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「Only」のマーケティング戦略とは?

Onlyの#マーケティングトレース

会社名:株式会社オンリー
業界:オーダースーツの制作・販売。
代表者名:中西 浩一さん(会長)、中村 直樹さん(社長)
ビジョン・理念:「仲間、正直、シンプル」
売上高・営業利益:
トレース目的:量販店との差別化、スーツの需要減に対抗するマーケティング戦略を学びたい。

Onlyとは?

「ほかにないもの」をコンセプトに、自社工場の”オンリーファクトリー”で独自の技術を開発しているオーダースーツを制作・販売している本社を京都府に置く企業です。
オンリーの企業理念を調べると、このように書かれています。
・良い商品を真心込めてお届けし、社会に夢や幸福をもたらします。
・会社成長と社会の発展のために、立派な人材を育てます。
・未来社会に貢献するため、あらゆる可能性に挑戦し続けます。
従来のスーツより100g軽い「空」と言う仕立て方法を開発したり、
最近では当たり前になった、「ホームウォッシュスーツ」を開発したのもオンリーの社長の白波さんとのことでした。
(毎回スーツをクリーニングに出すのはお金的に厳しいので、洗えるスーツはとても便利です)
”顧客が求める商品を作る”ことに挑戦していると分かるのではないでしょうか。

マーケティングトレース参考URL

・株式会社オンリー
 https://only.co.jp/
・ 職場でのスーツ着用率、日本は世界で10位=調査(ロイター通信)
 https://jp.reuters.com/article/idJPJAPAN-16655720100805

STP分析

続いて、STP分析でマーケティングの基本戦略を整理します。

セグメンテーション(市場を分ける)
 人口動態▶20代~60代の男女
 地域性▶非製造業の企業が多い地域
 心理的特性▶ 既製品のスーツが体に合わない。
       周りと同じスーツを着たくない。
       良いスーツを着て、相手に信頼される印象を与えたい。
       質の高いスーツを着て、良い印象を与えたい。
 行動特性▶毎日の仕事でスーツを着用する。
◎スーツを着るのはどんな人か?と考えてセグメンテーションしました。

ターゲティング(コアターゲットを決める)
 ▼心理的特性を軸にターゲットを具体化する。
 ・オーダースーツで体に合ったスーツを作りたい。
 ・生地や色、ボタンに至る所まで、”自分だけの色”を出したい。
 ・商談の場などで相手から評価される質の高いスーツが欲しい。
ポジショニング(差別化ポイントを表現)
オンリーは「オーダースーツ」で”独自性、上品さ、体に合ったスーツ”を提供するポジションを築いている
この根拠となる画像がこれです▼

画像1

・女性が着るメンズ仕立てスーツ
・海外メーカーの良質な生地を使ったスーツ
・独自技術で作った軽い生地
ポジショニングマップでオンリーの独自性を表現すると次の通りになります。

ポジショニングマップ

STP分析のポイント
オンリーは、質の高いスーツをオーダーで提供することで、「既製品のスーツを着る人と差別化する」ポジションを築いています。
今までのオーダースーツ店とも異なり、4万円代からスーツを作れるため既製品の金額にちょっと上乗せすれば買えるため、量販店とも一線を画していることがわかります。

4Pマーケティングミックス分析

オンリーが「既製品のスーツを着る人と差別化するポジションを築く」ためにどのようなマーケティングミックスを構成しているのかを読み解いていきます。
Product(商品)
・季節ごとのスーツを販売
・国内生産のテーラーメイド
・「採寸」「生地選び」の出来るミニマルオーダー
Price(価格)
ミニマルオーダー▼
・スタンダード生地で28,000円~
・プレミアム生地で38,000円~
テーラーメイド▼
・生地、ボタン、裏地なども選べて28,000円~108,000円(税抜)
※2020年5月23日時点。テーラーメイド画面より
5万円のスーツを半年ごとに買い替えすると仮定して月9,000円ほど。
周りと差別化するための先行投資として、ちょっと頑張れば払える金額設定。
Place(流通)
仕入れ:本場イタリアの生地、国内生産した生地
売り場:駅チカ、ショッピングモール内。
仕組み:店内に多様な生地を並べて、独自性をアピール
Promotion(広告)
仕事中に通りやすい場所、買い物中に目にしやすい場所に絞って立地している。
店自体の雰囲気で質の高さをアピールしている。
ポイント
・生地の素材にこだわり、良質なスーツを提供
・オーダースーツのイメージを覆す28,000円と言う価格で提供
・店内に多様な生地を並べて、独自性をアピール
・駅チカ、ショッピングモールなど目につきやすい場所に立地
Onlyのマーケティング戦略とは?
・トレンド感やクオリティを追求し、買上単価増や高感度の顧客層の獲得に取り組む。
・ブランド価値の向上を図るため、独自のイベントを多数実施。
・女性向けに男性用の型紙で仕立てるオーダースーツが好評。
・テーラーメイドスーツやミニマルオーダースーツの販売の拡大を図っている。
(※IR情報より)
以上の情報より、独自技術に基づいた良質な生地で作られるオーダースーツの販売量を拡大しようとしていることがわかります。
“高感度の顧客層の獲得に取り組む”ことからも、既製品とは違う質の高いスーツ、
つまり「他のビジネスパーソンとは違うスーツを着たい顧客」がターゲットとしたマーケティング戦略を取っていると言えるのではないでしょうか。

私がCMOだったら?

仕事で着るスーツは時に安心感を求められます。
色であったり、模様であったり、生地によって安心感やイメージが変わります。
そこで、業種や職種ごとのカラーイメージの仮説を立てて、
「周りと差別化するスーツの着こなし情報」といった感じで情報を発信します。
そして、情報を基にアップセルを試みて販売単価増を目指します。

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