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本日の猫たち #348

我が家の猫たちは本日も仲良くひなたぼっこをしていました。
写真で和んでいってください。


妹猫(左)と兄猫(右)


くっつかずにはいられない兄妹猫



癖のある寝方の妹猫



お腹をもふったら、蹴り蹴りが待っています


ジャストフィットの先住猫


先住猫をみならってジャストフィットをめざす兄猫



がんばるだけがんばってみる兄猫


「本日の猫たち」とは別のカテゴリを作ったほうがいいのかもしれないですが、飼い主は今日も趣味で翻訳。
(興味ない方は、下の猫の写真までスクロールしてください)

チェーホフの「犬をつれた貴婦人」(Дама с собачкой)を読了。
短編なのでさくっと読めます。

「犬をつれた貴婦人」は、結核を患ったチェーホフが療養のため滞在していたヤルタ(クリミア半島)が舞台です。
ざっくりあらすじをいうと、ヤルタで出会ったモスクワ出身の既婚男性とペテルブルグ生まれの既婚女性(犬をつれた貴婦人)の道ならぬ恋の話(不倫ともいう…)。

感想はさておき。
読んでちょっと驚いたこと。作品内に「日本」が少しだけ顔を出すのです。

У нее в номере было душно, пахло духами, которые она купила в японском магазине.
(拙訳:彼女の部屋(ホテル)は蒸し暑く、彼女が日本の店で買った香水の匂いが漂っていた」)

日本です……。さりげなく書かれていますが、日本という文字が出てきました。

「犬をつれた貴婦人」が書かれたのは、1899年(明治32年)です。帝政ロシアの首都のペテルブルグやモスクワなどの大都市ならまだしも(それでもかなりレアです)、そんな時代に日本の商品を扱う店が……? この文章だけではヤルタの店で買ったと明示しているわけではないので、どこか別の都市の日本の店だろうか。それともどこか外国で入手したのだろうか――。
頭にひっかかったので、調べました。

ВИКИТЕКА(フリー図書館)で検索して発見したのですが、1899年当時、実際にヤルタのナベレジュナヤ通りに日本雑貨店が2軒(デメンチエフA.F.とヤトヴェツS.M.)あったようです。そしてチェーホフ自身、その日本雑貨店で日本製の家具(テーブル、ナイトスタンド)や花瓶を購入。それらは現在、ヤルタのチェーホフの家博物館(愛称ホワイトダーチャ)に展示されているとか。

ヤルタに日本のものが!!!(このフレーズが今日、脳内エンドレスで流れています)

日本の家具や雑貨が、どういった経由で、外国に出て、どんな人たちの手を経て、ヤルタまで旅をして、店に並んだのか――。そこにすごいロマンを感じます。知的好奇心を満たすたため、うっかり小説の内容そっちのけで、検索し、いろいろ推察してしまいました。

翻訳の楽しさって、いかに母国語を駆使して、こなれた翻訳にするか、いかにしてそのものずばり!の訳語を出すか――にもあるのですが、誤訳をしないための徹底調査、心にひっかかった場所の「謎解き」にもあると思うんですよね……。

猫たちは飼い主のそんな奮闘なんてどうでもよく、自分たちの世界で自分たちの楽しみを満喫。そういう関係が気楽でいいなと思います。

妹猫「猫の手を貸してしんぜよう」


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