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Vol.045 物々交換

リハラボ 「予防医療ノート」 Vol.045
2020/07/10配信 (2020/8/28まで限定公開)


目次


①今週のテーマ  物々交換
②予防医療ニュース 新型コロナの空気感染
③予防医療論文  歯周病とアルツハイマー
④今週の名言  三国志

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①今週のテーマ


 予防医療などに関するテーマについて、気になったことや感じたことを書くコーナーです。


テーマ「物々交換」

 本日は、物々交換について考えていきます。

 
 最近、お金の価値観の重要性が低くなると考えます。
 そして、お金とは違う価値観の重要性が高くなると考えています。
 新型コロナによって国の分断が進み、景気がさらに悪化することが予想されるためです。
 
 その一つの価値観として挙げるのが物々交換です。
 これからは物々交換の考え方が流行するような気がしています。
 人々は、お金の信用を失うことで物と物の交換をするようになる人が増えると考えるからです。
 もちろん、お金はこれからも残り続けますが、物と物の交換をする手段が多様化するだろうな、と見ています。
 お金は、ただの交換手段に過ぎませんから。


 例えば、国家財政破綻を頻繁にしているアルゼンチンやベネズエラでは、お金の信用が下がり、物々交換をして生活しているケースがあります。
 大きな体育館に市民がシートを広げて、売りたい物を陳列していきます。買いたい人は自分の品物を持って、売りたい人と直接交渉をして物々交換を成立させます。
 まるでお金を使わないフリーマーケットのようです。
 ある人は、自分で作ったドーナツ12個と黒い洋服を交換したり、またある人は、トウモロコシの粉2袋と散髪サービスを交換したりします。
 
 このように、お金の信用を失った国は、物と物の交換、物とサービスの交換が流行することがわかります。
 
 交換で重要となるのが、現物資産である食料です。
 食料を確保している人が物々交換の主導権を握れます。
 例えば、野菜や米、穀物、果物、肉、魚、卵などです。
 食料がお金の替わりになるのです。
 あと、その食料が健康を維持するものであれば価値は上がるでしょう。
 例えば、オーガニック野菜や無農薬野菜などは高値で取引されるでしょう。
 病院にかかるお金がないので、市民は病気にかからないように健康を維持しようとするからです。
 
 
 では、これから日本円の信用が下がった場合、どのように対策すればいいのでしょうか。
 
 対策としては、各家庭が無農薬の家庭菜園(マイクロ農家)を始めることです。できれば、釣りをすることや鶏を飼育することができればいいでしょう。
 家庭菜園で重要なのは、やはり「土」です。土に栄養を与えるための牛や馬の糞、米ぬか、石灰、生ゴミなども、土の質を上げるために価値が上がるでしょう。
 個人的には、現代版の五人組のような仕組みも面白いと思います。
 家庭菜園をする近隣の家庭を五組に分けて、米担当、穀物担当、葉物担当、魚担当、鶏担当を作って、その五人組の中で物々交換をする仕組みです。


 このように、お金の信用が下がる局面では、食料(特に健康を維持する食品)が価値を持ちますし、物々交換が一つの決済手段になってくると見ています。

 あなたは何の価値を交換できますか?
 ぜひ、今一度考えてみてください。この2~3年が勝負です。
 
 
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②予防医療ニュース


 今週の気になったニュースをピックアップして、感想を交えながらお届けします。
 


~ 転載↓ ~


 コロナ空気感染の可能性、世界の科学者239人が警鐘


【7月7日 AFP】世界の科学者239人が6日、新型コロナウイルスに関する共同意見書を発表し、世界保健機関(WHO)などの当局に対し、同ウイルスが2メートルをはるかに超える距離で空気感染する可能性があることを認識し、それに応じて感染防止策を見直すよう訴えた。


 意見書はオーストラリア・クイーンズランド工科大学(Queensland University of Technology)のリディア・モラウスカ(Lidia Morawska)教授が筆頭執筆者となり、英オックスフォード大学(University of Oxford)の学術誌「臨床感染症(CID)」に掲載された。

