つげ義春日記 つげ義春 講談社文芸文庫

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3月31日、紀伊國屋ホールで開催された紀伊國屋寄席を聞きに行った。
会場がある4階に上がる前に、2階の文庫と新書の売り場の棚をぐるぐるとみて回った。
その時に買ったのは、ちくま学芸文庫の『東京の昔』、『表徴の帝国』と岩波新書の『老人読書録』。講談社文芸文庫の棚も、新刊コーナーもチェックしたはずなのだけれど、講談社文芸文庫の表紙カバー、タイトル部分が銀の箔押しになっているのには気づかなかった。

その日を最後に、緊急事態宣言が発出される少し前の、4月1日から自主的な外出自粛生活に入った
それからおよそ2ヶ月ぶり、緊急事態宣言が解除され、東京都がステップ2を宣言したのを機に、メトロに乗って銀座へ出た。
久しぶりの銀座。久しぶりの教文館。

かかりつけのクリニックのそばに、小さな書店があって、そこには何度か立ち寄ったが、中規模以上の書店は久しぶりで、本屋さんにいることの楽しさを味わい、2階のフロアーの棚をぐるぐると見てまわった。

講談社文芸文庫の棚には何冊か面陳されていた。その中でひときわアウラを発していたのが『つげ義春日記』。表紙の銀箔押しのタイトルがパッと目に飛び込んできた。

講談社文芸文庫とつげ義春というカップリングの意外性。普段、漫画は読まない私でも、つげ義春の名前は知っていた。ツボちゃんが「文庫本を狙え!」で『無能の人/日の戯れ』を取り上げていて、当時、書店で新潮文庫を手に取ったことはあった。でも、その時は表紙を見て、そっと棚に戻した。

今回は、ツボちゃんの本のどこかで『つげ義春日記』に言及していたような気がして、裏表紙の内容紹介を読み、最初の数ページを立ち読みしてみた。これはきっと「文庫本を狙え!」で取り上げただろうと確信した。

帰宅して私的データベース(Scrapbox)を検索したら、やはり『文庫本を狙え!」に『無能の人・日の戯れ』、そして『文庫本玉手箱』に『つげ義春初期傑作短編集4貸本編(下)』が取り上げられていた。
早速、その2冊の当該ページを読んでみた。すると、『文庫本玉手箱』の方に、あった!

いやその前に、かつて講談社から出ていた『つげ義春日記』、あの日記文学の名作の文庫化を切望する。講談社よりもむしろちくま文庫の方が向いていると思うのだが、ちくまさんいかがかな。

この一文が「週刊文春」の「文庫本を狙え!」に掲載されたのは、2009年2月5日号。
さらに11年後に、ツボちゃんが「日記文学の名作」として文庫化を切望した『つげ義春日記』はめでたく講談社文芸文庫に収録された。ちくま文庫ではなかったけれど。

そうそう、いつから講談社文芸文庫の表紙は書名が銀箔押しになったのだろう?

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