見出し画像

ブルースロック名曲集③~ ハンブル・パイ、ロリー・ギャラガー、憂歌団等13曲

ハンブル・パイ「ナチュラルボーン・ブギ」(1969)

ハンブル・パイは、元スモール・フェイセスのスティーブ・マリオットと後にソロになって大成功したピーター・フランプトンが在籍していたバンドとして有名です。                          「ナチュラルボーン・ブギ」は、「あいつ」という変な邦題が付いていますが、ハンブル・パイのデビューシングルで、唯一英国チャートにランクインした曲(最高4位)。

ロリー・ギャラガー「いれずみの女」(1973)

「いれずみの女」は、テイスト解散後の1973年にリリースされたアルバム「タトゥー」の冒頭に収録されたにロリー・ギャラガーの代表曲。    ロリー・ギャラガーは1974年を頂点に4回の来日コンサートを行い、1994年に亡くなるまで日本でも高い人気がありました。

ロング・ジョン・ボルドリー「アイム・レディ」

本名はジョン・ウィリアム・ボルドリーですが、2メートルを超す長身なので"ロング・ジョン"といニック・ネームがついたそうです。英国ブルース歌手の草分け的存在です。
「アイム・レディ」は、マディ・ウォーターズのカバー。作曲は、「フーチー・クーチー・マン」「スプーンフル」「ザ・レッド・ルースター」などの名曲を書いているウィリー・ディクソン。              ボルドリーのカバーは非常に切れの良い典型的なブルースロック調アレンジで、ツイン・リードギターとピアノによる間奏がとてもいいです。

ロング・ジョン・ボルドリー「Got My Mojo Workin」(1964)

こちらも元歌は、マディ・ウォーターズの名曲。ただし、元々のオリジナルは、アン・コール(アンコール?)という女性R&B歌手の曲です。               バックコーラスにビートルズが参加していてびっくりしますよ。

マディ・ウォーターズ「Got My Mojo Workin'」

1960、ニューポート・ジャズフェスティバルでのライブ映像。      観客の大多数を占める白人を意識したのか、リズムもかなりアップテンポで、シカゴブルースもここまでくるともう限りなくブルースロックに近いですね。実際、マディは1960年代半ば以降、次第にロック指向を強めて行きますから。
 
映像を観ても分かるようにこの時のライブは白人客に大うけで、本人も乗りに乗って「Got My Mojo Workin'」をもう一度繰り返した上にダンスまで披露すると言う出血大サービスぶり(残念ながらこのビデオでは最後の方がカットされています)。この時のライブをきっかけにマディ・ウォーターズ(本名:マッキンリー・モーガンフィールド)は、人口の多い白人層にも実力者として広く知られるようになりました。

来日ツアーは残念ながら最晩年の1980年5月の1度きりで、私が行ったのは、初日の新宿厚生年金会館でのコンサート。亡くなる3年前で太り気味、足腰も相当弱っていたのか、B・B・キングと同じように椅子に座ってのパフォーマンス。

それでもボーカルの方は全然衰えておらず、「Hoochie Coochie Man」、「Mannish Boy」、「Kansas City」などの他、一番のお目当ての「Got My Mojo Workin'」では観客も一体となって大盛り上がりでした。

当時、マディと行動を共にしていたジョニー・ウィンターが一緒に来なかったのは存念でしたが、前座として日本のブルースマンたちが大挙出演していて、なかなか壮観でした。

ヤードバーズ「ルイーズ」(1964)

1964年のスタジオ・ライブのカラーライズ版。                甘いマスクで女性ファンに大人気だったキース・レルフ(実は結構好きなんですが)、ギターに比べて彼のボーカルが非力ということで悪評芬々です。ただし、ハープの腕前は一流でしたが。

確かにこのライブでのキースは調子でも悪かったのか、ボーカルが弱弱しく声も一部裏返っていて、ちょっと聴くに堪えないものがありますね。                    ということで、こちらのライブの聴きどころはやっぱり間奏のハープとクラプトンのギターという事になります。

