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18.「幸せの国デンマーク」で考えたこと色々

デンマークで暮らしてると「あなたの幸せは何?」とか「私は○○が幸せなの」とかやたら「幸せ」について聞かれます。

幸せなんて日常で考えたことない…。歌詞に乗ってるのくらいでしかみないし、カラオケとか結婚式でしかなかなか聞かないんだけどその単語…。

デンマークは国連が発表する世界幸福度報告(*)のトップ3に数年ランクインしており、最近メディアでよく取り上げられているみたいですね。今回はいい機会なので「幸せ」について改めて考えて言語化してみました。

(*)幸福度報告は社会福祉や幸福実感度、政治腐敗度などから算出しているしている『幸せ』についての一つの指標。

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「しあわせの国」って安易に行こうとしたら魔王の神殿に連れてかれて生贄にされる怖いところ(ゲーム脳)かと思ってたけど、高福祉社会が整ってて国民ひとりひとりが幸せについての意識が高いから、デンマークは幸せの国(怖くないよ)って報道されているみたいです。

確かに学費が無料だと、途中で自分に向いてないって感じたら方向転換しやすいし、転職もしやすかったり(高い学費払ったからって必要以上に頑張りすぎなくて良い)、老後や医療やらに不安抱えなくて良いのかな。

一方で学生の意識が低かったり、高年収の人ほど負担率高くて完全に平等ではなかったり、外国人にどこまで福祉を拡大させるかとか、問題は色々あるみたいです。が、経済成長と社会福祉システムを両立させられるのは単純にすごいなって思います。

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幸せって、「何が自分にとって幸せか」っていう定義が分かれば実感できるものだと思うんですよね。例えば、「家族と過ごす時間が幸せ」とか、「自然の中でコーヒーを飲んでる時間が幸せ」ていう定義をする(もしくは気づく)と、幸せになるために何をすれば良いかわかるから、それを実行することができて幸せを感じられる。

これがわからないと、幸せになるってどうしたら良いのか難しいんだろうな。

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また、幸せも「絶対的指標」と「相対的指標」があって、これのバランスがうまく撮れないと幸せになるのが難しそう。

日本人は幸せに対するハードルがやや高かったり、他人と比べることで自尊心を満足させて幸せを感じる「相対的指標」が多いから(悪いことではないし競争することで成長することもあるけど)、幸せになる能力が比較的低めなのかもしれないっていうイメージ。そもそも私も幸せになりたいって思ったことないかもしれない。

一方で、デンマーク人は幸せになりたいから「何が自分にとって幸せか」を追求して、自分自身の幸せの定義を見つけて、それを実行することで幸せを感じているイメージ。心と時間に余裕もあるし。時間に余裕があるのマジ大事。

デンマークと文化の授業では「寒くて暗い国だから幸せについてよく考えて、実行している」「幸せになるために不安を解消したくて社会福祉が発達した」と言われました。今まで長い年月で国民が幸せについてよく考えて、試行錯誤しながら行き着いたのが今の「幸せの国」なんですかね。

デンマークスタイルでHygge(ヒュッゲ)しまくって『身近なデンマーク人の幸せの感じ方』を真似してみても、物足りなさを感じることがあります。お気に入りのものや人に囲まれてリラックスする独自の文化「Hygge(ヒュッゲ)」。これだけだと自分的には物足りないので、少しは「相対的な幸せの指標」が必要なんだな、と実感。

「幸せの国」とは言っても、欧州イチ外国人政策が厳しいので「デンマークに住む外国人」にとっては幸福度がめちゃ低いっていう調査結果もあるし(参考InterNation)。

デンマークの友人の何人かは「幸せにならないといけないという同調圧力が嫌」とか、「そもそも高い税金払って作り上げているシステムなんだし『幸せ』な部分だけ切り取らないで欲しい」とも言っているし、『幸福度報告』という一つの調査結果のみで『幸せ』というのを測るのもまた無理があるのよね。

「行けば誰でも幸せになれる国」なんて当然ないし、あるとすれば魔王の生贄にされる神殿へのトラップだし(ゲーム脳)。要は自分の中の定義を見つけて、意識を変えて、必要であれば住む環境も変えてみるしかないんだなぁ、という。まぁそりゃそうだよね。わかってたよそんなこと。

とりあえず我々夫婦はアウトドアが好きなので、これを軸に考えていくのが良いかな、という結論。『幸せ』という言葉が少し慣れないので、『楽しいこと、好きなこと』と変換して『実は我慢しなくてもいい嫌なこと』を排除しながら生きていこう。

「自分にとっての幸せっていうのはいつまでも結論は出ないし、ずっと人生で考え続けるものよ」とフォルケの先生も言っていたので、安易に結論づけずに考えていこうかな、と思います。

帰国後は北欧アウトドア事業やアウトドアライターしたりしてましす(外部サイト)。

それでは今日は、この辺で。Vi ses!


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