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ポジティブでもなく、ネガティヴでもなく、自由に行こう

やっとやっと、心の中の「コロナ騒ぎ」が終息しつつある。私の感覚って世間ずれしているのかな、と自覚するにもいい機会だった。今回のこのコロナショックは、世間にとっては社会のあり方や構造、それらの悪い部分をあぶり出したことも事実であり、ある意味私にとっても、自分の内面にある膿をだすキッカケにもなった。自分の嫌な性格をモロに感じれて、見つめ直す期間にもなったような気がする。

生活に関すること、仕事のやり方においても、この数ヶ月間と言う短い期間だけで、周りは、周りの人たちは、劇的に変わった。環境に合わせてどう対応するかに必死になっていて、かなり疲弊した。のは前回のおはなし。

頭ばかりが必死に動いて、心を置いて来た。事務的なことを戦略的にこなしている時の自分も嫌いではない。だが、直感的に行動に移すこと・・・心に従うことができていない時、私は腐る。しばらく死んでいた。


こんな状況の中で、私の状態がどうであれ、実店舗にはちらほらと訪ねて来てくれる方がいた。それが本当によかったと思う。やっぱり、人間は人間に合わないとだめだ。特に、私自身は、そう。もちろん、オンラインでの仕事はやっていきたいし、楽しさも感じる。でも、私の日常の温度はそこにはない。ネットの中にはない。心は、自分のリアルは、肉体は、今ここにある。

生身の人間の影響はでかい。たくさんの人が、パワーを分けてくれた。カフェが存続危機だと知って、応援したいとテクアウトを買ってくれたり、わざわざ会いに来てくれたりした。自分自身は、ちょっとヤケを起こして、「店をやりたい人に、カフェを売ろう」とまで考えていたが、「また、この店にいるMIUさんに会いにきたい」と言ってくださる方もいて、思い直した。自分が思っているより、自分が作ったこの場所は、多くの人の日常を支えているのだと知る機会になった。なんとありがたいことだろうと思った。そして、その事実に、支えられている私がいる。

そして、今。

現実的に、カフェをどうしたいのかと言うと。

結論から言うと、「自分のために、今は続けたい」だ。

経済的に、目に見えて追い込まれると、人はこんなにも不安と恐怖に襲われるのだと知った。今まで、Café de Lien*(自分のカフェ)で利益が出ているのかと言われたら、実は全然出ていなかったけれども、だからこそ、今回のコロナの影響で、たくさんの個人経営の飲食店がかなりの窮地に追い込まれていると聞いた時も、最初のうちは、実はそこまで実感が持てなかった。が、世間がざわつき初めて、1、2ヶ月してようやく

「・・・これは、やばいかもしれん。」

と、やっと感じた。今まで、数々の「まじでやばい!」を経験して来たつもりだった。だから、きっと私は大丈夫さ!と心のどこかで思っていた。が、目に見えてのこの経済的危機は、その基準を、計点を軽く超えていくほど「まじでやば」かった。いい経験になった。


カフェが経済的に、本当にやばい!と思った時に、打った策として、「プレミアム会員券」と言うのを発行することにした。巷では、コロナ終息後に使えるお食事券を、先に売ると言う手もあると聞いたのだが、自分的にはあまり気が乗らなかった。もし、外出できるようになって、お店に直接来てもらえたとしても、その時提供したサービスの売り上げがないと言うことになるし、第一、安定して同じメニューの仕入れが、その時できると言う確証はない。あまりにも、不確定要素が多すぎて、自分自身でやりたいこととは違うなと思った。
この会員券は、今回のことでテレワークなどが増えた現状にも、カフェをコワーキングとして使ってもらえるよう、Wi-Fi使い放題、コーヒーなどのおかわり自由などがついている。(その他のサービスもある)
ただ、なぜこの形での応援を募ろうかと思ったのかというと、私が第一に思うのは、
『この窮地に手を差し伸べてくれた人に、むちゃくちゃ手厚く恩返しする』
ことだ。

みんな、自分が気分のいい時、調子のいい時に、他人を気遣うことはできる。だが、しんどい時、本当にやばい時にも、自然にポンと何かを渡せる人って、本当にすごいと思う。オブラートに包まずいうと、人のために、お金を使える人。すごいと思う。今回、私には、その余裕がなかったのだけれど。

カフェの会員券を買ってくれたい人に共通しているのは、「この場所がなくなったら、私が困るので」と言ってくれたことだ。自分が直感的に何かをしたいと思うことが、回り回って誰かのためになる、私自身の信条にしていることでもある。時々、自分に言い聞かせながら生きてるので、実際に行動している人を客観的に見ると、心の底から(大げさだけど)すげぇ!となって浄化されるような気持ちになる。

やっぱりみんな、人間だから、人に何かする時に見返りを期待する気持ちが、ゼロになることはなかなか難しいけれども(私もそう)純粋に、「うわぁ、やりたい!」とただただ思ったことで、誰かを救う、みたいなことが社会に循環したら、素敵だと思う。だからこそ、気持ちが整理された今、見返りなく何かを「自分のために」差し出せる人と、強く繋がりたいと思った。


SNSを見ていると、色々な価値観に出会う。本当に人それぞれだなぁ・・・と、このコロナ騒ぎでさらに思うようになった。頑張ってる人、頑張ろうと呼びかける人、他人とのつながりを強調する人・・・割とキラキラしてる人たちを目にすると、自分にはないものを見てると思うのだろう、心がチクチクする。

が、今朝、そのSNSで見たある人の一言が、すごく心に入って、共感できた。今日の最後はこの言葉で締めたい。

「ポジティブでもなく、ネガティヴでもなく、自由に行こう。」


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