 科学者らは、ウイルスが空気中で数十メートル移動できることが「合理的疑いの余地なく」示されており、これが新型コロナウイルスについても当てはまることが複数の感染事例の分析で示されたとしている。

 また、「手洗いや対人距離の確保は適切だが、私たちの見解では、感染者が空中に放出するウイルスを含む呼吸器微小飛沫(ひまつ)からの保護には不十分だ」と言明。対策として、屋内では換気を良くすること、高効率エアフィルターと紫外線ランプを導入すること、建物内や公共交通機関での混雑を避けることを推奨している。

 感染者がせきやくしゃみをすると、さまざまな大きさの飛沫が放出される。直径5〜10マイクロメートル以上の飛沫は1〜2メートルですぐに地面に落ちるが、それより小さな飛沫は「エアロゾル」と呼ばれる霧状の微粒子となり、はるかに長い間空気中を浮遊し、遠くまで移動する。

 新型コロナウイルスを含む微粒子の感染能力については科学界で激しい議論が交わされてきたが、WHOは今のところ、こうした感染は患者が人工呼吸器を装着した場合など、病院内の「特定の状況」でのみ起こるとしている。

 一方、新型ウイルスの拡散事例に関する研究では、微粒子による感染が病院内に限定されないことが示されている。米疾病対策センター(CDC)の専門誌「新興感染症(Emerging Infectious Diseases)」に掲載された論文によると、1月に客の集団感染が起きた中国のレストランでは、新型ウイルスが空調によって複数のテーブルに運ばれたとみられている。


~ 転載終わり ~
 

出典 AFP

https://www.afpbb.com/articles/-/3292384?cx_amp=all&act=all


 感想

 予想はついてましたが、新型コロナはエアロゾルを介して空気感染することがわかりました。
 今までは飛沫感染や接触感染で感染が広がると考えられていたため、ソーシャルディスタンスなどの対応がされていました。
 しかし、空気感染によって広がることがわかったので、ソーシャルディスタンスはあまり意味をなさなくなりました。マスクもあまり意味がないでしょう。
 今後、ニューノーマルの生活様式も見直さないといけないと考えます。

 
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③予防医療論文


 
 今週の気になった論文をピックアップします。

~ 転載↓ ~


 歯周病菌感染は全身の脳老人斑成分を脳内輸入させる
 歯周病によるアルツハイマー型認知症関与を解明する新しい発見

 歯周病原因菌であるジンジバリス菌(Pg菌)を全身に慢性投与することにより、正常な中年マウスの脳外で産生される脳老人斑成分であるアミロイドβ(Aβ)が脳内に取り込まれることを初めて発見しました。
 Pg菌を3週間連続で投与すると、中年マウスの血液脳関門を構成する脳血管内皮細胞周囲の脳実質において、Aβが増加し、記憶障害が誘発されることを突き止めました。
 今回の発見はPg菌の全身投与が中年マウスの肝臓においてAβ産生を誘発することを明らかにした同研究グループの報告を発展的に実証したものであり、Pg菌が全身に感染することによって末梢炎症組織でAβを誘発するとともにAβが脳内に取り込まれることを示した初めての成果です。
 この研究は歯周病によるアルツハイマー病の新たな関与メカニズムを示しており、歯周病の予防ならびに治療によって、アルツハイマー病の発症と進行を遅らせることが大いに期待されます。


 
~ 以下省略 ~

~ 転載終わり ~

出典 九州大学

https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/466

 感想

 歯周病とアルツハイマー型認知症の関係性が明らかになりました。
 認知症を予防するために、定期的な歯科受診が重要であることがわかります。
 歯周病は、認知症の他にも様々な生活習慣病の元凶になるので、口腔環境を清潔にすることは、予防医療を考える上で必要不可欠であることがわかります。
 

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④今週の名言


 蛟竜雲雨を得ば、ついに池中の物にあらず。

『三国志』

(池に住む小さな蛇も、天の時を得れば龍に化け、雨雲を伴って池を飛び出す。タイミングというのはそれ程までに重要なもの)


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リハラボ 代表
廣谷迪正(ひろやみちまさ)


リハラボホームページ
https://mkhjwh3.wixsite.com/selfreha

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