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幸せなお産とは

娘を出産して半年が過ぎました。

「助産院どうだった?」と久しぶりに聞かれた時に「すごく幸せなお産だった」とスッと自分の口から出たことに驚きました。
けど、「何が幸せだったの?」と聞かれてすぐに答えられなかった。

それから数日、何が幸せだったんだろう、もう一度あの助産院で産みたいと思える理由はなんなのだろうとぼんやり考えているうちに、なんとなく答えがまとまった気がした。

「安心感」「信頼関係」「独りじゃない」

キーワードにするなら、こんなところだろうか。

一人目の出産は、実家の近くの産婦人科

夫婦で産婦人科医。近所でも人気で、きれいで、何よりご飯が美味しいところでここでも十分なくらい快適な産前産後を過ごした。
体重増加にすごく厳しく、毎回の検診がボクサーの計量のごとく水さえ飲まずに行ったことがあったということを除けば…(笑)

ただ、いざ出産の時は今思えばなんだか独りで頑張っているような、そんな感じだったのだろう。

21時過ぎに産院につくと陣痛室へ通された。初めて見る助産師さん。夫と二人で、ただベッドがあるだけの部屋で痛みに耐えながらその時が来るのを待つ。ナースコールをすると助産師さんが来てくれるものの、「まだだねー」とすぐにいなくなってしまう。初産でゴールがわからないわたしにとっては、ただそこにいてくれるだけで安心できるのにそうもいかなかった。
分娩台に上がり、いざ産まれるという時に先生がやってきた。見たことのないおじさんだ。夜間だったのでどちらも当直担当だったのだろう。がっかりする間もなく、右後方にいる夫に手を握ってもらいながら超安産で私の初出産は終わった。生まれたと同時に、あと処置のために夫は部屋の外へ。赤子は測定やらなんやらでわたしは分娩台の上で孤独だった。

結局、その後の4日間の入院中も出産に立ち会ってくれた先生や助産師さんに会うことは一度もなかった

間違いない、これだ。
だけど、それに気づいたのは今回助産院での出産を経験したからだと思う。

2年後、助産院での出産を選択

助産院はというと、毎回の検診を橋本さんという助産師さんが。そして、検診の後にはイトオテルミーといってお香のようなものを金具に入れて身体にあて温めるケアを院長の柳橋さんがやってくれていた。
1時間の検診を、約10回。他愛もない話をたくさんした。1歳児を連れて行けばおもちゃを出してくれたり相手をしてくれたり、すぐに名前も覚えてくれて我が子の成長を共に喜んでくれた。親身に相談にも乗ってくれるので、早い段階から信頼関係が築き上げられ、すっかり毎回の検診が楽しみになった。
母親学級では、当日サポートに入ってくださるもう一人の助産師浅野さんも挨拶と説明をしてくれた。入院中の食事も体験として食べることができたし、栄養士の寺本さんとも顔を合わせてお話しすることができた。

そしていざ迎えた出産当日

私が助産院に向かったのは朝4時。
連絡してから1時間後だったけど、ばっちり支度された部屋で柳橋さんと浅野さんが迎えてくれた。
7時半を過ぎると子どもを学校に送った橋本さんもやってきて、安心感が増した。

なかなか陣痛が進まず階段の上り下りやスクワットをしている間も、部屋でゴロゴロしている間も、必ず誰かがついていてくれた

朝4時からずっと温かい表情でその時を待ってくれていた安心感。何時間も陣痛の波に合わせて腰をさすってくれる手の優しさ
いざお産となった時にはプロの手つきで私のケアと、赤ちゃんのケアと、上の子にも声をかけてくれた。

薄暗い部屋の中、夫と、息子と、信頼のある助産師チームと、実家から来てくれた母と、7人で挑んだ出産だった。

無事に出産を終え一度も独りになることはなく2時間横になり、座れる頃になると寺本さんが作ってくれたおじやが運ばれてきた。その身体に染み渡る美味しさと優しさに、なんだかお産に対する満足度がグンと上がった気がした。

入院中も、柳橋さんは帰ることなく朝から晩まで近くにいてくれた。朝は私や赤ちゃんのチェックを行い、食事の配膳や話し相手まで、程よい距離感で接してくれたのがとても心地よかった。寺本さんの作る食事は身体に優しく美味しくて(おかげで産後から快便すぎて驚いた笑)、お掃除に来てくれる宮野さんもとっても明るくて毎日部屋をきれいにしてくれて、みんなが家族みたいだった。

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入院中に、柳橋さんは「いいお産は人生観変えるからね〜」と、さらっとすごいことを言っていた。そして、「どうやったら助産院で産む人が増えるかなぁ」とも、悩んでいた。

私に何か恩返しができるとするならば、"助産院"という存在を知ってもらうことと、"助産院でのお産"を広めることくらいだろう。

信頼できる人たちと共に迎えるお産がこんなに幸せなことだと知らなかった。
きっと、気づけないまま人生を終える人も多いだろう。

もし、お産の場所を悩んでいて助産院も候補に入っているのであれば、ぜひいくつか見学に行ってみてほしい
自然派だとか、危険だとか、色々気になるところもあるかもしれないけれど、妊婦の直感って結構バカにできないと思うので、信じて、そして、ちゃんと調べてリスクも知った上で"助産院でのお産"を選択していただきたいと思います。もちろん、選びたくても選べない人もいるし、むやみやたら全員に勧めるわけではないです。わたしは、ケツのデカさから中学時代から安産型と言われてましたしね…実際に、危険なことをやっている助産院もあるみたいだし、疑いの気持ちから入っていいくらいかも。笑

せっかくなので、どうするか悩んでいたお産の時の動画をアップすることにしました

妊娠中、人のお産を見てわたしも涙を流していました。妊娠することも、お腹の中で育つことも、生まれてくることも、そのあと呼吸をして生きていくことも、奇跡の連続。気になる方だけ、見てみてください。結構、野生的な声出てます。そんな動画上げる意味がわからないとか、不快だとか思う人は、見ない方がお互いのためです。わたしも、これ載せるのはかなり悩んだので…悪口言われたら泣いちゃう。ぴえん。(豆腐メンタル)

ちなみに、わたしはテルミーとかキャベツ湿布、未だに胡散臭いな〜と、思ったりしています。キャベツ湿布以外は散々やってもらったけど笑

このお産で人生観変わったよな〜、と感じる今日この頃でした。
はぁ、お金があればもう一人でも二人でも、産み育てたいよ〜〜〜〜
(余談ですが一人目の時は20万円以上、二人目の時は10万円以下の自己負担でした)


New born photo by https://www.richvoh.com/

サポートいただけたらちょっと贅沢なおいしいものを食べたいです。えへへ。