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歪んだ永遠の「愛」 『黒執事Ⅱ エピソード12 黒執事』~感想日記~

『黒執事Ⅱ エピソード12 黒執事』

あらすじ&結末(ネタバレ)

ハンナ、クロード、セバスチャンはアロイスの魂を宿したシエルと共に「死の島」へ訪れた。ハンナはそこで悪魔の剣を取り出し、クロードとセバスチャンに決闘を命じる。激闘のすえ、セバスチャンがクロードの留めの一撃を食らわせる。「シエルの魂を巡ってこのような結末を迎えるとは」と話すクロードに、「これはアロイスの思惑であり、お前は最初から最後までアロイスの管理下にあったのだ」と返すセバスチャン。そこではっとしたクロードは「悪魔としての永い年月にこのような波紋を起こされるとは、アロイスの魂を食らうのも悪くはなかったかもしれない」と言い残す。アロイスの魂はハンナの腹の中へ。そしてハンナは「クロードが旦那様を認めた……」と涙を流す。シエルを取り戻そうとやって来たセバスチャンに対しハンナは「シエルはお前にとって死人も同然」と言いシエルと共に海へ身を投げる。ハンナはその後、クロードの亡骸へ寄り添う。ハンナの体内でルカと再会したアロイスは「これでもう寂しくない!みんな、幸せだ!」と叫ぶのだった。
 海へ落ちたはずのシエルは、ファントム邸でいつものように目覚める。しかしその瞳は赤く染まっているのだった。シエルが久しぶりにエリザベスとのダンスを楽しんでいる間、セバスチャンはロンドンの知り合いに挨拶周りを行う。使用人たちに別れを告げ、シエルとセバスチャンはファントム邸を後にしたのだった。
 どこかへ向かう馬車の中、シエルはハンナとアロイスの契約により悪魔として蘇ったことが明かされる。シエルの魂を食らうことができなくなったセバスチャンは浮かない表情をしているが、薔薇迷宮でシエルから「永遠に執事であること」を命令されそれに返事をしてしまったため、悪魔の執事として仕えることになったのだった。

感想

オーマイガー。なんてこった。こんな展開あるの?!最高すぎるんですけど。

二期のテーマは「歪んだ永遠の愛」って感じでしたね。シエルは悪魔であるセバスチャンの性質を理解しているしもともと誰かと馴れ合うタイプでもないから、一期はただただお上品に、気品高く黒々しい悪魔との日常が描かれていた感があってそれはそれですっごくお洒落で痺れたわけですが。二期で登場したアロイスは、愛に飢えた少年。悪魔だろうとなんだろうと愛を求め、そして手に入らず暴走するようなかわいこちゃん。そんな彼が盤面を引っ掻き回してくれたおかげで、とんでもない結末を迎えることになりましたね。クロードがアロイスを殺した時は本当に辛かったですが……最後にはルカとの再会を果たし、ハンナとクロードと共に「幸せだ!」と言ってくれたアロイス。おかげでオタクの命が助かりました。
そうして「愛」に異常なまでの執着を見せたアロイスによって、シエルとセバスチャンはなんと永遠に主従関係を結ぶことになった。これが、すごく面白いですね。最初は、セバスチャンを仇と思っていたからこそ彼からシエルを奪おうとしていたアロイスですが、最後はハンナの告白によってそうではないと知っていたはず。なので、彼がなぜシエルを悪魔として蘇らせることを選んだのかは謎が残るところです。単にセバスチャンが気に食わないから、その嫌がらせのためなのか?もし、クロードが勝ったとしても、彼がシエルの魂の味を味わうことができないようにしたかったのか?

ところで、一期ではセバスチャンしか悪魔がいなかったので「悪魔って愛とか抱くのかしら?」というのは謎なままでしたが、二期で登場した悪魔、ハンナははっきりと「ルカに対して愛おしさを抱いた」と語っており、その後の彼女の言動を見るとアロイスとルカを思う気持ちは確かなようでした。「君はセバスチャンにもクロードにも愛されている」と話すアロイスに対しシエルは「セバスチャンが愛を抱くなどあり得ない」的なことを言っていましたが、そこんところどうなんでしょうか。まあ、「見返りを求めるからミカエリス」と言っていたように、一期で契約が済んだら迷わずシエルの魂を食らおうとしていたセバスチャンです。坊ちゃんが悪魔になったと知ってからのあのしょんぼりとした顔(かわいい)になるのも無理はない。ちょっと気の毒ですらあります。長年大事に育てておいたご馳走が急に消えてしまったわけですからね。そう、今や、シエルはセバスチャンにとって食糧ではなく、純粋にただ自分が仕えるべき主なんですよね……。そう思うと、アロイスくんの果たした功績は大きいですよね?(何)

 シエルが悪魔になったということは、シエルもその、お食事をするってことですよね……?悪魔と、その悪魔の執事。その後二人がどのように過ごしていったのか、想像が膨らんで仕方がありませんね、これは。



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