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美しく愚かな蝶はもう蜘蛛の糸からは逃れられない『黒執事Ⅱ エピソード8 吐露(とろ)執事』~感想日記~

『黒執事Ⅱ エピソード8 吐露(とろ)執事』

あらすじ(ネタバレ)

シエルとの決闘で重症を負ったアロイスは、クロードがシエルの魂に心を奪われていることを察知する。傷が塞がらないまま「シエルの元へ連れていけ」と言いハンナに馬車を走らせるアロイス。
その道中、アロイスの回想では故郷の景色が流れている。その頃の彼は弟と二人、物盗りをして暮らしていた。二人は親が亡くなってから村の者たちに邪魔者扱いされており、「村の奴ら皆死んでしまえばいい」とアロイス(ジム)は願っていた。「これからお前は絶対に俺の傍を離れるな」と言うアロイスに対して弟は跪き「イエス、ユアハイネス」と答えたのだった。二人が村へ出ると川にたくさんの死体が浮いており村は焼け野原になっていた。「俺たちをいじめた奴ら皆死んじゃった」とピースをする二人だったが、アロイスが村に残った財産を集めている間に弟も死んでしまっていた。その後アロイスはトランシー家の奴隷となり、そこで「願いを叶える妖精」の噂を耳にし、噂通りに森の中で呪文を唱えたアロイスは蜘蛛の姿をした悪魔(クロード)と出会う。その後クロードから「村を焼き弟を殺したのはセバスチャンという悪魔で、今はシエルという契約者にとても執着している」という情報を得たアロイスはシエルを手に入れることを目的に定め動き始めたのだった。
アロイスを乗せた馬車は突然の倒木により急停止し、そこにグレルが登場。「ジム・マッケン(アロイス)は死ぬ予定になっているが、魂が複雑なことになっている」と話すグレルに襲い掛かるハンナ。二人が戦闘している間にそこから逃げるアロイスだったが、腹を空かせた狼に狙われてしまう。あと一歩のところでクロードが狼を仕留め、「俺にはもうお前しかいない」と涙を流すアロイス。「お前こそが俺のハイネス……」と言うアロイスに対しクロードは「執事ごときにそんなことを言うなんて食欲が湧かない」とアロイスを殺し、「しかしこの魂には利用価値がある」と指輪をポケットにしまうのであった。

感想

アロイス……。いや、ジム・マッケン……。幼い頃から悪意にさらされ、たった一人の大切な弟も失って、復讐のために名前も変えてエロ爺相手に演技もして、最期は信頼してた悪魔に殺されて……。壮絶すぎるし不憫すぎるよ……。
家族を殺され自身の尊厳を犯されたその復讐のため悪魔と契約している点はシエルもアロイスも変わらないんだけど、アロイスはシエルに比べて精神の不安定さが際立つ。最期の最期には悪魔のクロードに対して「俺にはお前しかいない」なんて言ってしまうほど孤独を恐れていたアロイス。弟を亡くした時も「一人にしないで」と泣き叫んでいた。
シエルが孤独を恐れる描写はこれまでないような気がするけど、それは周りにあたたかい人物がたくさんいるからかもしれない。許嫁のエリザベス、使用人たち、ソーマやアグニたち。いつもドタバタ騒がしいファントム家と比べると、トランシー家はいつも静かだった。
まあ、シエルとアロイスの共通点と相違点は、アロイスの生い立ちがぼんやりしているからまだなんとも言えないけれど。

クロードはシエルに心を奪われてしまったようだけど、アロイスの今後の展開の鍵になりそうなのはハンナ。今回のエピソードで彼女も悪魔だということがはっきりしたけど、アロイスとの関係(契約があるのかどうか)がまだ分からないしラストも意味深でしたので、彼女がアロイスをどうにか救ってくれることに期待したいと思います。アロイス、これで終わる男じゃないよね……?


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