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大森入り口の畑|小さな森のような畑観察日記2021.10.28

スズキくんの畑は主に4ヶ所ある。イエノトナリ畑、大森入り口の畑、加藤家裏の畑、そして三瓶のブルーベリー畑だ。先日大森入り口の畑を少し案内してもらったのでご紹介しよう。

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大森入り口の畑はその名の通り大森町に入る入り口に位置する。もともと田んぼで約27アールあり、スズキファームズでも最も大きい畑である。

イエノトナリ畑もそうだが、例によって田んぼだった土地は水はけが悪く、畑地として利用しづらい面がある。しっかり排水する溝掘りなどはもちろん、土自体を適した状態にしていく作業が不可欠である。

スズキくんはそこに大量の刈り草や落ち葉などの有機物を撒き、微生物を増やしながらソルゴーや麦などの根が深く張る作物を育てて土の中に空気や水の通り道を作った。

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その結果、3枚ある畑のうち特に一番入り口側の1枚が最もうまく土壌の団粒化が進んだとのこと。

土壌の団粒化とは、ミミズのフンや微生物の粘液、菌糸などの働きで小さな団子状の土の塊ができること。これが進むと土壌の水捌けと水持ちが改善し、空気の層ができて根が張りやすくなる。

また、空気の層は微生物が活動するために必要な酸素も供給するので、深い場所でも微生物が活動でき、肥料がなくても微生物の分解した有機物や微生物自身の死骸などにより栄養分が保たれる。

畑にあった土の塊を見ると生き物が通った後の穴が残っているのも確認できたが、これも空気の通り道になって、いい土壌づくりを助けるのだという。

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この畑には糸状菌も菌糸を張り巡らせており、土を注意深く観察すると白いクモの糸のような菌糸を見ることができた。

スズキくん「糸状菌は嫌われることもあるんだけど、有機物をバラして炭素分を増やすだけでなく、作物の根の代わりになって栄養分を運んでくることもあるんですよ〜」

初めて聞く話だけどすごく面白い!

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町並み側の2枚の畑は1枚目とは少し違う「褐色森林土」という土壌らしい。日本全国の山間地や丘陵地に広く分布する土壌だそうだ。

「土質のランクとしては低いが、昨年はここで麦がたくさんできたので大森では比較的優秀な土質と言っていいかもしれない」とスズキくん。

それぞれの畑のこれからが楽しみになったが、一つひとつ性格も違う畑を管理していくのも大変だな、などと思いながら一通り見せてもらった。

実は今年は豪雨でこれらの畑がほぼ水没してしまい、大量の土砂が流入してスズキくんが頑張って掘った水路も埋まってしまった。現在まだ復旧の最中だが、今度は重機を入れてもう土砂や水害の心配のない水路を築くのだと息巻いていた。がんばれスズキくん!!