ヤードバーズ「ルイーズ」(1964) 

「ファイブ・ライブ・ヤードバーズ」収録曲。              その昔、中古レコード屋で初めて買ったヤードバーズのアルバムがこのアルバム。奇しくも全曲カバー曲のデビューアルバムでした。
                                  キース・レルフのボーカルは上記のスタジオ・ライブよりは、遥かによくなっていますね。バックの演奏にも迫力があり、クラプトンのギターよりもキースのハープが前面に出ていて聴きごたえがあります。   

憂歌団「スモーキング・ブギ」 

あくまでアコギにこだわり続けた内田勘太郎。個人的にはアコギも味があって悪くはないですが、やはり非力な感じは否めません。エレキギターを全く使わなかった訳ではありませんが、もっと内田勘太郎のエレキ・ブルースを聴いてみたかったです。                                  

こちらは、憂歌団の元歌 ダウンタウン・ブギウギ・バンド「スモーキング・ブギ」~「アンタがいない」

テレビ神奈川(現TVK)に残された最初期(1974)のダウンタウン・ブギウギ・バンドの貴重なビデオ。伝説の音楽番組『ヤング・インパルス』(1972~76)出演時の映像です。

白熱の演奏が聴けるのが、エルモア・ジェームス風ギター・リフから始まるオリジナルのブルースロック「アンタがいない」。彼らのブルースバンドとしての実力がよく分かるライブです。

間奏に目一杯時間を取ったレコード以上の「フルバージョン」が効けるのもTVKの音楽番組ならではで、他局ではちょっと真似が出来ないでしょう。             

TVKには当時のビデオが消されずにかなり残されていて、10数年以上前の正月特別番組で後継番組の『ファイティング80's』『ライブトマト』などの映像も加えた長時間の「総集編?」も放映されました。

つい最近(4月2日)も、TVK開局50周年記念番組として同じく当時のライブ映像を集めた1部2部合計7時間に及ぶ『ライブ帝国 ザ・ファイナル』が放映されています。ラインナップは、ダウンタウン・ファイティング・ブギウギ・バンド、RCサクセション、モッズ、チューリップ、ガロ、五輪真弓、子供バンド、柳ジョージ&レイニーウッド、イエロー・モンキーなど多彩な顔触れでした。

いつもの脱線で、こちらは、「総集編」で放映された舘ひろし「朝まで踊ろう」(『ファイティング80's』の映像)。

数ある「朝まで踊ろう」のライブ映像の中でも最高のパフォーマンスだったのに、時間の関係からか後半がバッサリカットされていて頭に来ましたが。 (初放映時は、勿論フルバージョンで歌っていました。)                                     生憎、音も映像もひどいものですが、当時の雰囲気は伝わって来るかと。           最初の放映時に録画しそこなったことが、今でも悔やまれる1本です。

閑話休題                              こちらが「スモーキング・ブギ」の元歌。
フリードウッド・マック「シェイク・ユア・マネーメーカー」

リードボーカルは、エルモア・ジェームス「大好き」のジェレミー・スペンサー。                                   

そのフリードウッド・マックの元歌、エルモア・ジェームス「シェイク・ユア・マネー・メーカー」

                                  最後に、ブラインド・フェイス「Sleeping in the Ground」

ブラインド・フェイスは、スペンサー・デイヴィス・グループを抜けたスティーヴ・ウィンウッドと元ヤードバーズ~クリームのエリック・クラプトンを中心に元クリームのジンジャー・ベイカーなどが集まって結成されたスーパーグループ。ご多分に漏れずこのバンドも実質的活動期間は半年にも満たない短いものでした。

そういえば、日本にも元GS界のスターを集めて結成された「PYG」というスーパーグループがありましたね。(「レベルが違い過ぎて話にならない、一緒にするな!」と怒られそうですが。)               「Sleeping in the Ground」はブラインド・フェイスには珍しい本格ブルース。




          

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?