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2024/06/20木
『ある翻訳家の取り憑かれた日常』Web版更新された日に、書籍も読了。
ノンフィクションはつまらないと思われがちなのだけれど、ノンフィクションほど、心の奥のほうにある恐怖を引っ張り出されるジャンルもない。まさに、そこには深い沼があるのだ。
こういう一文を読むと、がぜん、村井さんが訳したノンフィクションを読んで、その深い沼をのぞきこんでみたくなる。
さらっと書けばいいと勘違いされがちなエッセイだが、そんなにさらっと書けるわけがないではないか‼︎(中略)全然さらっとしてないのよ。どんな文章も「さらっと」は出てこないわけ。なにやら、濃厚な感情とか、薄汚い思惑とか、そういうものが渦巻いていて、それをぎゅっとまとめて、多くを削って、ようやく形になる。
楽々と、軽々と、書いているように見えるけれど、そんなわけないんだよな。エッセイストとしても引っ張りだこの村井さんだけれど、そうなる前には、たくさんたくさんブログを書いていらしたし、人を惹きつける文章っを書くって、そんなに簡単なものではないのだ。
なぜフランス・ドゥ・ヴァールに辿り着いたかというと、『The Other End of the Leash』の参考文献にドゥ・ヴァールをはじめとする動物行動学者らの著作がずらっと出てきており、ついつい購入してしまうからなのだ。一旦買いはじめると、全て買おう、よし!という気合が入ってしまうのをどうにかしたい。
わかるな、その感じ。ただし、村井さんは買った本を読んで、仕事に還元していらっしゃる。わたしはというと、買ったことで満足して、積読の山になりがちというところ。なんかのきっかけで、買っておいてよかった‼︎となる場合もあるのだけれど。
最後に、原田とエイミーのエピローグが書き下ろしで収録されている。
そうきましたか……。
そうそう、エッセイの間に挟まれた村井さんがご自分で撮った写真のページ(カラーで2ページ×4箇所)がいいんだなぁ。もちろんイケワン・ハリーくんの写真も。
夕方、買い物に行く道ですれ違った小学生(たぶん、5年生か6年生?)の男の子が、歩き読みをしていて、なにを読んでるんだろう?とチラッと横目で確認したら、ペイパーバックスだった。
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