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小さな旅・思い立つ旅 箕面山〜大山崎篇

エッジエフェクト

波打ち際や汽水湖など、海−陸や淡水−海水が混ざり合う場所は、非常に複雑で豊かな生態系が生まれ、多種多様な生物が共生しているようで。
そのような2つの異なる世界が溶け合う結果として、互いに他を補うような、中間的で動的な環境が出現することをエッジエフェクトというとのこと。

話は変わって建築に目を移すと、建築と土木のあいだを書いた内藤廣の「建土築木」だったり、高橋寿太郎の「建築と不動産のあいだ」だったり、丹下健三の「建築と都市」だったり、いろんな「あいだ」について述べられた本がたくさんある。

ということは、生態学だけでなく、建築や都市計画的にもエッジエフェクトは重要ということなのでしょう。

箕面山〜大山崎

航空写真でみるとよくわかると思うんだけど、箕面山〜大山崎は阪神都市圏のちょうど際に位置するところ。

特に桂川・宇治川・木津川の3つの川が合流して淀川になる大山崎は、丘陵地が平野に迫る特異な場所であり、見所が盛りだくさん。
千利休の現存する唯一の茶室「待庵」に、サントリーの山崎蒸留所に、アサヒビールの大山崎山荘美術館に、戦前の環境実験住宅「聴竹居」。
水と空気が綺麗で、都市圏にも近い場所だけあり、お茶とお酒と山荘と住宅が集積するのでしょう。これもエッジエフェクトのなせる技?

と、いうことで箕面山〜大山崎を巡るエッジエフェクトの旅。


勝尾寺

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自宅近所で初日の出を見て、その足でちょっとドライブがてら勝尾寺まで初詣に行くのが毎年恒例の行事になっているほど、愛着のある場所。
傾斜地の境内をのんびり散策しながら、辺り一面に広がるだるまの風景を眺めるのがいいかと。


縄文茶房まだま村

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こんなところに竪穴式住居が?と不思議に思うけど、とても雰囲気のあるいいところ。外から見るより、内部がとっても広く感じるのは、かなり地面を掘っているからで、冬は室内に4〜5台ストープがあってちょうどいい暖かさ。
しばらくカフェは休業のようだけど、また早く再開してほしいなぁと。


the Farm UNIVERSAL

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できた当初は誰にも知られていなくて、隠れた穴場だったけど、あっという間に全国的に有名になってしまった園芸屋さん。
植物園のような木々に値札がついていて、これ〇〇百万円もするの〜と驚いて見たり、広場で遊んでみたり、カフェでくつろいでみたり、、
植物の値段でこれだけ楽しめるんだから、水族館の魚に値札がついていたら、それはそれで新たな楽しみ方が増えるんじゃないかなぁと思ったりしてみたり。。


キッチンスヌーグ

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山小屋のような佇まいのレストランの中には、広いひとつの空間にテーブル席が数席だけ。
窓の位置に合わせてテーブルが配置され、ゆっくり食事をしながら外の風景を眺めることのできる設え。建築とインテリアの心地いい関係。


大山崎山荘美術館

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古い建物も安藤さんの増築部分もいいんだけど、やっぱり駅から美術館まで歩く坂道がここの1番の良さかと。
天気のいい日に遠足気分で山道を登りながら山荘を目指す。大山崎を堪能するにはこれがいい。


妙喜庵待庵

妙喜庵待庵

日本最古の茶室。千利休の茶室。もちろん国宝の茶室。
1ヶ月前までに往復葉書で予約が必要で、現地に行ってもにじり口から眺めるだけで室内は立ち入り禁止、撮影ももちろん禁止で、さらには高校生以下はそもそも参拝不可というハードルの高さ。。
それでも一度は行ってみる価値のあるところ。


聴竹居

聴竹居

昭和の住宅で初めての重要文化財。
ピエト・モンドリアンの抽象絵画のような構成美と日本の住宅の素材が組み合わさった美しさ。床座と椅子座の部屋がゆるやかにつながるワンルームは単なる和でもなく、洋館のようなつくりでもない。
不思議なんだけどとても落ち着く住まい。こんな別宅で過ごしてみたいなぁと思ったり。

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サントリー山崎蒸留所

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酒造やワイナリーや蒸溜所ってやっぱり旅の目的地としては最高だなぁといつも思ってしまう。綺麗な水と綺麗な空気と心地いい環境。そしてただ山奥の自然だけがある場所でもなく、人の営みが垣間見れる場所。
一次産業と二次産業と三次産業が重なる、つくり手の見える場所。そんなところにこれからもたくさん訪れていきたい。


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