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Stones alive complex (Brookite in Quartz)


蝶を捕まえようとするかにぶん回されてる、地母神の巨大なる手。
比較して蝶サイズな亜火ノ聖命の戦闘機は、その動きをひらひらとかわす。

そろりそろり。
聖命は、戦闘機の背中を平将門へ向い、歩き始めた。

「将門よ。
否。火星時代から転生を繰り返してきた変革意志の依代よ。
またもや、パラダイムの分岐がやってきた。
ふたたび、貴殿のチカラが必・・・」

セリフの途中だったが、地母神の指が聖命の頭をかすめた。

「うわっち!
あぶねーなー!」

秒でひっこめた頭を伸ばし、セリフを最初から言い直す。
少し歩みも進める。

「将門よ。
否。火星時代から転生を繰り返してきた変革意志の依代よ。
またもや、パラダイムの分・・・」

胸の前へ、でっかい親指が突き出される。

「うわっち!」

のけぞる聖命。

「今のは・・・まぢヤバかった・・・」

胸をなで下ろして、また仕切り直す。

「将門よ。
否。火星時代から転生を繰り返してきた変・・・」

水平チョップが足元へ飛んできて、聖命は飛び上がって膝を丸める。

「あーもー!
キリがねーなっ!」

どうやら飛行コントロールAIは、最小限のパターンで地母神の手をかわせるルートを算出しているために、聖命分のでっぱりは計算に入れてないようだ。
聖命は小走りでコクピットへ戻って、コントロールパネルをあちこち操作した。

「作戦を変更するっ。
高エネルギー電磁場発生器起動。
夢の時空エネルギー場に干渉し、機体の質量を零へ。
推進システムを慣性質量低減反重力航行へ切り替え。
さらに機体の組成をヒヒイロカネへ錬成して強化。
つまり、TR-3Bモードなのな!」

とたん、機体の速度が倍速に上がった。
簡単に地母神の手を引き離す。

インメルマンターンで急旋回し、
地面へ機体を向ける。

「そんでもって!
EMP(電磁パルス波)発射!」

放射状の電子のビームが機体全体から四方へ発せられた。
それは地母神の手から腕、本体である地面に埋もれてるであろう身体へと伝播する。28Ghz帯の周波をくらった地母神は麻痺をして、33hzで身悶えた。

「どこの地の底も、今は物静かに変革が進んでいる。
イナズマから始まる人工の闇に紛れ、作戦を遂行する完璧に訓練された影たち。
そこは地鳴りとともに終わり、また次の地下へと移りゆく」

(おわり)

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