛しい。

この先の彼の人生がしあわせなものでありますようにと心から想う。

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