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流れる雲を追いかけて

突然の入院で、大勢の方に迷惑を掛けてしまった。誠に申し訳なく思う。
病気だから仕方ないとは言え、店のシフトから突然消えるのは大迷惑だ。タイ料理屋なんて夏がかき入れ時なのに、1人戦力が欠けるなんてのは超絶大打撃である。本当すみません。

さて、Twitter(x)やらLINEやらでお見舞いの言葉をたくさんいただいた。スマホを見るくらいしかやることがない''ひたすら安静''という仕事は本当に暇で、活字中毒の自分としては読み物が次から次へ更新されるTwitter(x)は、本当癒しのアイテムである。皆さまコメントありがとう。

まー騒いだ手前、病気の経緯と顛末くらいnoteに残してもいいかな?と思い、スマホを手にポチポチ記しておこうと思い立ったので、そこはよしなに。

発症

店も落ち着いた金曜日の夜22:00過ぎ。便意をもよおした僕はトイレに駆け込んだ。けれど、かなり気張った挙句成果が得られず逆に冷や汗がドバドバ出てきて
「こりゃ貧血ぽい症状だな…」
なんて思いながら店に戻る。
レジ前にいた同僚に
「ちょっと気分悪いんで休んでもいいですか?」と伝え、もちろん同僚は
「なんか顔色悪いっすよ?大丈夫ですか?」などと気を遣ってくれて…。

その直後、本格的に便意を感じた僕は
「ちょっともう1回トイレに──」
とトイレに駆け込んだ。
1回目の下血。
鮮血で便器が真っ赤に染まる。
とは言え、その時点では
「痔が切れたのかも知れないな…とりあえずスッキリしたからまぁああいか」
と、店に戻った。
レジ閉めを始めていた同僚はこっちを見るなり
「顔色ヤベーっすよ。もう帰ったほうがよくないですか?店は大丈夫なんで帰りましょう」
と言ってくれた。僕は、
「いやいやちょっと休めば大丈夫だから…」と言ったものの、再度冷や汗が流れて目の前がだんだんと暗くなり
「ヤベー、貧血だ…」
と思うか思わないかのうちに意識を失ってバッタリと倒れてしまった。
よくドラマなんかで見る''足から崩れ落ちる映像''は嘘だ。実際意識を失うってことはスイッチを切って身体機能を強制終了することなので、現実はコンクリートの床に思い切り顔面から倒れてしまった。顔面と左脇腹、左膝を強烈に打撲。(同僚談.※その衝撃で、後に肋骨骨折が発覚)

意識が戻る瞬間は確かにドラマっぽかった。同僚が覗き込む顔にだんだん焦点が合っていき、徐々に「大丈夫ですか?」という声が聴こえてくる。
意識を取り戻した僕は
「とりあえず座って休みます」
と、同僚に抱えられながら客席のソファシートに身を任せた。
別の同僚がポカリスエットを買ってきてくれた。熱中症だと思ったらしい。
そのポカリスエットを一気に飲み干した僕に2回目の便意が襲ってくる。トイレに駆け込み2回目の下血。

諦めて帰宅決意



真っ赤に染まった便器を見て
「さすがに無理だな…今日は帰ろう」
と考え、店に戻り再びソファで10分くらい休んで落ち着いた後に
「すいません、今日やっぱ帰ります。明日10時出勤を12時でもいいですか?」
と了承を得て帰宅することになった。
同僚は
「救急車呼びましょうか?意識失くすとかマジ危ないですよ」
と言ってくれたが
「もう落ち着いたし頑張って帰るよ。大丈夫大丈夫」
と毅然とした態度で心配する同僚を振り切った。
「家に着いたら連絡くださいね──」
と、声が遠くに響いていた。

ここまでで2回下血。自分の感覚では1回200ccくらいかな?と思っていたけど、後に病院内で下血した際測ってもらうと400ccほどだったことが判明した。

まだ意識はハッキリとしていて冷静に考える頭もあったので、10Fの従業員エレベーターから降りるときに
「途中で漏れるとカッコ悪いから地下の従業員トイレに寄って出してくか」
と考え、再びトイレに駆け込む(3回目の下血)
「よし、これで大丈夫」(大丈夫ではない)
とフラフラしながらJR有楽町駅まで歩く。

店はマロニエゲート1(handsが入ってるビル)で、そこから道路を渡り、一度交通会館の辺りで休憩。
「とりあえず電車に乗っちゃえば何とかなるだろう」
と、トボトボ歩きながらなんとか山手線に乗り込めた。このとき23:15分。上野駅を目指す。上野発高崎線最終電車は23:46である。

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